知事記者会見の概要(令和6年10月10日(木))
最終更新日 2024年10月25日 | ページID 058808
令和6年10月10日(木曜日)
10:30~11:25
県庁 特別会議室
[知事]〔配付資料:バイパス道路(国道417号)の開通について〕
国道417号ですが、板垣坂バイパスが開通するということです。開通日は11月24日を予定しています。板垣坂バイパスは、池田町の板垣から越前市の南坂下町のところに、3.5キロ、整備を行っていたところです。整備効果は、見ていただければ一目瞭然ですが、ぐるっとこう回っていたところをまっすぐ行けるようになるということです。このクラウンロード、冠山峠道路は、昨年の11月19日に開通しています。池田町は4倍から5倍までお客さんが増えている状況でしたが、今までここのところは急カーブが連続していたので、時間も9分かかっているということもありましたが、危ないというか、少し怖いんですね。こういうところをまっすぐ行けるようになるということで、通行時間が5分短くなる。9分が4分になるということで、とても大きな効果があると思っています。カーブが一番きついところ、16メートルのR(曲線半径)が80メートルになり、急勾配のところも減ってくるということで、これによって中京と丹南地域、鯖江や越前市へ行きやすくなるということで、クラウンロードとともに大変期待をしているところです。
私からは以上です。
~質疑~
[記者]
中京と丹南地域の行き来がより良くなるということですが、冠山峠道路開通後、人気な中で、さらに利便性が向上することで、どのようなことを期待されているかお聞かせください。
[知事]
今は池田町へ来られるお客様が増えてきていますが、それをさらに先に伸ばしていただく。このあたりはまさに伝統工芸の産地ですし、11月6日からは蟹のシーズンを迎えますので、越前町に抜けていく道路として、中部縦貫道とともに、名古屋よりも少し西に行くと、こちらを使う方が早くなります。名古屋よりも少し東か北に来ると中部縦貫道が非常に便利です。冬も含めて、ルートが確保されるということはとても意義があると思っていますし、福井を、越前海岸を含めて、さらにみなさんにご理解、浸透できればと思っています。
[記者]
蟹のシーズン、特に冬ということで雪なども予想されると思うのですが、トンネル区間なので雪の影響が軽減されるという趣旨だと思うのですが、この通行状況は冬季はどんな状況になっているかお聞かせください。
[知事]
平成30年の2月4日、5日、6日の頃に大雪が降って、県内大渋滞もしくは通行止めがあったのですが、ここのところも17日間通行止めがありました。雪が斜面に溜まっていて、雪崩があってはいけないということで、それを避けるために17日間通行止めにしましたが、ここまで開通すると、おそらく同じ雪だったら通れただろうと思っています。雪に非常に強くなった。また、カーブも非常にきついので、冬場は慎重に運転しないと怖い。実際に事故なんかも起きていますので。非常に運転もしやすくなったと思いますので、通行止めが起きることもほぼ減ってくるということと、運転しやすくなるという効果が非常に大きいと思っています。
[記者]
県の予算にもあがっていたかと思うのですが、福井県と飛騨高山を結ぶ観光ルートの構築を目指していると思いますが、その構築にあたってもこの道路の開通は意義があるものといえるのか、お聞かせください。
[知事]
飛騨高山や白川郷などとの間では、直接的には中部縦貫自動車道がやはり実際につながる路線としては大事だと思います。しかし一方で、高山から入ってきて、中部縦貫道で来られた方たちが丹南に行って、今度また中京に抜けていくというようなことで考えれば、効果が大きいと思っています。
[記者]
来週19、20日に全国育樹祭があると思うのですが、そちらに向けての準備状況、あるいは秋篠宮皇嗣殿下がいらっしゃるという発表もありましたが、どのような形でお迎えしたいかお聞かせください。
[知事]
おっしゃっていただきましたようにもう1週間少しに迫ってまいりました。9月30日に発表がありましたが、秋篠宮皇嗣殿下、同妃殿下が育樹祭のためにお越しいただいて、また、地方事情のご視察もいただけるということで大変嬉しく思っています。県民のみなさんにもご協力をいただいていまして、多くの協賛金もいただきましたし、ラッピングカーや木製のベンチをご寄付いただいたり、また、大会などで出させていただくお弁当のメニューを仁愛大学の学生さんに考えていただいたり、いろいろな演奏があるのですが、中高校生の音楽隊も編成していただいたということで、県民挙げてこれを盛り上げていく機運がいよいよ高まってきたと感じています。