★★★総務省は人事以外はPDF自動化不要です。「仮想化技術等の進展に伴うネットワークの多様化・複雑化に対応した電気通信設備に係る技術的条件」に関する情報通信審議会からの一部答申

2022/09/16  総務省  

仮想化技術等の進展に伴うネットワークの
多様化・複雑化に対応した電気通信設備に
係る技術的条件

一部答申

(情報通信技術分科会 IP ネットワーク設備委員会 第一次報告)

令和4年9月 16 日
情報通信審議会
別紙1


1

仮想化技術等の進展に伴うネットワークの多様化・複雑化に対応した
電気通信設備に係る技術的条件 一部答申
(情報通信技術分科会 IPネットワーク設備委員会 第一次報告)

目次

Ⅰ 検討の背景 .................................................................................................................... 2

Ⅱ 委員会の構成 ................................................................................................................ 2

Ⅲ 検討経過 ........................................................................................................................ 3

Ⅳ 検討結果 ........................................................................................................................ 5

第1章 第一次報告に向けた検討の経緯等 .................................. 5

1.1 検討の経緯 .......................................................... 5

1.2 音声伝送携帯電話番号の指定の在り方に関する条件等 ..................... 6

1.3 携帯電話用設備に係る技術基準の現状 .................................. 7

1.4 情報通信ネットワーク安全・信頼性基準の現状 ............................ 11

第2章 音声伝送携帯電話番号の指定を受ける MVNO 等に係る技術的条件 ....... 13

2.1 技術基準の検討に当たって想定したネットワーク構成 ...................... 13

2.2 音声伝送携帯電話番号の指定を受ける MVNO 等に係る技術基準 ........... 17

2.2.1 基本的な考え方 .................................................... 17

2.2.2 主な論点と考え方・対応の方向性 ..................................... 17

2.2.3 音声伝送携帯電話番号の指定を受ける MVNO 等に適用すべき規定項目 .... 21

2.3 情報通信ネットワーク安全・信頼性基準に対する考え方 .................... 23

第3章 今後の対応 .................................................... 33

[参考]電気通信番号に関する現行制度等 .................................. 34

別表1 IP ネットワーク設備委員会 構成員 ...................................................................... 36

別表2 技術検討作業班 構成員 ..................................................................................... 37


2
Ⅰ 検討の背景
情報通信審議会情報通信技術分科会 IP ネットワーク設備委員会(以下「委員会」という。)
では、平成 17 年 11 月から、情報通信審議会諮問第 2020 号「ネットワークの IP 化に対応した電気通信設備に係る技術的条件」(平成 17 年 10 月 31 日諮問)について検討を行ってきているところである。
近年、情報通信分野における技術の進展により、電気通信設備等への仮想化技術の導
入やクラウド・サービスの利用が進み、多様な電気通信設備等を使用したネットワークの構築等が行われるようになるとともに、関与するステークホルダーが増加していることから、通信サービスの提供構造の多様化・複雑化等が進展している。
情報通信審議会答申「デジタル社会における多様なサービスの創出に向けた電気通信番号制度の在り方」(令和3年 12 月8日)
1においては、MVNO
2や BWA
3事業者等(BWA サービスの伝送交換等に必要なコア機能を BWA 事業者に提供する事業者を含む。)(以下「MVNO 等」という。)への音声伝送携帯電話番号の指定を可能とすることが適当とされており、通信サービスの提供構造の多様化・複雑化等が今後更に進展すると考えられる。
また、「電気通信事業ガバナンス検討会」においては、利用者が安心して利用でき、高い
信頼性を有する通信サービスの確保に向けた検討が行われ、同検討会報告書(令和4年2月 18 日)
4には、多様な事業者による仮想化技術等を活用して提供される設備や機能など、
通信サービスを提供する設備が多様化している状況を踏まえ、電気通信事業者に対する技術基準
5への適合維持義務の対象となる電気通信設備の範囲等の見直しを行うことが必
要である旨の提言がなされている。
こうした状況下において、国民生活や社会経済活動の重要なインフラとなっている様々
な通信サービスを確実かつ安定的に提供できる情報通信ネットワークの構築を確保していくことを目的として、「仮想化技術等の進展に伴うネットワークの多様化・複雑化に対応した電気通信設備に係る技術的条件」について検討を行い、現行の電気通信事業法に基づく技術基準等に係る制度の見直しを行う必要がある。
本報告書は、「仮想化技術等の進展に伴うネットワークの多様化・複雑化に対応した電気通信設備に係る技術的条件」のうち、「音声伝送携帯電話番号の指定を受ける MVNO 等に係る技術的条件」について、令和4年4月から同年7月までにかけて開催した委員会(第70 回、第 71 回)及び技術検討作業班(第 41 回~第 43 回)において検討を行った結果を第一次報告として取りまとめたものである。

