KiteのTecartus(R)、再発/難治性のB細胞急性リンパ芽球性白血病成人患者さんにおいて、持続的な全生存期間を示す

2024/06/14  ギリアド・サイエンシズ 株式会社 

2024年6月14日

ギリアド・サイエンシズ株式会社

当資料は、ギリアド・カンパニーであるKiteが、2024年6月3日(現地時間)に発表したプレスリリースhttps://www.gilead.com/news-and-press/press-roomを邦訳し、参考資料として提供す
るものです。正式な言語は英語であり、その内容ならびに解釈については英語が優先します。なお本文中には、日本において未承認の薬剤、再生医療等製品や適応症に関する情報が含まれています。

KiteのTecartus(R)、再発/難治性のB細胞急性リンパ芽球性白血病成人患者さんにおいて、持続的な全生存期間を示す

ギリアド・カンパニーの Kite(本社:米カリフォルニア州サンタモニカ、ナスダック:GILD)は、6 月 3 日、再発または難治性の B 細胞急性リンパ芽球性白血病(R/R B-ALL)成人患者さんを対象に、CAR T 細胞療法の Tecartus®(brexucabtagene autoleucel)を評価するピボタル ZUMA-3 試験の 4 年間の全生存期間(OS)に関する最新データを発表しました。その結果によると、治療を受けた全ての患者さんにおいて、OS 中央値は 25.6 カ月、4年時点の OS 率は 40%(95%信頼区間[CI]:28-52)であり、安全性プロファイルは 3 年時点での解析と一貫性が認められました。この結果は、2024 年米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会で、6 月 3 日にポスター発表されました(抄録番号 #6531)。

ヴァンダービルト大学医学部血液学・腫瘍学准教授で、本試験の治験責任医師であるオラレカン O. オルウォレ医師(Olalekan O. Oluwole, MD, MPH)は、次のように述べています。「B-ALL は、予後が芳しくない、希少な急速進行性の血液がんです。再発または難治性の患者さんの場合、生存期間の中央値は 8 カ月未満です。従って、1 回の brexu-cel 投与により、これらの患者さんの 40%が 4 年後も生存していることは、実に意義のあることです。さらに、患者さんのその後の同種造血幹細胞移植の状態に関わらず、奏効持続期間(DOR)および生存期間の改善が示されています」

ポスター発表では、第 I 相および第 II 相試験の統合解析において、ピボタル用量のTecartus 投与を受けた患者さん(n=78)のフォローアップ期間の中央値は 53.6 カ月(範囲:44.7-82.3)でした(フォローアップ期間は少なくとも 4 年以上)。治療を受けた全患者さんにおける OS 中央値は 25.6 カ月、主要評価項目である完全寛解または血液学的回復が不完全な完全寛解を達成した患者さん(n=57)においては 47 カ月でした。26 歳未満の患者さん(n=15)における OS 中央値(95%CI)は 23.2 カ月(範囲:9.0-NE)、26 歳以上の患者さん(n=63)では 26.0 カ月(範囲:15.9-NE)で、OS は主な副次評価項目でした。1 つの前治療歴がある患者さん(n=15)における OS 中央値(95%CI)は 60.4 カ月(範囲:7.6-NE)、2 つ以上の前治療歴がある患者さん(n=63)では 25.4 カ月(範囲:15.9-47.0)でした。

ブリナツモマブによる治療歴がある患者さん(n=38)および治療歴のない患者さん(n=40)の OS 中央値(95%CI)は、それぞれ 15.9 カ月(範囲:8.3-26.0)、60.4 カ月(範囲:18.6-NE)でした(患者さんの特性に偏りがあり、数も少ないため、本結果の解釈には限界あり)。その後同種造血幹細胞移植を受けたレスポンダー(n=14)における OS中央値(95%CI)は 36.3 カ月(範囲:10.2-NE)、受けていないレスポンダー(n=43)では 60.4 カ月(範囲:23.2-NE)でした。3 年時点での解析以降、新たな有害事象や死亡例の発現はありませんでした。グレード 3 以上の感染症の発現は、26 歳以上の患者さんおよびブリナツモマブによる治療歴がある患者さんでより多くみられました。

Kite のメディカル・アフェアーズ担当副社長の Ibrahim Elhoussieny は、次のように述べています。「Tecartus が、4 年間のフォローアップ期間後も、他の治療選択肢がほぼないと考えられる成人患者さんの生存アウトカムを引き続き改善していることをうれしく思います。Tecartus が、特に早期の段階で投与を受けた患者さんの OS を数値的に改善していること、再発または他の治療では奏効がみられない多くの B-ALL 成人患者さんにとって、重要な治療選択肢であることは明らかです。この難治性の血液がんとともに生きるより多くの人々の生存期間が、引き続き改善していくことを期待しています」