福井県はもともと、森林といわれるところが31万ヘクタール、県の全体の面積からいっても3/4を占めているということで、全国平均は67%ですから、それよりも広い面積を占めています。その中で民有林が27万ヘクタールで、実際に木が植えてある人工林は12万ヘクタール、そのうち8万ヘクタール、7割が50年以上の伐期に入ってきています。主伐の時期に来た。木を切って使うということに一番適した環境が整ってきたと思っています。その中で、今回、「育てよう 幸せ芽吹く緑の大地」というテーマでやらせていただくわけですので、木を育てる、そして使って、また循環をさせていく。そうすることで、CO2削減に対しても非常に大きな効果がありますし、いろいろな自然災害に対してもそれを止める効果があるということで、やはり山を循環させていくというところを、福井型の新しいフォレストデザインも含めて、自己紹介をさせていただこうと思っています。その上で、大事なことは、せっかく新幹線もきましたので、この新幹線を使っていただく。また、福井の食、海のもの山のものを楽しんでいただく。そして、歴史や文化も、非常に福井は観光に限らず深いものがありますので、そういった本物にも触れていただく。こういう機会になるように、できるだけ県民のみなさんと共におもてなしにも力を入れていきたいと考えています。
[記者]
補助金の関係なのですが、議会の中で、知事のお給料の関係の条例は可決されましたが、実際のところ、国から補助金が追加で配分されそうなのかどうか、今の状況をお聞かせください。
[知事]
これについては、ずっと私や職員も含めて、農水省、水産庁にお願いに伺っています。現状から申し上げますと、水産庁のこの種の補助金については、今年度分の補助金は全額、すべて都道府県や市町村に配分を終えているということでして、余っているお金がないということで、大変厳しいというようなお話をいただいています。これについては引き続き、私どもとしては、年度末も含めて、しっかりとお願いをしていきたいと考えているところです。そのような意味では今、常に厳しい状況ではあります。
[記者]
私は国政関連で二点伺います。石破総理が就任されて組閣もされましたが、石破首相の目玉政策の一つが防災省の創設だと思うのですが、全国知事会などでは、防災省に確か賛成していたというような記憶もあるのですが、知事として防災省に関してどのような所見かお聞かせください。
[知事]
防災対策についていつも言われておりますのは大きな災害が起きれば起きるほど、発災直後だけではなくて、そこから復旧に入ってさらに復興の方に行く。こういった全体を見通せるような仕組みが必要だということをおっしゃられて、馳知事もそういったことに言及されていたと認識をしています。その意味で石破総理もそういったことを一気通貫で進められるようにというようなお考えを述べられていると思います。知事会でも、そうした趣旨のことを今まで申し上げてきたとも考えています。一つの考え方として言えば、そうするといろいろな役所を一個にしなければいけなくなるわけでして、私が見ているところで言えば、最近は非常に内閣府防災を中心としてかなり連携ができてきていると思っていますので、そのような意味では、何かを切り離すという、一か所に集めるということは、例えば国交省にしても、ある部分を切り離すことになるので、そうすると他の同じ道路の中でもこの部分だけ切り出せるのかなど、いろいろなことが起きてくるということは一方で出てくるかもしれないと認識をしています。そのような意味では、石破総理も、まずは防災省というようなこともおっしゃられているようですので、現状よりも前進してくるということに期待を抱いていますので、防災省なのかどうかはともかく、現状に比べて当初の段階から復興に至るところを、いかにスムーズに、被災地の側に立ってものができるようになっていくのか、しっかりと考えて、形にしていただければありがたいと思っています。
[記者]
私からもう一点、10月27日投開票の衆院選に関して伺いたいのですが、県選出の国会議員の現職の方が、例えば比例に出られなかったり、公認が受けられなかったりと制約を受ける形の選挙になると思います。今回非公認であったり、比例に出られないということに関して知事の受け止めがあれば伺いたいのと、衆院選に関して、知事がどのようなスタンスを取られるか、特定の候補を応援したり、マイクを握ったりするか現時点でお考えをお聞かせください。
[知事]