Ⅱ 委員会の構成
第一次報告に向けた検討については、委員会において、電気通信事業者によるオブザ

1 総務省報道資料「デジタル社会における多様なサービスの創出に向けた電気通信番号制度の在り方」-情報通
信審議会からの答申-(令和3年 12 月8日)
2 MVNO(Mobile Virtual Network Operator):自ら無線局を開設・運用せず、MNO の提供する移動通信サービスを
利用して、移動通信サービスを提供する電気通信事業者
3 BWA(Broadband Wireless Access):広帯域移動無線アクセスシステム
4 総務省報道資料「電気通信事業ガバナンス検討会 報告書」及び意見募集の結果の公表(令和4年2月 18 日)
5 総務省令(事業用電気通信設備規則(昭和 60 年郵政省令第 30 号)
)で定める技術基準


3
ーバ参加のもと、検討・整理を進めることとした。委員会の構成は、別表1のとおりである。
検討の促進を図るため、委員会の下に、技術検討作業班を設置して検討を行った。技術
検討作業班の構成員は別表2のとおりであり、オブザーバとして関係者の参加を求めることとした。

Ⅲ 検討経過
これまで、IP ネットワーク設備委員会(第 70 回、第 71 回)及び技術検討作業班(第 41 回~第 43 回)を開催して検討を行い、「仮想化技術等の進展に伴うネットワークの多様化・複雑化に対応した電気通信設備に係る技術的条件」のうち、「音声伝送携帯電話番号の指定を受ける MVNO 等に係る技術的条件」について報告書を取りまとめた。

(1)

IP ネットワーク設備委員会での検討


第 70 回 IP ネットワーク設備委員会(令和4年4月 11 日)
「仮想化技術等の進展に伴うネットワークの多様化・複雑化に対応した電気通信設備に係る技術的条件」に関する第一次報告に向けた検討事項、検討の進め方等についての確認及び意見交換を行った。議論の促進を図るため、具体的な技術的条件の素案については、技術検討作業班において検討を行うことを決定した。
「音声伝送携帯電話番号の指定を受ける MVNO 等に係る技術的条件」についての検
討に資するため、株式会社インターネットイニシアティブ、日本通信株式会社及び一般社団法人日本ケーブルテレビ連盟からヒアリングを実施し、意見交換を行った。



第 71 回 IP ネットワーク設備委員会(令和4年7月1日)
技術検討作業班から「音声伝送携帯電話番号の指定を受ける MVNO 等に係る技術的条件」について作業班報告を受け、第一次報告(案)の検討・取りまとめを行い、第一次報告(案)について、意見募集を実施することを了承した。



第 72 回 IP ネットワーク設備委員会(令和4年8月 26 日~9月1日)
第一次報告(案)についての意見募集を実施した結果、11 件の意見提出があったとこ
ろ、これを踏まえて検討を行い、意見に対する考え方及び第一次報告を取りまとめた。

(2)

技術検討作業班での検討


第 41 回技術検討作業班(令和4年5月 20 日)
現行の事業用電気通信設備規則(昭和 60 年郵政省令第 30 号)で定める技術基準
について確認を行うとともに、音声伝送携帯電話番号の指定を受けて音声伝送サービスを提供する場合に想定されるネットワーク構成や技術基準の適用に関する考え方について、株式会社インターネットイニシアティブ、日本通信株式会社、一般社団法人日


4
本ケーブルテレビ連盟からの説明を受け、意見交換を行った。



第 42 回技術検討作業班(令和4年6月2日)
「音声伝送携帯電話番号の指定を受ける MVNO 等に係る技術的条件」について、論
点整理を行った。



第 43 回技術検討作業班(令和4年6月 23 日)
技術検討作業班におけるこれまでの検討結果について、技術検討作業班第一次報
告として取りまとめ、「音声伝送携帯電話番号の指定を受ける MVNO 等に係る技術的条件」として、IP ネットワーク設備委員会に報告することとした。

