アステラス製薬とのRPE細胞製造方法等に関するライセンス契約締結のお知らせ

2024/06/19  株式会社 ヘリオス 

2024 年6月 19 日
株 式 会 社 ヘリオス

アステラス製薬との RPE 細胞製造方法等に関するライセンス契約締結のお知らせ

当社は、アステラス製薬株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長CEO 岡村直樹)の子会社で他家多能性幹細胞由来の分化細胞を用いた治療法を研究するアステラス インスティチュート フォー リジェネレイティブ メディシン(Astellas Institute forRegenerative Medicine、所在地:米国マサチューセッツ州ウェストボロー、President:Erin Kimbrel, PhD、以下、「AIRM」といいます。)との間で、当社が国立研究開発法人理化学研究所(以下「理化学研究所」といいます。)および国立大学法人大阪大学(以下「大阪大学」といいます。)と共有する網膜色素上皮(RPE)細胞*1の製造法ならびに大阪大学と共有する網膜色素上皮(RPE)細胞の純化法に関する特許(2件、以下、「本特許」といいます。)*2を、日本以外の全世界における本特許の出願国でAIRMに非独占的に許諾するライセンス契約(以下、「本契約」といいます。)を締結しましたのでお知らせいたします。



1.本契約の概要

当社は、AIRM が多能性幹細胞由来 RPE 細胞を用いた治療法の開発・製造・販売に使用するため、本特許を日本以外の全世界における本特許の出願国で AIRM が非独占的に使用する権利を許諾します。

当社は、本契約締結時に一時金として3百万米ドルを受領します。さらに、その後 AIRMにより本特許を用いて開発及び製造された製品が米国において承認を受けた時点で、マイルストーンとして最大8百万米ドルを、AIRM より受領する可能性があります。

当社は、「『生きる』を増やす。爆発的に。」というミッションの下、幹細胞技術をもって難治性疾患を罹患された方々に治癒と希望を届けるべく、新たな治療法の研究を行っております。当社自らによる研究開発のみならず、当社がこれまで培ってきた iPSC プラットフォームの技術・経験・知的財産を広く他の製薬企業等へも提供することにより、新たな治療法の実現に向けた道筋をつけ、製薬業界全体の発展を通じて当社ミッション実現に向け邁進いたします。

2.相手先の概要

(1) 名 称 Astellas Institute for Regenerative Medicine
(2) 所在地 9 Technology Drive, Westborough, MA 01581, U.S.A.
(3) 代表者の役職・氏名 Erin Kimbrel, PhD
(4) 事 業 内 容 医療用医薬品の研究開発
(5) 設立年 1994 年
(6) 従 業 員 数 262 名(2024 年3月 31 日現在)
(7) 大株主及び持株比率 対象会社はアステラス製薬の完全子会社となります。
(8) 当 事 会 社 間 の 関 係
資 本 関 係 該当事項はありません。
人 的 関 係 該当事項はありません。
取 引 関 係 該当事項はありません。
関 連 当 事 者 へ の該 当 状 況 該当事項はありません。
(9) 最近3年間の経営成績及び財政状態
※契約相手先は研究機関であり、経営成績・財政状態は非開示となります。

3.本契約の日程

決議日:2024 年6月 19 日
締結日:2024 年6月 19 日

4.今後の見通し

本契約の締結により、2024 年 12 月期第2四半期に一時金3百万米ドルを売上収益として計上する予定です。今後、開示すべき事項が発生した場合には、速やかにお知らせいたします。

以上

*1 網膜色素上皮(RPE)細胞

神経網膜層の外側にある網膜色素上皮(Retinal Pigment Epithelium)を形成する細胞のこと。光の受容体である視細胞に接し、その機能維持・保護のための生理的機能を有する。RPE は単層の構造を取っており、通常、欠損すると再生せず視機能が永続的に障害されることになるため、加齢黄斑変性等で正常な機能を失ったり、消失したりした RPE 細胞の補充などを目的とした再生医療の研究で注目されている。

*2 RPE 細胞の製造法ならびに純化法に関する特許

・製造法 (WO2015053375A1):