私が今具体的にどのような対応をするかというは、要請も直接受けていませんし、考えていない状況です。一方で、今回のような自民党の現職のお二方が、お一方は非公認、そして稲田先生についても重複の立候補ができないということかと認識しています。これについては政治とカネのことで、これまで一年近くにわたって、非常に政治を揺るがしてきた。このようなことについての石破総裁もしくは自民党の判断だということで、しっかりと受け止めていただいて、国民のみなさんに対して、政治とカネについてご説明をいただくことが大事なのだろうと思います。これそのものについての私のコメントは、控えさせていただこうと思います。一方で、一般論として申し上げれば、高木先生、稲田先生お二方とも、これまで大臣や党の要職を歴任されて、非常に福井県、県政にも大きくご貢献はいただいた、大事な方だなとは認識しています。
[記者]
今月、珠洲市に行かれて、被災地を視察されてきたと思いますが、その現状と、福井県の防災についても、視察した経験を生かされてこのようにしたいというお話があれば伺います。
[知事]
今回、9月21日に大雨特別警報が出て、お昼前でしたが、お昼ぐらいから、リエゾン派遣など防災部局と相談をしていたところへ、ちょうど一時十分過ぎに馳知事から直接お電話をいただいて、緊急消防援助隊を派遣してほしいと要請をいただきましたので、私、消防庁の長官もよく知っておりましたので、直接そちらにも連絡をして、馳知事からのそういった窮状のお話も申し上げて、福井県も協力をしますということも言わせていただいたところから、一気に進めさせていただきました。地震の時の教訓が非常に生きてきたとも認識をしています。また地震で派遣している職員もおりましたので、その職員に対してすぐに珠洲市役所に行って、状況の把握と我々がすべきことを把握するようにと連絡をして、その日のうちにはリエゾン3人を県庁から珠洲市役所に送り込みました。23日から、今度は対口支援ということで、カウンターパート支援、これも福井県で受け入れさせていただいて。以前から準備していたドローンを早い段階から活用することで、被害の範囲がよくわかる。先日10月6日に行っても思いましたが、ただ写真を撮るだけではなくて、それを立体図に落とし込むと、実際にどこまで来ているかというのが、非常にリアルにわかる。これをデータ処理すると、堆積している土砂の量も、想定がすぐできる。今後、検討が必要ですが、今までは現場に行って測量しないと色々な書類などが書けませんでしたが、こういうものもさっとできるようになる。
こういうことで、色々な対策を、打ちやすくできるようにしていく。これももう一つ思っているのは、今まではその現場に行ってものをやらないといけないから、人をここに送り込まなくてはいけなかったのが、ドローン一つ持って行って操縦する2人の職員がやっていくと、そのデータはこちら側で受けて、どこででも処理もできるようになる。こういった協力の仕方もあるのではないかと。これはまだアイディアの段階ですが、やらせてもいただいています。その他にも、能登半島地震の当初から、福井県では取り組みもさせていただきましたが、スターリンク、衛星通信、特にデータ通信ができる環境を作る。今回も非常に、大谷地区など電波の調子が悪くなったところがありましたので、こういったところ。もしくは循環式の水を循環させるようなシャワーや手洗いなど、実際に行ってみて、大変好評でした。今回はもともと置いてあった大谷地区ではすぐ使えましたが、私が行ったのは6日で、5日から自衛隊のお風呂は使えるようになったということでした。けれども、その前から使えている状況で、一つ持っていくと、すぐに循環シャワー浴びられるというようなことも非常に効果が大きいと感じました。トイレカーなども、福井県の場合は民間から借りるということも含めて、能登半島地震で経験したことを今回生かせてきているかなとも思いました。そういったことを含めて、今回とにかく早くやらせていただいています。これは福井市から少し離れた県内であっても同じことが起きた時に、判断は、私がしていくということになると思います。しかし、そうでなくてもやることが決まっているということは、非常にスムーズに物事は進むということを実感させていただきました。おかげさまで珠洲の泉谷市長ともお話をさせていただきましたが、開口一番、「本当にプッシュ型の支援に助かっております」とおっしゃっていただきました。21日に発災して24日には中嶋危機管理監を送って、ボランティア派遣を急いだ方がいいだろうとこちら側で思っていたのですが、向こう側での準備も必要でしたので。そういう意味で派遣をしましたが、もともと最短でも29日かなと思っていた。派遣が26日に前倒しができて、人が集まるかと思ったら、本当に20名ぐらいの方はすぐに集まっていただいて、その日からずっと継続して送り込める、こういうこともよくわかりましたので、こうしたボランティアのみなさんにも本当にありがたいと感謝を申し上げますが、活用というとおかしいですが、ボランティアの皆さんと共にこうやって応援していくことについても、多くの知見を得ることができてよかったと思っていますし、それを、万一の福井県内の災害の時にも生かしていけるようにしていきたいと考えています。