ZUMA-3 試験について
ZUMA-3 試験は、標準全身療法や造血幹細胞移植に奏効がみられない、または奏効後に再発した、成人 ALL 患者さん(18 歳以上)を対象とした Tecartus に関する、現在進行中の国際多施設共同(米国、カナダ、欧州)、単群、非盲検、登録、第 I/II 相試験です。主要評価項目は、中央判定による全完全寛解率または血液学的回復が不完全な完全寛解率です。寛解維持期間、無再発生存率、OS、微小残存病変(MRD)陰性率、および alloSCT(同種造血幹細胞移植)率が副次評価項目として評価されました。

急性リンパ性白血病(ALL)について
ALL は、リンパ節、脾臓、肝臓、中枢神経系およびその他の臓器にも影響を与える可能性のある急速進行性の珍しい型の血液がんです。ALL の 80%は子どもに発現しますが、成人が罹患した場合、深刻な症状を呈します。成人では、前駆 B 細胞性 ALL(pre B-ALL)が最も一般的で、75%を占めています。R/R ALL 成人患者さんの生存率は芳しくなく、OS の中央値は 8 カ月未満です。

Tecartus について
効能・効果、警告、禁忌・禁止
および医薬品情報を含む添付文書(完全版)をご参照ください。Tecartus は、CD19 を標的とした遺伝子改変自家 T 細胞免疫療法で、米国においては次に挙げる患者さんの治療を適応としています。

•R/R MCL成人患者さん
本適応症は、全奏効率(ORR)および効果持続性に基づき迅速承認されました。本適応症の承認を継続するには、検証的試験で臨床的ベネフィットを検証し、証明することが条件となります。

•R/R pre B-ALL成人患者さん

米国における重要な安全性情報
枠組み警告:サイトカイン放出症候群、神経毒性および二次性血液悪性腫瘍

生命を脅かす反応を含むサイトカイン放出症候群(CRS)が、Tecartus投与患者に発現しています。活動性感染症または炎症性疾患を有する患者にTecartusを投与しないでください。重度または生命を脅かすCRSは、トシリズマブまたはトシリズマブ・コルチコステロイドの併用で、治療を行ってください。

生命を脅かす反応を含む神経毒性が、CRSを同時に発現した場合または回復後を含め、Tecartus投与患者に発現しています。Tecartus投与後、神経毒性についてモニタリングしてください。必要に応じて、支持療法および/またはコルチコステロイド投与を行ってください。

BCMA-やCD19-を標的とする遺伝子改変T細胞を自家移植して行う免疫療法による血液悪性腫瘍の治療後に、T細胞悪性腫瘍の発現が報告されています。

Tecartusは、リスク評価・リスク緩和戦略(REMS)である「イエスカルタ・テカルタスREMSプログラム」に基づく制限プログラムを通じてのみ、投与可能です。

Tecartus 投与前に各患者に対し、トシリズマブの投与が 2 回以上可能であるかを確認してください。投与後、1 日 1 回少なくとも 7 日間は認定医療機関で、その後も 4 週間、CRS の徴候および症状について、患者をモニタリングしてください。CRS の徴候または症状が見られた場合、直ちに医師の診察を受けるよう、患者に助言してください。CRS の最初の徴候が見られた時点で、必要に応じて、支持療法、トシリズマブ、またはトシリズマブ・コルチコステロイドの併用による治療を開始してください。

重度または生命を脅かす事象を含む、神経系の事象が Tecartus 投与後に発現しています。神経系の事象は ALL 患者の 87%(68/78)に発現し、うちグレード 3 以上は 35%でした。ALL 患者の発現までの時間の中央値は 7 日(範囲:1-51 日)、継続期間の中央値は 15 日間(範囲:1-397 日)でした、MCL 患者においては、54 名(66%)が神経系の事象発現前にCRS を発現しました。また、5 名(6%)は神経系の事象の発現があったが CRS の発現はなし、8 名(10%)が CRS から回復後に神経系の事象を発現しました。Tecartus 投与を受けた患者の 134 名中 119 名(89%)において、神経系の事象が解消されました。9 名の患者(MCL 患者 3 名、ALL 患者 6 名)は、死亡時に神経系の事象を持続していました。ALL 患者においては、CRS 発現前、発現中および発現後に神経系の事象が発現したのは、それぞれ 4 名(5%)、57 名(73%)および 8 名(10%)でした。また、3 名(4%)の患者は、神経系の事象の発現があったものの CRS の発現はありませんでした。神経系の事象は、CRSと同時に、CRS 回復後、または CRS 未発現時に発現する可能性があります。

