民事再生手続開始の申立て並びに海外子会社の解散及び清算に関するお知らせ

2024/11/27  日本電解 株式会社 

2024 年 11 月 27 日

日本電解株式会社

民事再生手続開始の申立て並びに海外子会社の解散及び清算に関するお知らせ

当社は、本日開催の取締役会において、民事再生手続開始の申立てを行うことを決議し、東京地方裁判所にその申立てを行い、同日、受理されました。あわせて、本日、同裁判所より、弁済禁止等の保全処分及び監督命令が発令され、小畑英一弁護士(TF 法律事務所)が監督委員に選任されましたので、お知らせいたします。

このような事態となり、債権者の皆様、お取引様、株主様、その他当社関係者の皆様に多大なるご迷惑をおかけいたしますことを、心よりお詫び申し上げます。今後は、裁判所及び監督委員の監督の下、役職員一同、当社事業の再生に向け全力を尽くして参る所存ですので、何卒ご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

また、当社は、本日開催の取締役会において、当社の子会社であるDenkai America Inc.(以下「DAI」といいます。)を解散及び清算することを決議しましたので、あわせてお知らせいたします。

なお、当社は、本日開催の取締役会において、民事再生手続開始申立てに伴い、2024 年 11 月 29日に開催を予定しておりました臨時株主総会を中止することを決議しております。詳しくは当社の2024 年 11 月 27 日付「臨時株主総会開催中止に関するお知らせ」をご参照ください。

Ⅰ.民事再生手続開始の申立てについて

1.申立ての理由

当社は、創業以来、一貫して電解銅箔の製造及び販売を行っており、電気自動車市場の拡大や2021 年3月 31 日の米国子会社(DAI)の取得に伴い、2022 年3月期までは売上・利益を伸ばし、2022 年3月期には、連結で売上高約 206 億円、営業利益約 10 億円を計上するに至りました。

しかしながら、世界的な半導体不足や米国インフレ抑制法(IRA 法)施行による国内製造バッテリーの輸出減少、スマートフォン需要の減退、新型コロナウイルスの影響や競争環境の激化に伴う2021 年3月期以降の DAI の赤字の常態化等により、2023 年3月期における連結売上高は約170 億円にまで減少し、また、米国オーガスタ工場の建設費用等の負担等もあり、2023 年3月期には約 18 億円の連結経常損失(当社単体:約4億円、DAI:約 13 億円)を計上するに至りました。

また、2024 年3月期においても、引き続き、IRA 法の影響による輸出セル用銅箔の需要低迷やDAI における整流器故障による回路基板箔の販売減もあり、連結売上高は約 166 億円、連結経常損失は約13 億円(当社単体:約3億円、DAI:約 12 億円)となり、2期連続で経常赤字を計上するに至りました。

2025 年3月期においても、中間期で連結売上高は約 88 億円(前年同期比 2.7%増)となったものの、販売数量減や銅価格急騰による損益悪化、オーガスタ工場関連の減損損失等により、連結経常損失約15 億円、連結純損失約 50 億円を計上することとなりました(通期の業績予想では、連結売上高は190 億円、連結経常損失は約 17 億円、連結純損失約 53 億円となる見込みです。)。

さらに、2023 年3月期以降の業績悪化に加え、当社の負担において、DAI のカムデン工場の製造設備改造や米国におけるオーガスタ工場製箔設備に係る投資を進めたこともあり、当社のキャッシュフローも徐々に悪化することとなりました。

このような中で、当社は、財務状態を改善すべく資金調達等に向けた取組みを進めて参りました。

当社は、2024 年 1 月、LCY Technology Corporation(以下「LCYT」といいます。)の関連会社であるLee Chang Yung Group International Pte. Ltd.(以下「LCY International」といいます。)からDAI を経由して 9.5 百万米ドルを借り入れるとともに、LCYT 及び LCY International との間で資本業務提携契約を締結し、LCY International に対して第2回新株予約権を発行しました。しかしながら、同社からは、同年3月の権利行使期間までに第2回新株予約権の行使がなされず、同社からの資本性資金の調達は不奏功に終わりました。

また、当社は、当社の筆頭株主であるテックス・テクノロジー株式会社と2024 年6月 24 日付で資本業務提携契約を締結し、同年7月10 日に同社から約 10 億円の出資(資金使途は主として同社に対する長納期設備代金の支払)を受けるに至りました。

さらに、当社は、財務の健全性を改善する喫緊の必要があったことから、2024 年5月頃からは、スポンサー探索を行ってまいりましたが、具体的な支援意向を示す先は見つかりませんでした。