[記者]
被災地の支援に関して、具体的な支援策について考えていることがあれば教えてください。
[知事]
今とりあえずやっているところでは、例えば今回は地震と水害は違うということは当初から私も言っていまして、水害に知見のある職員を送ろうということで、10月3日からは、南越前町に行っていた職員を送らせていただきました。土砂災害、泉谷市長も、道路啓開一つとっても、前の地震の時はブルドーザーみたいなもので押していって片付けるというのがあったのですが、流木が非常にたくさん散乱している状況があって、掴むような機械が必要だったというようなことをおっしゃっていました。やはり災害一つとっても、大規模というだけではなくて、災害の対応というのがありまして、こういうことに合わせ、少し過ぎた10月3日に送らせていただきました。大事なことは、現場で今何が必要かということを、リエゾンを通じてやっていくことだと思います。ドローンも送りましたが、今後とも、現場の状況を踏まえながら、さらに柔軟に考えていきたいと考えています。
[記者]
ロードマップに関して、現状関西電力が新しいどんなものを出してくるか待っている状況ですが、今回問題になっているところを整理してみると、日本原燃がそもそもあの日付を掲げていた以上、他の日付を関西電力は計画に書きようはなかったと思うし、六ヶ所再処理工場の竣工が遅れたというのは、関西電力が全面的に責任を負えることではないし、まして県には責任はないという状況だと思います。何が問題だったかというと、六ヶ所の竣工遅れがそのまま搬出開始の時期の遅れに繋がってしまうという、次善の策がない計画になっていたことだと思いますが、この点について、出てきた時点でこれはもう十分予見できていたことで、これに県が念を押さなかったということの責任は重いと思いますが、どうしてこの時念押ししなかったのですか。
[知事]
それは、現状において最善の方法がどうであるかということを考えるという中でロードマップという手法が出てきて、それで例えば今、中間貯蔵施設を県外で作るといったところで、例えば上関町で議論が進んでいるが、作るまでには一定期間がかかるという中で、どうやってこの必要な搬出容量を確保していくのかという中で出てきたことだと思います。これについては、その時々の最も確実なと言うか、でき得る手段を選んでいくしかやむを得ないというところはあると思います。
そういう中で、現実に、政府も含めてこの六ヶ所村の再処理工場ということを実現していくという約束だったり、覚悟だったりとか、こういったことを示されて、それをロードマップとしてまとめて出してきたということそのものは、昨年10月の段階も含めて、これは合理性はあったというふうに認識をしています。
ただ、それにしても、結果として国と関西電力においては、六ヶ所再処理工場を予定通り竣工させられなかったということについても、責任を申し上げて、今度こそ実効性のあるロードマップを、もしくはその手法を出してくるということについて今求めているということだと思っています。
[記者]
おっしゃる通り、計画を実行するのはあくまで県ではないので、関西電力なり国なりだと思いますが、一方で、これはそもそもどういう意図のもとに成り立っているかというところを整理すると、発電を引き受けている県が、なし崩しにバックエンドまで押し付けられるということがあってはならないという、県民に対する責任のもとにおっしゃっていると思います。
県民に対する責任は知事が負うものであって、関西電力や国に求めるものではないし、中間貯蔵施設は、最終処分場が決まってもいないし、核燃料サイクルが回っていない状況で、どこに使用済燃料があっても、それは国にとっても関西電力にとっても全体的な構造は一切変わりません。どこにあるかの置き場所の問題であり、これは福井県の希望でしかないので、それに関して、知事は容認するという判断をされているので、そこに関して確実に県の責任、知事の責任があるわけで、その点についてどういうふうに整理されて、どう考えているのですか。
[知事]
いずれにしても、今ロードマップを求め、確実に搬出するように求めているというところです。
[記者]
ただ、知事は信頼を損なったというような厳しい批判もされていたが、それはお門違いなんじゃないかなというふうに思います。あの時に、少なくとも次善の策を求めて、これ実効性は大丈夫ですかっていうことを訊ねることは十分できたわけで、それをせずに、そこだけ言ってもすごく滑稽に映ってしまいます。
[知事]
