ラベル台紙の水平リサイクル「資源循環プロジェクト」が第6回エコプロアワード「優秀賞」を受賞しました。

2023/09/06  日榮新化 株式会社 

日榮新化株式会社(本社:大阪府東大阪市・東京都千代田区/代表取締役社長:清水 寛三)は、この度、第6回エコプロアワード(主催:一般社団法人 サステナブル経営推進機構 以下「SuMPO」)において、東洋紡株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:竹内 郁夫)、シオノギファーマ株式会社(本社:大阪府摂津市、代表取締役社長:加藤 晃)、株式会社トッパンインフォメディア(本社:東京都港区、代表取締役執行役員社長:堀 正史)、三井物産ケミカル株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:八田 直)の5社で共同開発をした、ラベル台紙の水平リサイクル*「資源循環プロジェクト」が「優秀賞」に選出されましたのでお知らせいたします。





■「資源循環プロジェクト」とは、
ラベル台紙の廃棄ゼロを目指す、環境に配慮した取り組みです。






様々な業種・業態で、製品にラベルを貼り付ける製造工程において、剥がされた後に残るラベル台紙の量は、国内の製造業全体で年間約14億平方メートル に上り*¹、東京ドーム約3万個分の面積に値します。そのほとんどが資源として回収・再利用されることなく、消費者の目に見えない廃棄物として、毎日大量に廃棄・焼却*²されています。現在多くのラベル台紙に「剥離紙」と呼ばれる、紙と樹脂の複合材料が使用されているため、古紙回収が出来ずに多くが産業廃棄物として扱われ、さらに、リサイクルの技術やコストなど、再利用を量産化するためには多くの障壁があるため、廃棄・焼却されている現状があります。

「資源循環プロジェクト」は、ラベル台紙を「剥離紙」から再生PET合成紙製の「リサイクル専用台紙」に置き換え、使用後に有価回収をし、マテリアルリサイクル*³を行うことで、同じリサイクル専用台紙の原料として使用するため、廃棄物を生まない仕組みとなっています。




<回収スキーム>




「LCA Plus*⁴」を用いたCO2排出量削減効果を算出しています。
従来ラベルと製品LCA*⁵を比較することで、サーキュラーエコノミーによるGHG*⁶排出量の削減効果を数値化し、ラベルユーザーにおけるカーボンニュートラルなどの環境目標に結び付けることを可能にしました。より客観的な視点で検証するため、「LCA Plus」を用いて、「ダイレクトグラシン剥離紙」を使用した従来ラベルと「リサイクル専用台紙」を使用したラベルを比較した場合のCO2排出量削減効果を確認しています。台紙部分のみを「リサイクル専用台紙」へ変更した場合は12.4%削減し、また台紙に加え、表面基材もリサイクル原料を含むフィルムとバイオマス粘着剤を使用した製品に置き換えた場合は23.9%の削減効果が見込まれます。


●エコプロアワード審査委員会からの選評
・粘着ラベルの台紙のマテリアルリサイクルというと一見地味な取り組みに見えるが、あらゆる業種業態で使用され、年間の累積使用量も膨大であることを踏まえると、本製品への代替が進んだ場合の環境へのインパクトは大きい。サーキュラーエコノミーの実現は、回収スキーム構築から再資源化処理、再製品化と複数のプレーヤーが協業しないと実現できない難しさがあるが、本件は 5 社の協働によりそれを実現している点が非常に評価できる。

・どの工場に見学に行っても必ずと言ってもよいほど目にする剥離紙の廃棄物。これらをリサイクル可能にしたことで生産現場のゴミゼロ運動を大きく後押しするものと考える。このような着想と製品開発は、これまでリサイクル困難でもしょうがないと思っていた製品をリサイクル可能にしようとする他のメーカーの製品開発の姿勢を促す効果も期待できる。LCA 評価を行っている点もよい。


●「エコプロアワード」について
「エコプロアワード」は、経済のグローバル化やパリ協定の発効、SDGsの制定など社会経済を取り巻く状況の変化を視野に入れ、日本市場において事業者、消費者、投資家、さらには市場関係者に評価が高く、具体的に優れた環境配慮が組み込まれた製品、サービス、技術、ソリューション、ビジネスモデルといった案件を表彰することによって、これらのさらなる開発・普及の促進を図り、持続可能な社会づくりに寄与することを目的に表彰を行っています。

【参考】
* 使用済みの製品を、同じ用途の新たな製品の原料として再利用するリサイクル方法
*¹ ラベル新聞社刊 「日本のラベル市場2022」から算出
*² 固形燃料化などの熱回収を含む
*³ 廃プラスチック類の廃棄物を、粉砕・溶解などの処理を行った後に、同様な用途の原材料として再生利用するリサイクル
*⁴ 三井物産株式会社とSuMPOが協業、共同開発し、三井物産株式会社が運営する脱炭素プラットフォーム
*⁵ Life Cycle Assessmentの事で、ある製品・サービスのライフサイクル全体(原料調達・購買、生産、物流、使用、リサイクル)又はその特定段階における環境負荷を定量的に評価する手法
*⁶ Green House Gasの略で、CO2やメタンなどの温室効果ガスの排出量のこと


■■第3回 サステナブル マテリアル展に出展致します■■
当日はプロジェクトのご紹介と参画企業・団体の実績について展示も致しますので、ぜひお越しください。
日 時:2023年10月4日(水)~6日(金) 10:00~18:00(最終日は17:00まで)
会 場:幕張メッセ(千葉市美浜区中瀬2-1)
小間番号:34-5(5ホール)

サステナブル マテリアル展 公式Webサイト
https://www.material-expo.jp/hub/ja-jp/about/susma.html



▼資源循環プロジェクト 公式Webサイト
https://www.shigenjunkan.com

【お問い合わせ】
資源循環プロジェクト事務局(日榮新化株式会社 企画開発室内)
Tel:06-6729-2660 Fax:06-6725-2399
Mail:info@shigenjunkan.com

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