上記のとおり、資金調達に向けた各種の取組みにもかかわらず、当社の財務状況を十分に改善するには至らず、当社は、DAI のカムデン工場の設備改造や米国におけるオーガスタ工場の製箔設備に係る投資等のため金融機関から行った約120 億円の借入れにつき、返済が見通せない状況にあります。

また、DAI については、2021 年3月期以降赤字が常態化しているところ、当社からの支援がない限り早晩資金に詰まることが見込まれており、直ちに収益が改善する見込みも乏しかったことから、後記Ⅱのとおり、本日開催の当社取締役会において、解散及び清算する方針を決議しております。そのため、当社のDAI に対する貸付金等の大部分は回収困難になることが見込まれ、当社はこれに伴い多額の特別損失を追加計上し簿価債務超過状態に陥ることが予定されているため、現時点においても実態債務超過の状態にあります。

以上のとおり、当社は、資金繰り及び財務状態を改善させるべく様々な施策を検討してまいりましたが、このままでは、近い将来、事業継続に著しい支障が生じることが確実な状況となったため、当社の事業価値の毀損を最小限とし、債権者の弁済の極大化を図りつつ、当社事業の実効的な再建を図るべく、民事再生手続開始の申立をいたしました。

2.負債総額

約14,761,060 千円

3.今後の見通し

今後は、東京地方裁判所及び監督委員の監督の下、従前どおり事業を継続しつつ、事業を承継していただけるスポンサーを速やかに探索し、当該スポンサーへ事業を承継することで、当社事業の再建を図ってまいります。

当社は、今後の資金繰りの手当として、株式会社三井住友銀行よりDIP ファイナンスとして、当座貸越契約に基づいて20 億円の融資枠の設定を受けることとなり、当面の事業の継続に支障がない状態を確保しております。また、当社は、裁判所の許可等を得て、申立日の前日である昨日までの原因に基づいて生じた債務のうち、当社の事業に必要不可欠な商取引債務については弁済を継続させていただくことを予定しております。

4.有価証券上場規程第603 条第1項に規定する再建計画等の審査に係る申請の有無

有価証券上場規程第603 条第1項に規定する再建計画等の審査に係る申請については、行わない予定です。したがいまして、当社株式は、東京証券取引所が定める規程により所定の期間を経た後に上場廃止となる見込みです。

5.お問い合わせ先

日本電解株式会社 再生室 (月曜日~金曜日 午前9時~午後5時)
電話: 0296-26-7775
E-mail: toiawase@nippon-denkai.co.jp

Ⅱ.DAI の解散及び清算について

1.解散の理由

前記ⅠのとおりDAI については、2021 年3月期以降赤字が常態化しているところ、当社の民事再生手続開始申立てにより、当社のDAI に対する資金支援が困難となり、その事業継続が困難であると判断したため、解散及び清算する方針を決定いたしました。

2.解散する子会社(DAI)の概要

(1)名称
Denkai America Inc.
(2)所在地
8 John Street, Hoosick Falls, New York, U.S.A.
(3)代 表 者 の 役 職・ 氏 名
中島 英雅
(4)事業内容
電解銅箔製造事業
(5)資本金
3,067 千米ドル
(6)設立年月
1976 年2月
(7)大株主及び持ち株比率
日本電解株式会社 100%
(8)上場会社と 当 該 会 社 の 関 係
資本関係
当社が 100%出資しております。
人的関係
当社役員が当該会社の役員であります。
取引関係
当社は当該会社に電解銅箔製造装置の売却等を行っております。なお、当社は、2024 年9月 30 日現在、同社に対して貸付債権
7,312 百万円、その他債権 873 百万円を有しております。
関 連 当 事 者 へ の 該 当 状 況
当社の連結子会社であります。
(9)直 近 3 年 間 の 経 営 成 績 及 び 財 政 状 態 ( 単 位 : 千 米 ド ル 。 特 記 し て い る も の を 除 く 。 )
決算期
2022 年3月期
2023 年3月期
2024 年3月期
純資産
25,924
15,751
11,790
総資産
61,333
74,404
79,657
売上高
46,947
34,093
23,095
営業利益または損失(△)
△756
△9,227
△6,068
経常利益又は損失(△)
△981
△9,753
△8,464
親 会 社 に 帰 属 す る
当期純利益
153
△10,164
△5,136

3.解散の日程

DAI の取締役会においても、本日、解散及び清算を進める決議を行っております。

現地の法律に従い必要な手続を進め、関連手続が完了次第清算結了の予定ですが、具体的な日程は現時点では未定です。

4.今後の見通し

DAI の解散及び清算に伴う業績への影響は精査中であります。今後開示すべき事項が生じた際には、速やかに開示いたします。

以上

公式ページ(続き・詳細)はこちら
https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS06248/84e26215/15be/49d4/abf5/3bf394c951a2/140120241126529844.pdf

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