それだけ日本の原子力のバックエンド対策というのは、厳しい状況になっているのだと思います。こうしろよと言って、やれないことはダメだということはできるが、客観的な今の日本における、核燃料サイクルの状況ということを踏まえて、できるだけ確実な方法を取らざるを得ない、そういう今の原子力エネルギーの環境にあるのだというふうに認識をしています。
[記者]
その意味では、ロードマップを出した時点ではあれしか書きようがないし、竣工が遅れた場合、搬出は遅れざるを得ないわけで、それに対して知事が批判をされるというのは、どういう点について批判をされているのですか。
[知事]
それは計画を守らなかったからじゃないでしょうか。
[記者]
それは現状の中で少しでも確実な方法というと、現時点でそれしかないわけです。そのおっしゃっていることと矛盾が感じられますが。
[知事]
いえいえ、今の状況は、計画的に進まなくなってしまったことについて、一旦これは、この通りは無理ですと言っているので、確実に必要な搬出容量を確保できるものを見せてくださいと申し上げているわけです。
[記者]
そうであれば、あの時点で六ヶ所の竣工遅れというのは、私も取材して、厳しいだろうなと思っていたし、県議会でも、26回遅れているし信用できるのかということは随分指摘されていたわけで、できるだけ確実にと求めるのであれば、あの時点で次善の策、あるいはこれ本当に大丈夫かと、六ヶ所が遅れてもこれ本当に搬出できるかというのは念を押しておくべきだと思うが、その点どうですか。
[知事]
それは、その段階でできないということは決まっていないので、できるという前提で、国の核燃料サイクルもしっかりと進めていくということも国の方からも確認をしていたので、できないと確定していなかったと思いますし、次善の策、次善の策とおっしゃって、一見言葉ではそれはそうだっていうようなこともあるかもしれませんが、現実にどういう方法をお考えになられるのか、そういうことが、次善の策のないようにしていただいているのがロードマップだったというふうに思っています。
[記者]
お言葉ですが、乾式貯蔵に関しては、六ヶ所の竣工遅れは例外に当たらないのかと県は確認をしているわけで、搬出時期に関してこちらは念頭にない、できないとは決まっていないというのはかなり矛盾があるというか、非常に齟齬がある状況ですが、これはどう説明されますか。
[知事]
どういうことですかね。
[記者]
乾式貯蔵に関しては、六ヶ所の竣工遅れは例外に当たりませんねということを念を押されています。あの時、最初におっしゃったのは中村副知事でしたが、これは県の方針で聞いていることだと思います。
ただ、ロードマップの中の六ヶ所への搬出が遅れると、あの計画ではもう搬出時期、開始が遅れざるを得ないっていう内容になっているのに、こちらでは聞いていない、できないとは決まっていないというふうに知事がおっしゃっているので、これはその乾式に対する姿勢と全然違います。
[知事]
いや、ですから、乾式貯蔵で増えた分を使うというようなことにはならないということの確認をしながら今やっているんですけれども。その上で、ロードマップで出ているのは六ヶ所だ、中間貯蔵だと。以前は中間貯蔵施設の場所だけの話でしたが、中間貯蔵施設の場所だけ言うのではなくて、トータルとして、県内の使用済燃料がきちっと必要な容量、搬出ができると、その量を確保できるということを求めているのが、それができるはずだと言っているのがロードマップなわけなので、何も乾式貯蔵だけにこだわっているわけでもないし、実効性のあるロードマップを早く出していただくことが今一番重要なんだろうと思っています。
[記者]
少なくとも乾式貯蔵に関しては、六ヶ所の竣工遅れを、例外にならないかと念を押しているのに、ロードマップの搬出時期に関しては、そこに関わってくるのに、念を押さなかったのはなぜですか。
[知事]
これは、ロードマップに全部トータルで書いてあって、今回計画通り進まなくなったので、それをしっかりと見直していただく必要があるということです。
[記者]
そうすると、どういう意図があるかというのは別としても、結果的に、知事が容認するという形を取ることによって、新しい約束の期限まで結局バックエンドの見通しが全く立たない中で使用済燃料がどんどん増える、運転を認める、運転するという、これを繰り返している状況が続いていて、この点に関して、知事はご自身の責任をどういうふうに取っていくつもりですか。
[知事]
責任は関西電力と国が一生懸命これから考えてとっていただくことだと認識をしていますが、とにかく搬出できるように、そういうロードマップに見直していただく。いずれにしても、計画通り進まないことが明らかになったので、早く次の状況見せろよというのが今の状況ですから、それには合理的な期間が必要ですよねと。