5
Ⅳ 検討結果
第1章 第一次報告に向けた検討の経緯等

1.1 検討の経緯
現行の電気通信番号制度において、音声伝送携帯電話番号(070/080/090 番号)は、携
帯電話又は PHS に係る役務に係る端末系伝送路設備及び当該設備に接続される利用者の端末設備等を識別する番号として規定されている。音声伝送携帯電話番号の指定に当たっては、表 1-1 に示すとおり携帯電話の基地局の免許等を受けていることや、事業用電気通信設備に係る技術基準への適合を確保した上で自己確認を行うこと等が条件となっており、これらの条件を満たすことが可能なのは MNO
6のみとなっている。MNO が総務大臣か
ら音声伝送携帯電話番号の指定を自ら受けることによって携帯電話の音声伝送サービスを提供している一方、MVNO は MNO から同番号の卸提供を受ける形で同サービスを提供している状況にある。

<表 1-1>音声伝送携帯電話番号の使用に関する条件
項目
主な条件
緊急通報
利用者が緊急通報を行うことが可能であること。
(※)音声伝送携帯電話番号をデータ伝送役務及びショートメッセージサービ
スのみに使用する場合等を除く。

番号ポータビリティ
音声伝送携帯電話番号の指定を受けた電気通信事業者の相互間で、番号ポータビリティが可能であること。
(※)音声伝送携帯電話番号をデータ伝送役務及びショートメッセージサービ
スのみに使用する場合等を除く。









基地局の免許等
電波法に基づき、携帯電話の音声伝送役務を提供するための基地局の免許等を受けていること。
技術基準への適合
携帯電話の音声伝送役務を提供するための電気通信設備について、電気通信事業法の技術基準の適用を受けるものであり、かつ、事業用電気通信設備の自己確認を行っていること。
他事業者との接続
次に掲げるいずれかの方法により網間信号接続を行うこと。 (1)直接又は他の電気通信事業者(一の者に限る。)の網を介して
第一種指定電気通信設備と接続する方法
(2)全ての接続対象事業者(※)とインターネットプロトコルを使
用して直接接続する方法(ENUM 方式に限る。)
(※)固定電話番号又は音声伝送携帯電話番号のいずれかの指定を受けた
電気通信事業者
こうした中、一部の MVNO から、今後自らが設置する IMS
7を MNO と接続することによる
音声相互接続を実現し、ホスト MNO に縛られず能動的に多様な付加価値サービスの創出・提供を実現する観点から、自ら音声伝送携帯電話番号の指定を受けたい旨の要望が

6 MNO(Mobile Network Operator):無線局を自ら開設・運用して移動通信サービスを提供する電気通信事業者。
携帯電話サービスについては、株式会社 NTT ドコモ、KDDI 株式会社、沖縄セルラー電話株式会社、ソフトバンク株式会社、楽天モバイル株式会社の5社(令和4年3月末時点)

7 IMS(IP Multimedia Subsystem):VoIP による電話、音声、映像の送受信を含むマルチメディアサービスの提供
基盤


6
寄せられた。また、総務省の「デジタル変革時代の電波政策懇談会」において、現在の制度では「主としてデータ伝送」のシステムとして定義されている BWA について、BWA 用周波数を音声利用に用いることが技術的に可能であり、具体的なニーズが顕在化したのであれば、データ伝送の付加的な位置付けとして、音声利用も認める方向で制度整備を進めていくべきであるとの方針が示されたこと等を受けて、地域 BWA サービスを提供する事業者から、自ら音声伝送携帯電話番号の指定を受けて音声伝送サービスを提供したいとの要望が寄せられた。
このようなモバイル市場における環境の変化、MVNO 等からの要望等を踏まえつつ、今
後のデジタル社会において多様なサービスを創出していくため、MNO と MVNO 等間の公正な競争を一層促進しつつ、利用者利益の向上を図っていくことが重要であり、こうした観点を踏まえ、令和3年5月から音声伝送携帯電話番号に係る電気通信番号制度の在り方について検討が行われ、情報通信審議会答申「デジタル社会における多様なサービスの創出に向けた電気通信番号制度の在り方」の中で、MVNO 等に対し音声伝送携帯電話番号を指定できるようにすることが適当であるとの方針が示されたところである。