患者によく見られた神経系の事象(10%以上)は MCL と ALL において類似しており、脳症(57%)、頭痛(37%)、振戦(34%)、錯乱状態(26%)、失語症(23%)、せん妄(17%)、めまい(15%)、不安(14%)、激越(12%)でした。Tecartus 投与後に、脳症、失語症、錯乱状態、けいれん発作を含む重篤な事象が発現しています。

投与後、MCL 患者については 1 日 1 回少なくとも 7 日間、ALL 患者については少なくとも14 日間は認定医療機関で、および投与後 4 週間は、神経毒性の徴候や症状についてモニタリングし、速やかに治療を行ってください。

REMS プログラムについて:CRS および神経毒性のリスクのため、Tecartus は「イエスカルタ・テカルタス REMS プログラム」と呼ばれる制限プログラムを通じてのみ、投与可能です。同プログラムでは、以下が義務付けられています。

• Tecartusを調剤・投与する医療機関は登録およびREMS要件の遵守が義務付けられています。認定医療機関は、CRSの治療に必要な場合、各患者に対し、トシリズマブをTecartus投与後2時間以内にその場で直ちに投与できるよう2回投与分以上確保しておくことが義務付けられています。

• 認定医療機関は、Tecartusを処方、調剤または投与する医療提供者に対し、必ずCRSおよび神経毒性のコントロールについてトレーニングを行ってください。さらなる詳細については、www.YescartaTecartusREMS.comをご参照いただくか、1-844-454-KITE (5483).にご連絡ください。

過敏症反応:アナフィラキシーを含む重度の過敏症反応が、Tecartus に含まれるジメチル・スルホキシド(DMSO)または残留ゲンタマイシンにより発現することがあります。

重症感染症:Tecartus 投与後に重度または生命を脅かす感染症が発現しています。MCL 患者の 56%(46/82)および ALL 患者の 44%(34/78)に感染症(全グレード)が発現しています。細菌感染症、ウイルス感染症および真菌感染症を含む、グレード 3 以上の感染症が ALL 患者および MCL 患者の 30%に発現しています。Tecartus は、臨床的に重篤な活動性全身性感染症患者には投与しないでください。Tecartus 投与前後に感染症の徴候や症状について、患者をモニタリングし、適切に治療を行ってください。各国のガイドラインに従って、予防的抗菌薬を投与してください。

発熱性好中球減少症が Tecartus 投与後に MCL 患者の 6%および ALL 患者の 35%に認められ、CRS を同時に発現する場合があります。ALL 患者 27 名(35%)に認められた発熱性好中球減少症には、「発熱性好中球減少症」(11 名(14%))に加えて、「発熱」と「好中球減少症」の併発事象(16 名(21%))が含まれます。発熱性好中球減少症の場合、感染症について評価し、医学的に必要な場合、広域抗生物質、輸液、およびその他支持療法によりコントロールしてください。

免疫抑制患者において、生命を脅かすまたは重度の日和見感染症が報告されています。神経系の事象を有する患者については、まれな感染性病因(例:HHV-6 および進行性多巣性白質脳症などの真菌感染症やウイルス感染症)の可能性を検討し、適切な診断評価を実施してください。

劇症肝炎、肝不全または死に至る可能性もある B 型肝炎ウイルス(HBV)の再活性化が、B 細胞を標的とした薬剤で治療を受けた患者に発現する可能性があります。製造に向けた細胞採取前に、臨床ガイドラインに従って、HBV、HCV および HIV についてスクリーニングを実施してください。

遷延性血球減少症:患者がリンパ球除去化学療法および Tecartus 投与後数週間にわたり、血球減少症を発現することがあります。MCL 患者においては、Tecartus 投与後 30 日目までに消散しなかったグレード 3 以上の血球減少症が 55%(45/82)に発現し、内訳は血小板減少症(38%)、好中球減少症(37%)、貧血(17%)でした。ALL 患者においては、Tecartus 投与後 30 日目までに消散しなかったグレード 3 以上の血球減少症が Tecartus 投与のレスポンダーの 20%(7/35)に発現し、内訳は好中球減少症(12%)、血小板減少症(12%)でした。Tecartus 投与後 60 日目までに消散しなかったグレード 3 以上の血球減少症が 11%(4/35)の患者に発現し、内訳は好中球減少症(9%)、血小板減少症(6%)でした。Tecartus 投与後は血球数をモニタリングしてください。

低ガンマグロブリン血症:Tecartus 投与後の患者に、B 細胞形成不全および低ガンマグロブリン血症が発現することがあります。MCL 患者の 16%(13/82)および ALL 患者の 9%(7/78)において、低ガンマグロブリン血症が報告されています。Tecartus 投与後の免疫グロブリン値をモニタリングし、感染予防薬、予防的抗菌薬、免疫グロブリン補充療法を使用しコントロールしてください。