おっしゃっていただいたように、再処理工場を1つの要素として考えるということは、多分関西電力の前提にあるのだと思います。だとすれば、それの新しい日本原燃が考える暫定操業計画というものを見なければ、それこそ確実な計画は作れないわけなので、そういう意味では、早くそれを出していただく。関西電力は当然、確実なロードマップができなければ、今年度末以降、運転を停止すると言っているわけなので、とにかく我々は年度末まで待たないで、できるだけ早く出すようにというふうに申し上げているということです。
[記者]
ただ、少なくとも、元々のところで県外への搬出というのは、置き場所が変わったところで、青森に行こうが山口に行こうが福井にあろうが、そこにはやっぱり住民がいて、いつまでも置かれることを望まないというのはどこだって一緒で、置き場を変えることに関して、国と関西電力に求めても、それは福井県の希望でしかないわけで、そこの責任を負わせるというのはちょっと無理があると思いますが。
[知事]
そうでしょうか。原子力発電所で作られた電力を使ってらっしゃる方はどなたなのでしょうか。この私たち福井県民だけですか。それは、原子力というものを、これからも、石破政権でも脱炭素の電源を最大限活用するという方向性を示しているということは、その電力の恩恵を受けるとともに、そこから出てくるバックエンドも含めて、いろんな形があると思います。原子力発電を核燃料サイクルで回していく、そういったものを、お互いにできる範囲というか、地域の事情も含めていろんな範囲があると思います。そういったことの中で、受け持ち合い続けるという考え方は、これは必要なことだというふうに思います。
[記者]
再処理工場や最終処分場ではその理屈は成り立つと思いますが、中間貯蔵施設はただ置き場所を変えるだけなので、それは新たな苦しみをその地域に生むだけで、大きな構図としては国にとっても変わらない。
[知事]
それを福井県に負えと言われているのかどうかを私は逆にお伺いしたいという気持ちになります。
[記者]
であれば、使用済燃料を生まないようにする、そもそも出さないようにする、その責任を負っているんじゃないかなと思いますが。
[知事]
最大限、とにかく今の状況を改善できるように私どもとしても努力をしてまいります。
[記者]
ロードマップが出てくる前に、関電がフランスへの搬出をもって中間貯蔵の県外計画地点の提示と同等の意義があると出した時に、県は4,5点の要望を出したと思います。その中の一つに、六ヶ所再処理工場の稼働がうまくできなかった場合の代替案を示せということを出しました。それがロードマップを関電が出してきた時に、そこをあやふやにしたまま県が容認してしまった。国もきちんと回答しないまま終わってしまったという経緯があります。今回ロードマップ見直しがあったということで、県議会では、次の実効性のある計画を出すという時には、再処理工場が2026年度に稼働しなかった場合にどう対応するのか出してもらわないと認められないという声も出ていますが、これについてどう考えますか。
[知事]
これについても、関西電力、国がまず、どういう考え方を示してくるかだというふうに思っています。あらゆる可能性を排除せずに、実効性のあるものを考えるというふうにおっしゃられているので、そういったところをまず待っているという状況です。
[記者]
昨年10月に容認されたタイミングで、代替案を国に突き詰めずに容認したことが、結果このような事態を生んでいるというところの知事の責任はどう考えますか。
[知事]
事態を生んでいるとおっしゃられるが、計画通り進まないという状況であって破綻をしていると、今すぐに、六ヶ所の再処理工場ができなくなったということを今おっしゃられている状況ではないので、ここのところを含めて、国と関西電力がどういうふうに実効性のあるロードマップを改めて出してくるか、そこだというふうに認識をしています。
[記者]
元々、フランス搬出のところで、県側が、再処理工場が稼働できない場合の代替案を示せと言っていました。それが10月のロードマップの時に、そこをはっきり突き詰めずに、結果こうなったというのは、その当時から六ヶ所の延期は当然観測されていたわけで、そこを読めなかったことがこういう結果を生んでいるというところの責任をどう考えているのかということを聞いています。
[知事]
今、国と関西電力が、これに対してしっかりと実効性のあるロードマップを出していただくということだと思っています。
[記者]
昨年のように、再処理工場が予定通り稼働できなかった場合の代替策を示せというのは、県側から要請するのかしないのかはどうですか。
[知事]