1.2 音声伝送携帯電話番号の指定の在り方に関する条件等
情報通信審議会答申「デジタル社会における多様なサービスの創出に向けた電気通信番号制度の在り方」においては、MVNO 等に対し音声伝送携帯電話番号を指定できるようにすることが適当であるとされており、その指定の条件として、携帯電話に係る基地局の免許等の条件を除き、現行の MNO が満たすべき条件と同等の条件を適用すべきであるとされている。
音声伝送携帯電話番号の指定に係る条件のうち、携帯電話に係る基地局の免許等に関
する条件については、基地局を自ら設置しない MVNO に対してそのまま適用することはできないため、これに代わる条件として、少なくとも、以下の条件を新たに設け、これらを適用することが適当であるとされている。
<携帯電話に係る基地局の免許等に関する条件>
イ 音声呼の制御に必要な設備(IMS 又はこれに相当する設備)を設置すること
ロ 加入者情報の管理・認証に必要な設備(HLR/HSS8又はこれに相当する設備)を設置
するとともに、IMSI
9の指定を受けること
ハ MNO が提供エリアとする全国での発着信が可能となるようホスト MNO との連携を行
うこと
なお、BWA 事業者が自網を利用して音声伝送サービスを提供する場合については、IMS
や HLR/HSS 等のような設備の設置に係る条件は何らかの形で確保される蓋然性が高いことから、単に BWA に係る基地局の免許等を受けていることを条件とすることが考えられるとされている。他方、一部の地域 BWA 事業者においては、データ伝送サービスの提供の際に、BWA サービスの伝送交換等に必要なコア設備を自ら設置せず、他者からコア機能の

8 Home Location Register / Home Subscriber Server。携帯電話番号、端末の所在地、顧客の契約状況といった
顧客情報を管理するデータべース。
9 International Mobile Subscription Identity。電気通信回線設備に接続された端末設備を識別するための番
号であり、加入者識別に使用される。


7
提供を受けることにより地域 BWA サービスを実現していることから、このようなシステム構成の場合については、コア機能を提供する事業者(以下「コア機能提供事業者」という。)が音声伝送携帯電話番号の指定を受けられるようにすることが適当であるとされている。
技術基準への適合に関しては、MVNO 等が MNO と同等の携帯電話の音声伝送サービ
スを提供するためには、MVNO 等が音声伝送サービスを提供するために設置する電気通信設備についても、MNO と同等の技術基準に適合することが求められ、これを確保するためには、MVNO 等に対しても MNO に課されている現行の技術基準と同等の条件を適用することが適当であるとされている。あわせて、音声伝送携帯電話番号の使用に関する条件として、MNO に求められている事業用電気通信設備の技術基準への適合維持等について、MVNO 等に対してどのように制度的に担保していくべきか、今後検討していく必要があるとされている。
以上のような状況を踏まえ、音声伝送携帯電話番号の指定を受ける MVNO 等に係る技
術的条件について、委員会において議論を行い、検討結果を取りまとめることとした。

1.3 携帯電話用設備に係る技術基準の現状
(1)技術基準の概要
電気通信事業法では、利用者と利用者との間をつなぐ伝送路設備を通信サービスの安
定的な提供のために重要視すべき設備として捉えており、伝送路設備を含む電気通信回線設備
10を設置する電気通信事業者(以下「回線設置事業者」という。)、利用者の利益に
及ぼす影響が大きい通信サービス
11を提供する電気通信事業者等に対して、その電気通
信事業の用に供する電気通信設備を、事業用電気通信設備規則(昭和 60 年郵政省令第30 号)で定める技術基準に適合するように維持することを義務付けている。また、これらの事業者には、事業用電気通信設備の使用を開始する前に、技術基準に適合していることを自ら確認し、その確認結果を総務大臣に届け出ることが義務付けられている。
電気通信事業法では、情報通信ネットワーク全体の中で情報を伝送する役割を担う回線
設置事業者等に対し、図 1-1 に示すように、損壊・故障対策、適正な品質の維持、通信の秘密の保持、他の電気通信事業者等の設備の損傷等の防止及び他の電気通信事業者等の設備との責任の分界の明確化を求めることで、通信サービスの円滑な提供を確保することとしている。
10 送信の場所と受信の場所との間を接続する伝送路設備及びこれと一体として設置される交換設備並びにこれら
の附属設備
11 有料で利用者 100 万人以上のサービスを提供する電気通信事業者を総務大臣が指定。令和4年6月現在、
(株)NTT ぷらら、ビッグローブ(株)、ニフティ(株)、GMO インターネット(株)の4社が指定されている。


