報道発表資料
国内初、基地局に自家消費型水力発電を活用する実証実験を開始
<2024年5月30日>
株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)は、国内で初めて※1 携帯電話基地局に自家消費型の水力発電を活用する実証実験(以下、本実証実験)を2024年5月30日から開始します。
本実証実験では、熊本県立大学、島谷幸宏特別教授が開発したJet水車※2 と水力発電システムを用いて、基地局周辺の農業用水路などの水から発電した電力の基地局への活用をめざし、検証を行います。ドコモのグリーン基地局はおもに太陽光発電を活用していますが、太陽光パネルの設置が難しい基地局に向け、本実証実験で新たな再生可能エネルギーの活用をめざし取り組んでいます。
水力発電システムは、河川や農業用水路などの水から発電した電力を、基地局で使用できる規格の電力に変換を行います。電流や電圧、出力といった電力データや、水の流量・水圧などの水力データを取得し、ドコモが開発する基地局電力の監視制御を担うエネルギー・マネジメント・システム基盤(以下、EMS基盤)に各データの送信を行います。EMS基盤では、水力発電システムから送信されたデータをもとに、発電量やCO?の可視化を行います。
ドコモは、「2030年カーボンニュートラル宣言」※3 や「2040年ネットゼロ」※4 の実現に向け、河川や湧水、農業用水路などを活用することで、太陽光発電以外の再生可能エネルギーの活用を進めるとともに、本実証実験の結果をもとに水力発電システムの有効性を検証し、2025年3月までに水力発電システムによって発電した電力の基地局への活用をめざしてまいります。
ドコモは脱炭素社会の実現に向けて、先進的に再生可能エネルギーの導入を推進することで、社会全体のカーボンニュートラルに貢献してまいります。
2024年5月30日時点、ドコモ調べ。
Jet水車は、ノズルから噴出される水の反動で水の噴出方向と反対向きにノズル自体を回転させる水車です。一般的な水力発電では、ノズルと水車が別になっており、ノズルから放出した水を水車に当てて水車を回転させる仕組みですが、この水車はノズル自体を回転させるため従来とは異なるタイプの水車であり、3Dプリンターによる製作が可能です。
ドコモは、2030年までに自社の事業活動での温室効果ガス排出量を実質ゼロ(カーボンニュートラル)にします。
「2030年カーボンニュートラル宣言」
ドコモは、2040年までにサプライチェーンも含めた温室効果ガス排出量を実質ゼロ(ネットゼロ)にします。
「ドコモグループ2040年ネットゼロ」
別紙 実証実験の概要
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背景
ドコモの消費電力約7割が、携帯電話の通信を担っている全国の基地局で使用しています。基地局電力消費によるCO?排出削減のため、太陽光発電システムや大容量蓄電池を導入したグリーン基地局を整備し、2023年度末時点で286局の運用を行っています。
太陽光発電システムで発電した電力は基地局の給電に使われますが、余剰電力はリチウムイオン電池に蓄え、災害などの長期停電時の備えとしています。
またドコモは、EMS基盤を開発し、各エリア・基地局の発電量やCO?削減量を可視化し、基地局を始めとするドコモグループの電力運用最適化に取り組んでいます。
このリリースの画像:
▼電力会社と連携したデマンドレスポンス 自治体のエネルギーマネジメント EVの活用などドコモEMS基盤を活用した社内外のエネルギーマネジメントの取り組みにより、サステナブルな社会への貢献をめざす
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▼Jet水車から電力データ、水力データを取得 水力発電システムから基地局装置に商用電力を優先して、電力を供給 水力発電システムとドコモEMS基盤間で監視制御
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https://www.jpubb.com/press/image.php?image=3234760
水力発電システム
今回の水力発電システムは、熊本県立大学、島谷幸宏特別教授が開発したJet水車によって発電された電力を基地局で使用できる規格の電力に変換します。Jet水車によって取得された電力データや水力データを水力発電システムが収集し、EMS基盤との連携を行っています。EMS基盤では、基地局の電力状況や水力発電システムの発電状況をリアルタイムで把握し、電力の監視制御を行っています。
実証実験概要
本実証実験では、以下の内容を検証する。
- 水力発電システムで発電した電力を効率よく基地局に供給するための電源システム・回路トポロジーの最適化
- 水力発電システムの設置候補となる基地局の選定、発電設備の実装、評価のノウハウ習得
図.実証実験の構成 図.実証実験の様子 実施期間
2024年5月30日から最大1年間
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