余念をもってここで申し上げることはありません。まずは何を出してきて、それについて議会、立地市町、それからいろんな関係者いらっしゃるので、こういった方々のご意見を伺いながら総合的に最終的に判断していくということです。
[記者]
それがなくても実効性のある担保というのは認める可能性はあるということですか。
[知事]
それは何も、まず見せていただいてから考えていくということです。
[記者]
県議会の中で、関電の新たな工程表が確実なものじゃなかった場合に、期限となっている今年度末を終えた場合、県側から原発3基の停止を要請するべきだという意見があったかと思います。
改めて、知事としては、要請するということが可能なのかどうかというところも含めて、県としては停止要請などをする立場ではないとお考えなのか、それも可能性があるのか伺います。
[知事]
それは今年度末というか来年度の初めの話をされているのですか。
[記者]
今年度末までに示されなかった場合に県としてどういう対応をするかという意味です。
[知事]
これは、示されるだけではなくて、おっしゃるように、実効性のあるものかどうかの判断をした上で、実効性があると判断できないという時には、関西電力は、来年度以降どうやって止めるかというのは、それは4月1日にバシっと止めるとかっていうことではないと思いますが、安全性は取らないといくらなんでもダメだと思うが、可及的速やかにそれは止められるんだというふうに認識をしています。
[記者]
あくまで県としての要請ではなく、事業者側の判断ということですか。
[知事]
何もしなかったら、それは何か言うと思いますが、そういうことはないと思います。
[記者]
何もしなかったら何か言うというのは、要請に当たるのですか。
[知事]
要請なのかは、ちょっとそこは考える必要もないというふうに思っています。
[記者]
修正案に対して、この判断は、県議会や安環協、安全専門委員会とか、関係者に意見を伺ってから判断するとおっしゃっていましたが、スケジュールとしては、これ2月上旬の、2月の定例議会が始まる前までに関電がスケジュールを示さないと、これは可能ではないという認識でよかったでしょうか。
[知事]
それはいろいろな日程はあると思いますが、いずれにしても、今年度末3月31日までに判断ができるような環境にならなければ、何も3月30日に出してきて、1日で見てくださいということにはならないというふうに思っているので、そこから先のところは、できるだけ早く、我々は31日まで待てと言っているわけじゃないので、できるだけ早く示していただいて、ゆっくりやる気もありませんけれども、しっかりと議論をさせていただいて、適切な判断をしていくということだと思います。
[記者]
特に、2月の定例議会中の提出を拒むものではないでしょうか。
[知事]
それは、出てきたところから議論をしていくということだと思います。我々は何も2月とも言っていません。もっと早くで全然構わないので、できるだけ早く出すように言っています。
[記者]
能登の豪雨に関連して一点だけ。22年には福井県の南越前町でも大雨があって、水害対策など取り組んでいらっしゃるかと思いますが、今回、能登の記録的な大雨と同規模の大雨災害が県内で発生した場合に、能登のような住宅浸水とか土砂崩れが、同様の事態に陥らないかというところと、陥らないようにするために、今後どういったことに着手していくか、考えがあればお願いします。
[知事]
能登も含めてですが、福井県内で起きている水害も含めて、完全にリスクをゼロにするというのはほぼ不可能だというふうに認識をしています。やはりハザードマップをみなさんご覧いただければお分かりいただけますけれども、百年に一度の水害には耐えられるとか、30年に一度の水害には耐えられるとかいう風になっていますが、それを超えた場合にはこのぐらい水が来る可能性がある、こういうふうになっているわけで、やはり、水害に対する備えというのは、できるだけ、まず、河川の整備をしていく。堤防はもちろん、それから今は流域治水という考え方で、一時的に田んぼに貯留させて逃がしていくという方法も含めて、とにかくできるだけ幅広く、今できること、浚渫とか伐木ということにも今力を入れていますけれども、ありとあらゆる手段を講じながら、目の前の災害が起きないようにやっているというところです。現実の成果として言えば、二年前の南越前町の豪雨で鹿蒜川が氾濫しましたが、あの結果は、日野川の中流域のところ、越前市内で、すれすれまで、堤防までいきましたが、直前に浚渫と伐木をしていたので、30cmぐらい水位が低下したというふうに、後から見てもなっていましたが、その結果として、水が溢れることがなかった。本当に日々、リスクとの間で最善を尽くすことで被害を未然に防ぐことが可能にもなる。