当社は、このほど、株式会社NTTドコモ(注1)(以下、ドコモ)が提供する、第5世代移動通信方式(以下、5G)の商用ネットワーク向けに、O-RAN ALLIANCEに準拠した当社製5G仮想化基地局(以下、本基地局)を納入しました。本基地局による商用ネットワークサービスの運用を、2023年9月よりドコモが開始しました。
当社は、今後もNTTドコモにおける5Gサービスの展開を支援するとともに、Open RANエコシステムの活性化やさらなる技術革新をグローバルに推進していきます。また、スマート工場や遠隔医療、自動運転などの様々な産業分野への5G適用により、お客様のデジタルトランスフォーメーション(DX)と新たなサービス創出を支援するとともに、環境に配慮した製品開発を続け、2025年に従来型基地局システムと比較して、総CO2排出量を50%以上削減する5G仮想化基地局の提供を目指します。
【 本基地局の特長 】
本基地局は、Wind River (注2)の「Wind River Studio」のクラウド仮想化基盤と、物理レイヤ制御を担うNVIDIA Corporation(注3)のNVIDIA コンバージドアクセラレータおよびNVIDIA Aerial vRAN ソフトウェア 開発キットカード、また、インテル社のアーキテクチャを採用した汎用サーバで構成しています。また、グローバルサプライヤーが提供する様々な無線装置(O-RU)を組み合わせたマルチベンダー接続を実現するため、オープンRANの世界標準であるO-RAN ALLIANCE仕様に準拠したオープンフロントホール(注4)インタフェースを実装しました。本基地局により、今後、5G商用ネットワークサービス展開を検討されるお客様に、より自由度の高い設備調達や商用グレードの信頼性、コストパフォーマンスに優れたインフラ構築などの価値を提供することが可能になりますです。
【 今回の納入について 】
ドコモ様は多様なグローバルベンダーが連携して最適なO-RANを提供する、O-RANサービスブランドOREXを展開しており、当社はその中核技術である仮想化基地局機能vRANの提供を中心にオープンアーキテクチャによるワイヤレスネットワークのグローバル展開に貢献しています。本基地局は、高性能なGPU、柔軟性の高いオープンフロントホールアーキテクチャ、さらなる省電力化への対応など、今後のO-RAN市場拡大に貢献できるソリューションであることが評価され、ドコモ様が運用する5G商用ネットワークにおいて、O-RANに準拠した5G仮想化基地局の適用第一号に選定されました。
【 株式会社NTTドコモ OREXエバンジェリスト グローバルビジネス部 安部田 貞行様のコメント 】
Open RANは今後のモバイルネットワークの発展において欠かせない技術です。中でもvRANはネットワークの柔軟な進化を実現する上で重要です。この度、基地局ソフトウェアとして富士通、アクセラレータとしてNVIDA GPUを採用した高性能なvRANの開発が完了しました。ドコモネットワークの更なる発展に貢献し、商用におけるノウハウを蓄積することでグローバル市場におけるより効率的なOpen RANの展開を推進していきます。”
【 NVIDIA通信事業担当 シニア バイス プレジデント ロニー ヴァシシュタ様のコメント 】
富士通とNVIDIAはO-RANの開発において、NVIDIA GPUと DPUを搭載する、NVIDIA コンバージド アクセラレータを用いたソフトウェア デファインドで、拡張性と柔軟性を併せ持つvRANソリューションを提供するにあたり協業してきました。本協業により、世界の通信事業者に革新的なソリューションを提供することができます。
【 NVIDIA Ronnie Vasishta, SVP, Telecom様のコメント 】
富士通とNVIDIAはO-RANの開発において、NVIDIAのGPUを搭載した、拡張性と柔軟性を併せ持つvRANソリューションを共同で開発してきました。このたび、ドコモ様のvRANによる商用サービス開始にあたり、両社のソリューションが採用されたことは大変光栄です。NVIDIAは、今後も富士通との協業を通して、革新的なソリューションを世界の通信事業者に提供していきます。
【 Wind River 最高技術責任者(CTO)ポール・ミラー様のコメント 】
分散型クラウドネットワークは非常に複雑であり、業界を発展させるためには、エコシステム全体で緊密に連携することが不可欠です。ウインドリバーの分散クラウドプラットフォームと富士通のvCUおよびvDUアプリケーションを統合することで、ウインドリバーはWind River Studioをベースとした実証済みのテクノロジを提供いたします。
【 富士通株式会社 モバイルシステム事業本部長 谷口 正樹のコメント 】
ドコモ様の5G商用サービスに当社の5G仮想化基地局が採用されたことを大変嬉しく思います。当社はオープンネットワークアーキテクチャに基づく高品質かつセキュアなモバイルソリューションの開発を進め、ドコモ様をはじめとするグローバルな通信事業者のお客様のビジネス発展やデジタル化の進展に貢献していきます。
【 商標について 】
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
【 関連リンク 】
・NTTドコモへ、5G商用サービス向けの基地局制御装置および無線装置を納入開始(2019年7月31日プレスリリース):
https://pr.fujitsu.com/jp/news/2019/07/31.html
・ 低消費電力と高性能を両立した5G仮想化基地局を提供開始(2022年2月24日プレスリリース):
https://pr.fujitsu.com/jp/news/2022/02/24.html
・ 柔軟なオープンネットワークの構築に貢献する5G仮想化基地局ソリューションを提供開始(2023年2月20日プレスリリース):
https://pr.fujitsu.com/jp/news/2023/02/20.html
・ Fujitsu Virtualized CU/DU (vCU/DU)(製品紹介ページ、英語のみ):
https://www.fujitsu.com/global/products/network/products/vcuvdu/
【 注釈 】
(注1) 株式会社NTTドコモ:所在地 東京都千代田区、代表取締役社長 井伊 基之
(注2) Wind River:米国カリフォルニア州 Interim Chief Executive Officer Bryan LeBlanc
(注3) NVIDIA Corporation:米国カリフォルニア州、president and CEO Jensen Huang
(注4) オープンフロントホール:O-RAN ALLIANCEの標準インタフェースによって制御される基地局~無線装置間の回線
(注5) SMO:Service and Management Orchestration。ネットワーク全体のオーケストレーション(設定、構築の自動化)および管理機能を統合したフレームワーク
【 当社のSDGsへの貢献について 】
2015年に国連で採択された持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)は、世界全体が2030年までに達成すべき共通の目標です。富士通のパーパス(存在意義)である「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくこと」は、SDGsへの貢献を約束するものです。
≪本件に関するお問い合わせ≫
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