Tecartus 投与中または投与後の生ウイルスワクチン接種の安全性は、まだ検証されていません。生ウイルスワクチン接種は、リンパ球除去化学療法開始の少なくとも 6 週間前、Tecartus による治療中、および Tecartus による治療後に免疫が回復するまでは推奨しません。

二次性悪性腫瘍: Tecartus 投与を受けた患者に、二次性悪性腫瘍が発現する可能性があります。BCMA-や CD19-を標的とする遺伝子改変 T 細胞を自家移植して行う免疫療法による血液悪性腫瘍の治療後に、T 細胞悪性腫瘍の発現が報告されています。CAR 陽性の腫瘍を含む成熟 T 細胞悪性腫瘍が、投与後数週間で発現する可能性があり、死に至る場合もあります。生涯にわたり、二次性悪性腫瘍についてモニタリングしてください。発現した場合、Kite(1-844-454-KITE(5483))に連絡し、検査用に採取する患者サンプルについて、指示を受けてください。

運転および機械使用能力に対する影響:精神状態の変化やけいれん発作などの神経系の事象が起こる可能性があるため、Tecartus 投与後 8 週間は、患者には意識や運動能力の変容・低下のリスクがあります。この期間中、車の運転や、重機または危険を伴う機械の運転など危険を伴う活動への従事を控えるよう、助言してください。

副作用:臨床検査以外で最も多く見られた副作用(発現率 20%以上)は、発熱、CRS、低血圧、脳症、頻脈、吐き気、悪寒、頭痛、倦怠感、発熱性好中球減少症、下痢、筋骨格痛、低酸素症、発疹、浮腫、振戦、病原体不明の感染症、便秘、食欲減退、嘔吐でした。最も多く見られた重篤な有害事象(発現率 2%以上)は、CRS、発熱性好中球減少症、低血圧、脳症、発熱、病原体不明の感染症、低酸素症、頻脈、細菌感染症、呼吸不全、けいれん発作、下痢、呼吸困難、真菌感染症、ウイルス感染症、血液凝固障害、せん妄、倦怠感、血球貪食性リンパ組織症、筋骨格痛、浮腫、不全対まひでした。

Kite について ギリアド・カンパニーである Kite は、カリフォルニア州サンタモニカを本拠とするバイオ ファーマ企業です。当社は、がんの治療や治癒の可能性を追求する細胞療法に注力し、グ ローバルリーダーとして、最も多くの患者さんに CAR T 細胞療法を提供してきました。Kite は、プロセスデベロップメントから、ベクター製造、臨床試験向けおよび商用向け製
造にまたがる、企業が自社で保有するものとしては世界最大の細胞治療の製造ネットワークを有しています。

ギリアド・サイエンシズについて
ギリアド・サイエンシズは、すべての人々にとって、より健康な世界の実現を目指し、35年以上にわたり医療の革新を追求し、飛躍的な進歩を遂げてきたバイオ医薬品企業です。当社は HIV、ウイルス性肝炎、COVID-19、がんなどの生命を脅かす疾患の予防と治療のため、革新的な医薬品の開発に取り組んでいます。カリフォルニア州フォスターシティに本社を置き、世界 35 カ国以上で事業を行っています。ギリアドは 2017 年に Kite を買収しました。

将来予測に関する記述

本プレスリリースは、1995 年「米国証券訴訟改革法」(Private Securities Litigation Reform Act of 1995)で定義される「将来予測に関する記述」に該当し、いくつかのリスクや不確定要素などの要因を含む場合があります。これらのリスク等には、ギリアドおよび Kite が現在見込まれるタイムライン内に臨床試験を開始、進行、完了する能力、またはそれらが全く完了できない可能性、Tecartus に関するもの(ZUMA-3 試験など)を含む進行中または追加の臨床試験から得られた結果が好ましくない可能性、医師が Tecartus を処方するメリットを認識しないリスク、および上記のいずれかの根拠となる仮定も含まれます。これらのリスクやその他のリスク、不確定要素やその他の要因については、米国証券取引委員会に提出している、2024 年 3 月 31 日を期末とするギリアド四半期報告書(フォーム 10-Q)で詳細に説明しています。これらのリスク、不確定要素およびその他の要因により、実際の結果が「将来予測に関する記述」で言及されたものと大きく異なる可能性があります。歴史的事実以外の全ての記述は、「将来予測に関する記述」とみなされます。このような「将来予測に関する記述」は将来の業績を保証するものではありませんので、この記述に過度に依拠しないようご注意下さい。「将来予測に関する記述」は全て、ギリアドおよび Kite が現在入手できる情報に基づいており、ギリアドおよび Kite は「将来予測に関する記述」を更新する義務を負うことはなく、更新する意向もありません。

他の画像

関連業界