一方でそれを超えてくれば溢れるということですので、我々としては事前防災として、タイムラインも含めたソフトの面も含めて、もしくは今、カメラなども設置させていただいたり、水位計もいろんなところにつけさせていただく。つけるときには、地域のみなさんに、これをつけるだけじゃなくて、みなさんにネットとかで見られますので見ていていただいて、ここまで来たらどうするかを先に決めておいてと、こういったソフト事業も重要ですので、こういったこともやらせていただいています。その上で、ハードの部分もしっかりと整備を行うことで、少しでも災害が起きにくくする。さらには起きた時でも被害を最小限にしていく、人的被害を含めて、こういったことに全力を挙げていくということだと思っています。
[記者]
特にこの県内の災害対策と応援に関連して、能登豪雨を受けて、補正などで早急に対応しないといけないという状況ではないということでしょうか。
[知事]
いや、これについては、すでに対策もできるところから講じておりまして、例えば道路の啓開計画、これについても能登半島地震の直前くらいから、もうすでに着手していましたが、前倒ししまして、10月7日に発表もさせていただきました。年度内にはこれもマニュアル化しまして、すぐに着手できるようにしていく。こういうこともやらせていただくことで、道路を72時間以内に啓開ができるようにする。その時に県に窓口を一本化して、国やネクスコ、県、市や町、こういったところが一体となって柔軟に対応できる体制も整備をする。こういったことももうすでに着手し、進めてきているということですし、先ほど申し上げましたが、ドローンの配備は昨年度予算でしておりましたが、無人で孤立集落のところまで撮影に行ける、こういった体制も補正予算で確保しましたので、これは今年度、形にしているところです。また、水循環式のシャワーや、手洗い、水洗トイレ、スターリンクなど、こういったこともすでに準備、配備も始めております。ということ、能登半島地震の被害の状況を踏まえた対策は、ソフトを含めて、着々とできるだけ前倒しでやらせていただいている状況かと思っています。
[記者]
先日の議会の中で未来創造部長からハピラインのダイヤ改正について、中でも快速の本数を増やすということが中心の話があったと思いますが、今のところ、貨物調整金との兼ね合いもある中での実現可能性、快速を増やすということがどれだけ実現可能性があるのかということと、やはりこの丹南地域からの要請がおそらく多い中でのお話になっていると思いますが、この3月のダイヤ改正に向けて、どのような形で決着するのが理想的か、この二点についてお聞かせください。
[知事]
結論をまだ私は確認をしていませんので、またこれからおいおい来年3月のダイヤ改正があるのだと思いますが、ここに向けて何便どうするかなど議論は具体的に進めていくということになると思います。ただ、方向性としては今ある車両の、これも非常にきつい状況ですけれども、とはいえそれを生かして、せっかく第三セクターになった、県民みなさんのハピラインになりましたので、ここのところを生かして、今一番要請の多い武生駅から南に、敦賀までの間を少しでも便利にしていく。この方向性はハピラインとも共有しています。そのような意味でまず本格的なダイヤの改正は、来年3月を待つにしても、この秋から臨時便を走らせて、こういったことの効果も含めてよく見ていくということ。おっしゃっていただいたように、貨物調整金の話もあるので、ここのところをうまく、どれぐらいお客さんが増えてくるかということも含めて、十分にまた検討していくと思います。併せて国に対しては今おっしゃるようなこのような状況で利便性を上げると、本当にそれ以上に貨物調整金が減ってしまいますので、これはひどいではないかと、このようなところで、よく引き続き、訴えても行きたいと思っています。いずれにしてもできるだけ今おっしゃっていただいている利便性の確保、特に快速化、特に武生から西の敦賀までの間を、利便性を上げていくということに力を入れていきたいと思っています。
[記者]
快速の本数の増便については鯖江の方からも要請はとても多いと思いますが、基本は武生から西の話になってくるのでしょうか?
[知事]
今快速がつながれば多分福井からずっと敦賀までつなげていくということです。全部のダイヤを見ていないのですが、基本的には福井から敦賀までの間の快速、もしくは、武生福井間が結構便数が多くて、武生敦賀間の便数が、特に昼間の時間帯が1時間に1本しかないというところが不便だというお話がありますので、快速化だけではなくて、そこの便数を増やすというところがあるのだと思います。その結果として鯖江にもお客さんが来るということだと思っています。
―― 了 ――