8
①損壊又は故障の対策
②適正な品質の維持
③通信の秘密の保持
④他の電気通信事業者等の設備の
損傷等の防止
⑤他の電気通信事業者等の設備との
責任の分界の明確化
技術基準において求められる事項
交換設備
発電機等
交換設備
予備機器の設置
他者設備
故障検出
他者設備の
損傷防止、
機能障害防止
保安装置
責任の分界
交換設備
異常ふくそう対策
大規模災害対策
(迂回経路等)
耐震対策、電源の安定供給、防
火対策等
試験機器・応急復旧機材
の配備
停電対策
通信内容の
秘匿措置
蓄積情報の
保護
通信ビル
音声伝送役務の提供の用に供する電気通信設備については、品質基準が設けられている。・アナログ電話用設備・総合デジタル通信用設備
(音声伝送役務の提供の用に供するものに限る)
・0AB-J IP電話用設備・携帯電話・PHS用設備・その他(050IP電話用設備)
高い品質基準
自主基準
最低限の品質基準
防護措置

<図 1-1>技術基準において求められる事項のイメージ

また、事業用電気通信設備規則において、提供する通信サービスの種類に応じた項目
が技術基準として規定されており、図 1-2 に示すように、音声伝送役務用設備に対しては、予備機器の設置、故障検出機能の具備、異常ふくそう
12対策、大規模災害対策等の損壊・
故障対策等を求めることで、通信サービスの円滑な提供を確保することとしている。

※ 携帯電話の品質基準は、電波の伝搬状態に応じて通話品質が影響を受けることを考慮し、基準を一律に定めるのではなく、自主基準としている。
アナログ
電話用設備
上記以外の設備
(データ伝送役務用設備等)
○予備機器
○故障検出機能
○防護措置
○異常ふくそう対策
○耐震対策
○停電対策
○大規模災害対策 等
○防護措置
○異常ふくそう対策
○大規模災害対策 等
総合デジタル
電話用設備
0AB-J
IP電話用設備
携帯電話・
PHS用設備
その他
(050IP電話用設備)
高い品質基準
損壊・故障対策
品質基準
自主基準

規定なし
最低限の品質基準
[通信の秘密]
○通信内容の秘匿措置
○蓄積情報保護
[他者設備の損傷防止]
○損傷防止
○機能障害の防止
○漏えい対策
○保安装置
○異常ふくそう対策
[責任の分界]
○分界点
○機能確認
通信の秘密・ 他者設備の損傷防止・責任の分界
音声伝送役務用設備

<図 1-2>通信サービスの種類に応じた事業用電気通信設備の技術基準

(2)携帯電話用設備に係る技術基準
音声伝送役務用設備については、通信サービスの提供が停止した場合に、国民生活や
社会経済活動に深刻な影響を与えることが予想され、確実かつ安定的な提供が特に強く求められていることから、技術基準においても、050IP 電話用の設備を除き、損壊・故障対策として、予備機器等の設置、故障検出機能の具備、防護措置、試験機器及び応急復旧機材の配備、異常ふくそう対策、耐震対策、停電対策、大規模災害対策等の項目が規定されている。携帯電話用設備は、音声伝送役務用設備に該当することから、損壊・故障対策として、同様の項目が適用されている。一方で、品質基準については、無線区間の通話品質が電波の伝搬状況に応じて影響を受けること等を考慮し、基準を一律に定めるのではなく、自主基準を基本としている。

12 特定の交換設備に対し通信が集中することにより、交換設備の通信の疎通能力が継続して著しく低下する現象


9
携帯電話用設備に係る技術基準の規定項目は、表 1-2 のとおりである。参考として、電
気通信回線設備を設置せずに技術基準の適用を受ける場合の規定項目を「回線非設置かつ有料大規模の携帯電話用設備」の欄に記載しており、携帯電話用設備の規定項目と比較すると、電気通信回線設備を設置していないことから、伝送路設備に係る規定項目に差異が見られる。また、050IP 電話用の設備に対する規定項目についても参考として併記しており、携帯電話用設備の規定項目と比較すると、050IP 電話が低コスト性、柔軟性、拡張性等を訴求したものであり、多様な機器構成で提供されることが前提となっていることから、損壊・故障対策の規定項目及び総合品質の規定項目に差異が見られる。