2025 年 1 月 6 日
富士通株式会社
関連会社(株式会社富士通ゼネラル)株式に関する契約の締結について
当社は、本日付の取締役会決議により、株式会社パロマ・リームホールディングス(以下、本公開買付者)との間における、①本公開買付者による当社の関連会社である株式会社富士通ゼネラル(以下、富士通ゼネラル)の普通株式(以下、富士通ゼネラル株式)に対する公開買付け(以下、本公開買付け)への不応募、②本公開買付者が本公開買付けにより富士通ゼネラル株式の全て(ただし、当社が所有する富士通ゼネラル株式(以下、当社売却予定株式)および富士通ゼネラルが所有する自己株式を除く)を取得できなかった場合に、富士通ゼネラルの株主を当社と本公開買付者のみとするために富士通ゼネラルが行う株式併合(以下、本株式併合)、③富士通ゼネラルが当社売却予定株式の取得を実行するための資金および分配可能額を確保することを目的とする本公開買付者による富士通ゼネラルに対する資金提供(以下、本資金提供)および富士通ゼネラルにおける資本金、資本準備金および利益準備金の額の減少(以下、本減資等)、並びに④富士通ゼネラルの自己株式取得に当社が応じることによる当社売却予定株式の譲渡(以下、本株式譲渡)を通じた富士通ゼネラル株式を非公開化することを目的とする一連の取引(総称して以下、本取引)に関する取引基本契約(以下、本取引基本契約)を承認する決定をし、本取引基本契約を締結いたしましたので、下記のとおりお知らせいたします。
本株式譲渡により、富士通ゼネラルは当社の持分法適用会社から外れる予定です。本取引の詳細につきましては、富士通ゼネラルの本日付適時開示資料「株式会社パロマ・リームホールディングスによる当社株式に対する公開買付けの開始予定に係る賛同の意見表明及び応募推奨に関するお知らせ」をご参照ください。
記
1.異動の理由および方法
当社は、2020 年に「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくこと」というパーパスを定め、以来、このパーパスを起点に、今後の社会の変化を見据えながらグローバルに事業を展開するテクノロジー企業としてのあるべき姿を描き、従来の「ICT 企業(注)」から、デジタル技術とデータを駆使してイノベーションを生む「デジタルトランスフォーメーション(DX)企業」となるための全方位的な変革を進めております。
また、2023 年 5 月 24 日に公表した中期経営計画(2023~2025 年度)においては、「事業モデル・ポートフォリオ戦略」、「カスタマサクセス戦略/地域戦略」、「テクノロジー戦略」、「リソース戦略」の4 つを取り組むべき重点戦略として掲げております。本株式譲渡は、「事業モデル・ポートフォリオ戦略」に則った、ポートフォリオ変革の取り組みを加速させることを企図するもので、本株式譲渡により取得する現金資産を、Fujitsu Uvance を含む収益性の高いデジタル・クラウドサービスを中心としたサービスソリューションといった成長領域への投資および株主還元に振り向けることで、更なる企業価値向上を図っていく考えです。
(注)情報通信技術(Information and Communication Technology)を活用したサービスを提供する企業です。
富士通ゼネラルは、1936 年 1 月に蓄音器・電気製品等の仕入・販売を主な事業とする株式会社八欧商店として設立され、その後ラジオ・無線機・拡声装置の製造・販売に事業を拡大するため、1942 年 8 月に八欧電機株式会社に商号変更し、1947 年 11 月に有限会社八欧無線電機製作所を吸収合併した後、1955 年 11 月に川崎工場(現 本社川崎事業所)を建設し、テレビや家電機器の製造を開始しました。また、1966 年 11 月に株式会社ゼネラルに商号変更いたしました。その後、1984 年9 月に当社と資本提携および業務提携を行い、1985 年 10 月に富士通ゼネラルへ商号変更いたしました。
