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最終更新時刻:17時16分

女川原子力発電所2号機における非常用ガス処理系の計画外の作動に係る原因と対策について

2024/06/21  東北電力 株式会社 

女川原子力発電所2号機における非常用ガス処理系の計画外の作動に係る原因と対策について

2024年 6月21日

当社は、2024年6月12日に発生した女川原子力発電所2号機における非常用ガス処理系の計画外の作動について、本日、本事象が発生した原因および再発防止対策を取りまとめました。


本事象につきまして、地域の皆さま、関係の皆さまにご心配をおかけしたことをお詫び申し上げます。


当社といたしましては、今回策定した再発防止対策を確実に実施し、引き続き、原子力発電所の安全確保に万全を期してまいります。


事象の概要および原因と再発防止対策は、以下のとおりです。


【事象の概要】

6月12日19時31分頃、女川2号機原子炉建屋の空調設備の点検中に同設備が停止したことにより、非常用ガス処理系が計画外に作動した。なお、本事象による環境への放射能の影響はなかった。

2024年6月12日お知らせ済み


【非常用ガス処理系が作動したメカニズム】(別紙参照)

・安全維持点検として、女川2号機の空調設備の一部である「原子炉棟給気隔離弁※1 」(以下、「当該弁」)を点検していた。

・当該弁を点検するため、空調設備を停止し、当該弁を「全開」の状態とした。

・その後、空調設備を再起動した際に、同設備が自動停止し、非常用ガス処理系※2 が自動的に作動した。

・当該弁が「全開以外」の状態になると信号が発信され、これにより空調設備が自動停止するとともに、非常用ガス処理系が自動的に作動する設計となっている。

・事象発生後、現場調査において当該弁の状態を確認したところ、「全開」の状態を検知するスイッチ(検知部)がレバー(スイッチを作動させる部材)から離脱しているのを確認した。

・このため、当該弁が「全開以外」の状態を示す信号を発信。これにより、設計どおりに空調設備が自動停止し、非常用ガス処理系が自動的に作動したもの。


【「全開」の状態を検知するスイッチがレバーから離脱した原因】

・空調設備の点検に際しては、手動操作で当該弁を「全開」の状態にするため、当該弁の回転軸側と動作用ギア側にそれぞれ設けられた溝(以下、「キー溝」)を合わせて「キー※3 」を挿入し、回転軸側と動作用ギア側を連結する。

・このキー溝には設計上、キーを挿入した状態において、わずかな隙間(挿入作業の裕度を確保)を設けている。

・当該弁が隙間分動作し、スイッチがレバーから離脱したのは、空調設備を再起動した際に、空調設備の配管内を流れる空気の影響により、当該弁に力が加わり、レバーが隙間分「全開」の状態よりわずかに開側に動作したことが原因であると特定した。


【再発防止対策】

・当該弁を点検する際には、「全開」の状態にしたうえで、非常用ガス処理系を作動させる信号が発信されないように、あらかじめ隔離処置※4 を施す。

・また、本再発防止対策について、社内文書に反映する。


【用語(役割)解説】

※1 原子炉棟給気隔離弁

・原子炉建屋への給気ラインに設置されている弁であり、事故時等に原子炉建屋を隔離する機能を有している。


※2 非常用ガス処理系

・原子炉建屋内において、放射性物質の放出を伴う事故が発生した際、原子炉建屋内の気圧を大気圧よりも低く(負圧)した上で、建屋内の空気(ガス)の放射性物質をフィルタで除去し、排気筒を通じて排出することで、外部への放射能による影響を低減する設備。


※3 キー

・空調設備の点検作業において、当該弁を手動で操作するため、動作用ギアと回転軸を連結する器具。


※4 隔離処置

・作業による系統、設備への影響・波及を防止するために、作業前に講じる処置。本事象においては、非常用ガス処理系の起動信号を電気的に止める処置を施す。


※5 原子炉建屋の「空調設備」および「非常用ガス処理系」の役割

・通常、原子炉建屋(管理区域内)においては、放射性物質を取り扱う機器の運転や、保守・点検を行うことから、空調設備により建屋内の気圧を外部に比べて低く(負圧)することで、放射性物質が外部に拡散しないようにしている。

・何らかの理由により、空調設備が停止した場合には、建屋内の気圧(負圧)を維持するため、非常用ガス処理系が自動的に作動する設計としている。

・なお、非常用ガス処理系は、建屋内の気圧(負圧)を維持する他、原子炉建屋内での放射性物質の放出を伴う事故時において、放射性物質を除去するためのフィルタを有しており、外部への放射能による影響を低減する設計としている。


以 上



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