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ダトポタマブ デルクステカン(Dato-DXd/DS-1062)の非小細胞肺がん患者を対象とした第3相臨床試験における全生存期間の最終解析結果について

2024/05/27  第一三共 株式会社 

2024 年 5 月 27 日
報道関係者各位
会社名 第 一 三 共 株 式 会 社
代表者 代 表 取 締 役 社 長 奥 澤 宏 幸
(コード番号 4568 東証プライム市場)
問合せ先 コーポレートコミュニケーション部長 朝倉 健太郎
TEL 03-6225-1126

ダトポタマブ デルクステカン(Dato-DXd/DS-1062)の
非小細胞肺がん患者を対象とした第3相臨床試験における全生存期間の最終解析結果について

第一三共株式会社(本社:東京都中央区、以下「当社」)は、非小細胞肺がん患者への二次/三次治療を対象としたダトポタマブ デルクステカン(Dato-DXd/DS-1062、抗TROP2抗体薬物複合体(ADC)*1、以下「本剤」)の第3相臨床試験(TROPION-Lung01)における全生存期間の最終解析結果の概要について、以下のとおりお知らせいたします。

本試験は、Actionable遺伝子変異*2の有無を問わず、前治療歴のある進行または転移性非小細胞肺がん患者約600名における本剤投与群の有効性と安全性を、ドセタキセル(現在の標準治療である化学療法)投与群と比較して評価したグローバル第3相臨床試験です。

本試験の主要評価項目の一つである全生存期間*3について、全患者集団において、本剤投与群でドセタキセル投与群に対し改善傾向が認められたものの、統計学的に有意な改善は認められませんでした。一方で、事前に規定したサブグループ解析では、非扁平上皮非小細胞肺がん患者集団において、本剤投与群はドセタキセル投与群に対し臨床的に意義のある全生存期間の改善を示しました。

なお、本試験においては、もう一つの主要評価項目(無増悪生存期間*4)を既に達成しています。2023年10月開催の欧州臨床腫瘍学会(ESMO 2023)で発表したとおり、全患者集団において、本剤投与群はドセタキセル投与群に対し統計学的に有意な改善を示し、また非扁平上皮非小細胞肺がん患者集団を対象としたサブグループ解析において臨床的に意義のある無増悪生存期間の改善を示しました。

安全性について、新たな懸念は認められませんでした。本剤と関連のある間質性肺疾患(ILD)については、中間解析以降に新たな報告例はありませんでした。本試験結果の詳細は、今後、学会にて公表する予定です。

当社は、本結果が、米国およびEUの規制当局により現在審査中の承認申請をサポートできるものと期待しております。また、本剤を世界中の非小細胞肺がん患者さんへお届けできるよう、各国・地域において承認申請および規制当局との協議を進めてまいります。

以 上

*1 抗体薬物複合体(ADC)とは、抗体と薬物(低分子化合物)を適切なリンカーを介して結合させた薬剤で、がん細胞に発現している標的因子に結合する抗体を介して薬物をがん細胞へ直接届けることで、薬物の全身曝露を抑えつつがん細胞への攻撃力を高めています。

*2 Actionable遺伝子変異とは、現時点において、EGFR変異等のがんに対する治療ターゲットとなりうる遺伝子変異を意味します。

*3 全生存期間とは、原因を問わず死亡するまでの期間です。

*4 無増悪生存期間とは、治療中及び治療後に病勢進行せず安定した状態の期間です。

非小細胞肺がんについて

世界では、2022 年に新たに約 250 万人が肺がんと診断されました。肺がんの約 80%を占める非小細胞肺がんは、その約 75%が非扁平上皮がん(腺がんと大細胞がんを含む)で、約 25%が扁平上皮がんの組織型です。分子標的薬や免疫チェックポイント阻害剤は非小細胞肺がんに対する治療効果を改善しましたが、効果が見られない、または効果が見られてもその後病勢が進行するケースも多いため、新たな治療の選択肢が必要とされています。

TROP2は、複数の固形がんに高発現するタンパク質の一種で、非小細胞肺がんの大多数に発現しており、がんの進行や生存率の低下に関係していると言われています。現在、非小細胞肺がん患者を対象に承認されているTROP2を標的とした治療法はありません。

ダトポタマブ デルクステカン(Dato-DXd/DS-1062)について

ダトポタマブ デルクステカン(Dato-DXd/DS-1062)は、がん細胞の細胞膜上に高発現する抗原TROP2 と特異的に結合するヒト化モノクローナル抗体(札幌医科大学との共同研究)に、当社独自のリンカーを介してトポイソメラーゼⅠ阻害剤(以下「DXd」)を結合させた薬剤で、1 つの抗体につき約 4 個のDXd が結合しています。薬物をがん細胞内に直接届けることで、薬物の全身曝露を抑えるよう設計されています。

第一三共のDXd ADCパイプラインについて

第一三共のパイプラインには、現在、6つのDXd ADCが様々ながん種を対象とした臨床開発段階にあります。これらの薬剤は、がん細胞表面に発現する特定の抗原を標的とした抗体と、複数のトポイソメラーゼⅠ阻害剤(DXd)をリンカーを介して結合させ、がん細胞の内部へDXdを届ける第一三共独自のDXd ADC技術を活用して創製されました。

トラスツズマブ デルクステカン(エンハーツ(R)、抗HER2 ADC)及びダトポタマブ デルクステカン(DatoDXd/DS-1062、抗TROP2 ADC)は、全世界(当社が独占的権利を有する日本は除く)においてアストラゼネカと共同で開発及び商業化を進めています。パトリツマブ デルクステカン(HER3-DXd/U3-1402、抗HER3 ADC)、イフィナタマブ デルクステカン(I-DXd/DS-7300、抗B7-H3 ADC)及びDS-6000(R-DXd、抗CDH6 ADC)は、全世界(当社が独占的権利を有する日本は除く)においてMerck & Co., Inc., Rahway, NJ,USAと共同で開発及び商業化を進めています。DS-3939(抗TA-MUC1 ADC)は当社が単独で開発を進めています。

なお、ダトポタマブ デルクステカン、パトリツマブ デルクステカン、イフィナタマブ デルクステカン、DS6000及びDS-3939は現在開発中の薬剤です。各国の規制当局による薬事承認は受けておらず、安全性と有効性はまだ確立されていません。

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