多能性幹細胞から網膜色素上皮細胞の分化誘導効率が改善され、簡易な操作で高い純度の網膜色素上皮細胞を短期間で得ることができる網膜色素上皮細胞の製造法、細胞を安定に増殖培養できる網膜色素上皮細胞の培養法、及び移植治療に有用な網膜色素上皮細胞を用いた毒性・薬効評価法並びに網膜疾患治療薬を提供する。本発明は、ラミニンE8フラグメントがコーティングされた培養基材を用いてヒト多能性幹細胞を接着培養する工程を含む網膜色素上皮細胞の製造法、ラミニンE8フラグメントがコーティングされた培養基材を用いて網膜色素上皮細胞を接着培養する工程を含む網膜色素上皮細胞の培養法、前記方法により製造又は培養して得られる網膜色素上皮細胞を用いる毒性・薬効評価法、同網膜色素上皮細胞を含む網膜疾患治療薬に関する。

国立研究開発法人理化学研究所および国立大学法人大阪大学との共同出願特許だが、当社が独占的実施権を有する。

・純化法(WO2015053376A1):
網膜色素上皮細胞の純化法。
国立大学法人大阪大学との共同出願特許だが、当社が独占的実施権を有する。

■アステラス製薬株式会社について

アステラス製薬は、世界 70 カ国以上で事業活動を展開している製薬企業です。最先端のバイオロジーやモダリティ/テクノロジーの組み合わせを駆使し、アンメットメディカルニーズの高い疾患に対する革新的な医薬品の創出に取り組んでいます(Focus Area アプローチ)。さらに、医療用医薬品(Rx)事業で培った強みをベースに、最先端の医療技術と異分野のパートナーの技術を融合した製品やサービス(Rx+(R))の創出にも挑戦しています。アステラス製薬は、変化する医療の最先端に立ち、科学の進歩を患者さんの「価値」に変えていきます。アステラス製薬の詳細については、(https://www.astellas.com/jp/)をご覧ください。アステラス インスティチュート フォー リジェネレイティブ メディシン(AIRM)の詳細については(https://www.astellas.com/jp/innovation/astellas-institute-for-regenerative-medicine)をご覧ください。

■株式会社ヘリオスについて

再生医療は、世界中の難治性疾患の患者にとって新たな治療法として期待されています。この分野では、製品開発・実用化への取り組みが広がり、将来的には大きな市場となることが見込まれています。ヘリオスは、iPS 細胞(人工多能性幹細胞)などを用いた再生医薬品開発のフロントランナーとして、実用化の可能性のあるパイプラインを複数保有するバイオテクノロジー企業です。2011 年に設立し、2015 年に株式上場(東証グロース:4593)し、再生医薬品の実用化を目指して研究開発を進めています。

体性幹細胞再生医薬品分野では、健康な成人ドナー骨髄由来の多能性成体前駆細胞(MAPC)から成る独自の細胞製品である MultiStem(R)を使用した脳梗塞急性期や急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の治験を実施しています。MultiStem(R)は、強力な抗炎症作用と免疫調節作用を示すことが示されており、さまざまな病態への応用が可能です。後期臨床試験において数百人の患者で試験され、3D 培養法で一貫して製造されており、複数の適応症において数百人の患者で安全性と有効性の両方が実証されています。ヘリオスは、脳梗塞急性期、ARDS、外傷に対し、MultiStem(R)をグローバルに推進してまいります。

iPSC 再生医薬品分野では、免疫拒絶のリスクを低減する次世代 iPS 細胞であるユニバーサルドナーセル(UDC: Universal Donor Cell)を作製し、さらには、遺伝子編集技術により固形がんに対する殺傷能力を強化した次世代 NK 細胞(eNK(R)細胞)の開発を進めています。eNK(R)細胞は、動物モデルにおいて強固な抗腫瘍効果を実証しており、大量生産が可能な 3D バイオリアクターでの製造プロセスを実現しています。これらにより、がん免疫領域をはじめ、眼科領域、肝臓領域などで新規治療薬の開発に取り組んでいます。

https://www.healios.co.jp/

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