新素材 金属3DプリンタLPMシリーズ用ダイカスト金型向け粉末 SVM(Sodick Versatile steel for Mold)販売開始のお知らせ - 多様化する金属3Dプリンタへの要求に対応

2022/04/20  株式会社 ソディック 

株式会社 ソディック
2022年04月19日

新素材 金属3DプリンタLPMシリーズ用ダイカスト金型向け粉末
SVM(Sodick Versatile steel for Mold)販売開始のお知らせ
多様化する金属3Dプリンタへの要求に対応


この度弊社では、多様化する金属3Dプリンタへの要求に対応するため、ダイカスト金型向けの新素材「SVM(Sodick Versatile steel for Mold)」を販売開始いたします。

新素材SVMは、造形中の変形や割れの不具合を防止する当社独自技術、SRT(Stress Relief Technology)法に対応しており、□200mmを超える大型ダイカスト金型や金型部品も造形可能です。また、耐熱性を高める組成を添加することで、ダイカスト成形特有課題の耐ヒートチェック性※及び耐溶損性を高めています。SVMを使うことで、ダイカスト金型においても金属3Dプリンタ加工の特長である三次元水管構造が採用可能になり、冷却特性の最適化が図れることで、部品寿命の向上や金型のメンテナンス負荷の低減に貢献します。

(※ヒートチェックとは、過熱と冷却が繰り返されることにより生じる表面亀裂のこと。)

なお、SVMは2022年4月20日~23日にインテックス大阪にて開催される「INTERMOLD2022」に出品いたします。

■新素材の開発背景

金属3Dプリンタにおけるダイカスト金型では、造形品内部の残留引張応力により部品の変形やクラックのリスクがありました。

また、SKD61の代わりとして用いられるマルエージング鋼造形品では、ダイカスト金型での使用時におけるヒートチェック発生や応力腐食割れなどによる耐久性の問題が生じていました。

これらの課題に対し、新素材SVMは粉末組成を最適化することでSRT法の適用による大型部品造形への対応と、ダイカスト金型向けの高温特性の向上を両立しました。

SVMを高速・高品質造形が可能な当社金属3DプリンタLPMシリーズで運用することで、ダイカスト成形現場におけるダウンタイム削減やメンテナンス負荷の低減に貢献します。

■新素材の特長

① 耐ヒートチェック性・耐溶損性の向上

耐熱性素材を適切に配合することにより、圧延鋼SKD61よりも高い耐ヒートチェック性・耐溶損性を実現しました。次頁のグラフは、当社で実施したヒートチェック試験と溶損試験の結果です。

(お問合わせ先) 株式会社ソディック 広報室 TEL:045-942-3111(大代)

いずれの数値もSVM造形品の方が小さくなっており、より良い特性を持っていることを示しています。

② SRT法適用による大物部品造形への対応

従来のSKD61造形では、造形時の金属溶融・凝固による収縮により、部品内部に大きな引張残留応力が発生します。この応力の影響で造形品が大きく変形したりクラックが発生したりと様々なトラブルが生じていました。

それに対してSVMでは、当社特許技術であるSRT法を使用して残留応力を低減することが可能であり、造形中における変形や割れの不具合を防止することができます。

③ プラスチック射出成形金型にも適用可能

適切な熱処理を実施することにより、部品の硬度をHRC52~55まで上げることができます。

また、熱処理時の変形量も低減させており、引張強度や耐力などの強度特性も圧延鋼のSKD61やSTAVAXと同等の値を達成しています。

そのため、SVM造形品はダイカスト金型だけでなく、プラスチック射出成形金型にも適用可能です。

■お問合せ先
株式会社ソディック 広報室
TEL:045-942-3111(大代)

以上

他の画像

関連業界