東日本大震災後5年で4倍に拡大 産婦人科施設での防災に寄与災害時用“新生児避難具”の累計設置数17,000個に 母と子が一緒に避難でき、両手が自由になるスリング型で安全確保

2023/02/20  大衛 株式会社 

医療機器・医療衛生用品の製造・販売をおこなう大衛株式会社(本社:大阪市都島区、代表取締役社長:加藤優)と社会福祉法人聖母会聖母病院(東京都)が共同開発した、災害時用“新生児避難具”『レスキューママN』の累計設置数が、2023年1月末時点で、累計17,000個に達しました。








母と子が一緒に避難でき、両手が自由になるスリング型“新生児避難具” 保温対策
 『レスキューママN』は、社会福祉法人聖母会聖母病院(東京都)の助産師さんから「母と子が一緒に避難できるおくるみタイプの避難具を作りたい」という相談を受けて共同開発した“新生児避難具”です。
 赤ちゃん用スリングの専用収納袋がお母さんの防災頭巾になっている、母と子一体型の避難具で、スリング型は両手が完全に自由に使えるので、より安全に避難することが可能です。また生地には、「防炎キルティング素材」を採用。燃えにくいだけでなく、停電で暖房設備が使えない際の保温対策としても優れています。スリング部分と頭巾には、災害時に目立つよう防炎加工の反射テープが付いています。スリングの開口部は大きく開く仕様にし、合わせ部分はマジックテープで簡単に留めることができるので、スムーズかつ安全に赤ちゃんを入れ固定することができます。また、防災頭巾の内側にはおむつが収納できるポケットがあり、避難先でのおむつ替えはスリングの中でおこなうことができ、洗濯も可能です。
 近年では、増加する国内滞在中に出産する外国人に向けて、使用手順書に英語・中国語版を用意しています。

東日本大震災を機に拡がる災害への備え 5年間で累計設置数4倍に
 これまでの産婦人科施設での災害への備えは、決して十分とはいえない状況でした。そんな中、東日本大震災をきっかけに世の中の防災意識が一気に高まり、産婦人科施設でも“新生児避難具”の設置が急速に広がりました。2011年の『レスキューママN』の年間出荷数も前年の7倍に増え、震災から5年後には 累計設置数が約4倍に達し、産婦人科施設での災害の備えが整いつつあることが伺えます。
 また『レスキューママN』は、日本看護協会の「災害支援マニュアル(2013年版)」にも新生児避難アイテムとして紹介され、産婦人科施設で安心して出産するための備えとしてさらに認知を拡大することで、お母さんと赤ちゃんの安全を守る一翼を担っています。


レスキューママ設置数量(年別・累計)

「レスキューママを準備していてよかった」病院スタッフが語った災害時の様子

地震発生後の様子(提供:スズキ記念病院)
 スズキ記念病院(宮城県)では、2006年に震災の研修を受けた当時の師長の提案で、全てのベビーベッドに「レスキューママ」を準備しており、授乳指導の際に母親へ「レスキューママ」の使用方法を説明していました。
 2011年3月11日地震発生直後、授乳指導を終えて母児同室だった母親たちは、「レスキューママ」に赤ちゃんを入れて緊急時の集合場所へ集まってきました。
 病院は海岸から直線距離で約4,6kmのエリアにあり、津波警報が発令されていたため1度は4階へ避難したものの自家発電が使用できず、18時40分、自家発電が使用できた1階ロビーに下り、毛布やマットで暖をとり過ごしました。
 しかし、12日夜中4時に再び津波警報が発令。停電で真っ暗な中、スタッフが10mおきに懐中電灯を持って立ち、患者を10名ずつ階段で4階へと避難誘導することに。この時、母親たちは「レスキューママ」で赤ちゃんを抱っこしていて両手がフリーだったため、階段の手摺をつたうことができ、暗闇で新生児を抱きかかえた状態でも安全に避難することができました。また、この日は雪もちらつく寒い日で、停電によって電気・暖房設備は使用できない状態でしたが、「レスキューママ」は保温性にも優れていて、赤ちゃんは全員すやすやと寝ていました。
 当時「役に立つ機会なんてあるのだろうか?」と思いながらも、授乳指導の際に「レスキューママ」の説明を続けてきたスタッフは「レスキューママを説明していて本当に良かった!」と思ったそうです。
                      (引用元:第52回日本母性衛生学会 大衛株式会社展示パネル)

未導入施設ゼロに向けて、防災用品の見直しや避難訓練の継続を啓発
 今後も、首都直下型地震や南海トラフ地震の発生が予測され、大規模災害への備えが必要とされる中、当社は、全国すべての産婦人科施設に“新生児避難具”が設置されることを目指しています。
 そこで当社は、未導入施設の病院での避難訓練時に無料で貸し出すことで、防災用品を見直すきっかけを創出し、“新生児避難具”の未導入施設ゼロを目指した取り組みを継続しています。

 当社はこれからも、創業から70年お母さんと赤ちゃんに寄り添ってきたメーカーとして、1人でも 多くのお母さんと赤ちゃんを救いたいという思いを広げる活動を続けてまいります。


【商品概要】
商品名   :災害時用 新生児避難具 レスキューママN
販売開始日 :2005年
       (2013年に改良を加え「レスキューママ」から「レスキューママN」に商品名を変更)
価格(税抜) :16,000円 (※一般販売はしていません)
販路    :卸、病院への直接販売
商品特徴
赤ちゃん用スリングの専用収納袋がお母さんの防災頭巾になっている、母と子一体型の避難具。スリングタイプは両手が完全に自由に使えるので、より安全に避難することが可能。生地には(財)日本防炎協会の防炎性能試験に合格した防炎キルティング素材を使用し、視認性を高める防炎反射テープ付き。専用収納袋の内側にはおむつを収納できるポケットがあり、スリングを使用して避難先でのおむつ交換もでき、洗濯も可能。
詳細URL  :https://amethyst.co.jp/company/initiatives/ 

【会社概要】
社名     :大衛(だいえい)株式会社
代表     :代表取締役社長 加藤 優(かとう まさる)
本社所在地  :大阪市都島区都島本通2-2-16
TEL      :06-6924-0495(代)
URL     :https://amethyst.co.jp/ 
設立     :1951年(昭和26年)5月
資本金    :5,196万円
事業内容   :医療用衛生材料の製造及び販売、関連商品の輸出入業
お客様相談窓口:06-6921-7373(土、日、祝日を除く9:00~17:00まで)

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