2023年 12月21日
帝 人 株 式 会 社
環境配慮型原料を用いた炭素繊維の生産・販売を開始[帝人]
帝人株式会社(本社:大阪市北区、社長:内川 哲茂)は、このたび、持続可能な製品の国際認証に基づいたマスバランス方式(*1)を適用し、環境配慮型の原料を用いた炭素繊維「テナックス」の生産と販売を開始します。
(*1)マスバランス方式:原料から製品への加工・流通工程において、ある特性を持った原料(例:バイオマス由来原料)とそうでない原料(例:石油由来原料)を混合させる場合に、特性を持った原料の投入量に応じて、製品の一部に対し、その特性の割り当てを行う手法。
1.背 景
(1)炭素繊維は、「軽くて強い」素材として航空機や自動車、スポーツ用品など幅広い用途で使用されています。
(2)近年、製品のライフサイクル全体を通じた温室効果ガス(GHG)の排出量削減のニーズが高まっており、炭素繊維が関わるサプライチェーン全体においても製造工程における環境負荷の低減が求められています。
(3)当社はこれまで、製造工程における GHG 排出量の削減に向けて、製造拠点における自家発電用の燃料の天然ガスへの切替や、炭素繊維製品に関わる LCA(ライフサイクルアセスメント)評価の確立などを実施しており、2023 年 6 月には持続可能な国際的認証の一つである ISCC PLUS 認証(*2)を取得し、環境配慮型の原料を用いた炭素繊維「テナックス」の市場展開に向けた準備を進めていました。
(*2) ISCC PLUS 認証:国際持続可能性カーボン認証。マスバランス方式によるバイオマスや再生材料などに由来する製品
について、グローバルなサプライチェーン上で信頼性を管理・担保する国際認証のひとつ。同認証を取得した企業のみ、同認証に基づいて生産された製品を認証品として宣言することが可能。
(4)このたび、ISCC PLUS 認証に基づいたマスバランス方式を適用し、環境配慮型の原料を用いた「テナックス」の生産と販売を開始します。
2.このたび販売を開始する製品について
(1)販売を開始する製品は、三島事業所で生産する「テナックス」のうち、当社が ISCC PLUS 認証に基づいて生産することが可能な炭素繊維です。
(2)この炭素繊維は、製造に用いた環境配慮型の原料が石油由来のアクリロニトリルと同等の物性であることから、従来の石油由来品と同等の物性を有します。そのため、従来品から容易に切り替えることができ、製品のライフサイクル全体における GHG排出量の削減に貢献します。
3.今後の展開
(1)当社は、環境配慮型の製品のラインアップ拡充に向けて、炭素繊維織物や、炭素繊維に樹脂を含浸したプリプレグなどについても環境配慮型の原料が使用できるよう、各製品に対する ISCC PLUS 認証の取得に向けた活動を進めていきます。
(2)また、環境配慮型の製品の生産・販売体制を強化すべく、海外の拠点についてもISCC PLUS 認証の取得に向けた活動を進めており、欧州の拠点では 2024 年度初旬の認証取得、米国の拠点では 2024 年度中の認証取得を計画しています。
(3)帝人グループは、事業活動に伴う環境、社会への負の影響が最小限となるよう努力し、長期ビジョンである「未来の社会を支える会社」をより具体化した「地球環境を守る会社」となることを目指していきます。
以上
【 当件に関するお問合せ先 】
帝人株式会社 広報・IR 部 TEL:(03)3506-4055