現在、富士通ゼネラルグループ(富士通ゼネラル、連結子会社44 社および持分法適用関連会社2 社で構成される企業グループをいいます。以下同じです。)は、空調機、テックソリューションの両部門において、製品および部品の開発、製造、販売並びにサービスの提供を主な事業としております。また、富士通ゼネラル株式は、1955 年 9 月に東京証券取引所に上場し、その後、2022 年 4月の東京証券取引所の市場区分の見直しに伴い、東京証券取引所プライム市場へ移行いたしました。富士通ゼネラルグループの主力事業であるヒートポンプ技術(注)やインバータ技術を活用した空調機は、世界各国・地域においてクリーンかつ省エネ性・快適性・安全性に優れた必需品であるだけでなく、暖房や給湯用途で化石燃料機器の代替製品として気候変動の抑制に貢献すると期待されており、中長期的な市場拡大が見込まれます。また、テックソリューション部門も、災害対応力強化への社会的要請や電子機器の小型化・省エネ化へのニーズを背景に、今後の事業拡大が期待できます。一方、消費行動の変化や各市場における競争激化に加え、各地での紛争のほか、原材料価格の高騰など世界的なインフレ進行、各国の金融政策、為替動向など、世界情勢や経済状況は一層不透明感を増しております。また、喫緊の経営課題として、サプライチェーンの混乱や市場環境の急激な変化など、今後も起こりうる外部環境変化への対応力の強化がより一層求められます。
このような状況において富士通ゼネラルグループは、企業理念である「-共に未来を生きる- 私たちは革新的なモノづくりを通じて、世界中のお客様と社会のために、安らぎに満ちた、今日にない明日を届けます。」の実践を通じた持続可能な社会実現への貢献を目指し、予測困難な状況下での事業継続とリスク耐性を確保しつつ、中長期的な事業の成長・発展を図るべく、様々な施策を推進しております。
(注)大気中の熱を冷媒を介して移動させる技術です。空調機のコア技術であり、少ない投入電力で大きな熱エネルギーが得られるため空調機のみならず給湯器などでも活用が進んでいます。
「DX 企業」への変革を進める当社の事業戦略上、富士通ゼネラルの重要性、親和性が低くなったことで、当社は、富士通ゼネラルの大株主としてかねてより富士通ゼネラル株式の一部又は全部を売却することを含めてこれら株式をどのように扱うべきかを検討してきましたが、2020 年 2 月に当社が最適なグループフォーメーションを検討する専門部署を設置したことを契機として、当社および富士通ゼネラルは、富士通ゼネラルの資本政策に関する協議を開始しました。なお、2022 年10 月に実施された当社の 2023 年 3 月期第 2 四半期決算説明会においても、「目指すべき事業ポートフォリオに向けた取り組み」として、富士通ゼネラルは当社のノンコア事業の一つとして位置づけられ、当社の企業価値向上に繋がるカーブアウト/資本・業務提携等を具体的に検討中である旨を対外的に公表しております。
富士通ゼネラルは、株主構成の変更によって、当社に合理的に受入れ可能な取引条件のもと、富士通ゼネラルの少数株主の利益が最大化されると同時に、富士通ゼネラルの企業価値の更なる向上が実現されるよう、新たなパートナーとの資本業務提携の可能性も含む様々な選択肢を、当社の意向も確認しつつ慎重に検討し、当社および富士通ゼネラルは、株主利益の最大化と富士通ゼネラルの今後の更なる成長加速には富士通ゼネラルの事業に強い関心を示している複数の候補者を対象とする入札手続の実施が望ましいとの判断に基づき、2022 年 12 月頃より、本公開買付者を含む複数の事業会社およびプライベートエクイティファンドの参加する入札プロセスを開始し、選定された候補者による富士通ゼネラルのデューディリジェンスを経て、富士通ゼネラルの資本政策に関する各候補者の提案内容を総合的に検討しておりました。しかし、一部報道に起因して富士通ゼネラル株式の市場株価が高騰した一方で、富士通ゼネラルにおいては業績予想の下方修正がなされる等、事業上の課題が顕在化したことにより、いずれの候補者からも法的拘束力のある提案を受領することはありませんでした。そのため、当社は、富士通ゼネラルと協議の上、2023 年 12 月中旬に、前記入札プロセスを中止することとし、それ以降、富士通ゼネラルは経営や事業の課題の精査および施策の実行等に注力して参りました。
公式ページ(続き・詳細)はこちら
https://pr.fujitsu.com/jp/news/2025/01/6.pdf