徳島県知事記者会見 2024年06月07日 - ●令和6年度6月補正予算案の概要(説明) ●令和6年度6月補正予算案の概要(質疑)

2024/06/07  徳島県  

令和6年6月7日 臨時記者会見 フルテキスト版

令和6年度6月補正予算案の概要について(説明)

(知事)
おはようございます。後藤田でございます。ただいまから記者懇談会ということで、今も申し上げましたが、この度、令和6年度6月の補正予算の審議を、次の議会で議論をしていただくにあたり、県民の皆様に概略をご説明させていただきたいと思っております。この表で示しておりますとおり、予算額は「約10億円」の規模でございます。特に中身につきましては、能登半島地震を踏まえた、また今後の、私ども徳島の南海トラフ及び中央構造線活断層地震、そしてまた豪雨災害も含めた「防災、減災対策」がメインになっております。また加えて「経済成長への投資」「観光誘客の推進」「DX推進」など未来への投資、「未来に引き継げる徳島」の実現に向けた予算を計上させていただいております。10億円に加えて、債務負担行為を含む予算規模は、プラス8億円の「18億円」ということになっております。主な事業の概要でございますが、いつものとおり「安心度アップ」「魅力度アップ」「透明度アップ」の3つの柱に沿ってご説明いたします。まず、「安心度アップ」でございますが、いわゆる「耐震化」につきまして、我が県の耐震化率があまり芳しくないという状況を踏まえて、木造住宅の耐震化を加速化するために、市町村の皆様と協調いたしまして、全国トップクラスとなる耐震化補助金の上限額を、令和6年度から8年度の3年間、200万円に引き上げることによって、耐震化を促進していくという政策でございます。なお、高齢者世帯に対しましては、「利子補給制度」を創設させていただきます。これは、耐震改修費用に対しての住宅や土地を担保にした「リバースモーゲージ」への利子補給といった制度でございます。これを創設させていただきます。これにより、耐震改修を強力に推進することで、安心度を高めていくという施策でございます。次に、インフラ施設の強靭化。防災、減災においては「強靭化」と「レジリエンス」、すなわち事前に強化するということと、「回復力」、これが大きく分けて重要なテーマでございます。これも、緊急避難路の安全性の確保、また津波による船舶流出による二次被害を防ぐため、「通行途絶危険箇所」の調査をさせていただいて、復旧に要する「資機材の調達や備蓄に関する計画」の見直し、そして、安全な水域または係留施設に船舶を移設できるよう「候補地の調査」、または「移設計画の策定」により、大規模災害を迎え撃つ「県土強靭化」を進めてまいりたいと思っております。県庁の前のケンチョピアにしても、やはり被災を経験された方々からすれば驚かれますね、皆さん。この船やヨットが凶器になりますよね、津波の時には、二次被害。こういったところを全県的に調査すること、そしてまた移設も含めた安全対策、やはりこれをやらなければ不作為となりますので、それを進めてまいりたいと思います。加えまして、この度の能登半島地震、また今までの地震も含め、そしてまた海外、台湾の花蓮県、またイタリアのいわゆる「TKB48」、移動式のトイレやキッチン、ベッドの48時間以内の整備。これと比べると、日本は「避難所QOL」がまだまだ進んでおらないということで、最大限「避難所QOL」を向上させる上で、特に屋内テント等の備蓄品の拡充、さらには今申し上げましたTKB、トイレ、キッチン、ベッドのうちのトイレ、市町村を広域的に補完する「トイレカー」の導入も考えていきたいと思っております。同時に、市町村支援として、通信手段の確保も避難所生活でのQOLに欠かせないものでございますし、被災した時の情報収集にも有効に機能する「スターリンク」の導入も、市町村の緊防債も含めた配備、整備の支援をしてまいりたいと思っております。そのほかにも、住民参加型の避難所運営の訓練、また「防災井戸登録制度」の創設。これは、断水対策に対して、井戸というものがどこにあるのか。そしてまた井戸はご承知のとおり、普段からメンテナンスしてなければ、急には使えません。また、透析も含めた医療面でも、水というのは大変重要でございます。こういったところの、まず登録、そしてまた所在の確認、そしてまたその運営、こういったことをやっていく。まとめますと、通信途絶、また避難所運営、断水対策を市町村の皆さんと一緒になって、全県下で防災、減災の対策を補正予算で加速してまいりたいと思っております。加えまして、災害派遣医療チームの強化でございます。これは能登半島地震に、県における多くの関係者が現地に行っていただいております。その経験も踏まえながら、また同時に関西広域連合での審議等でも、私ども徳島県が医療関係の責任者でございます。私も質疑で何回か答弁させていただきました。やはり改めて、命の72時間という中で、発災時にいち早く駆けつける「徳島ローカルDMAT」を創設させていただきたいと思います。加えて災害派遣の精神医療チーム、いわゆる「DPAT」につきましても、先遣隊の増設をさせていただきたいと思います。既にDMATの経験者はおられますし、日々訓練もされておりますが、今後被害規模等も想定する中、また同時に、全国、世界でも活躍できるような部隊を、我が県として「徳島ローカルDMAT」の創設、そして「DPAT」先遣隊の増設を目指してまいりたいと思います。災害、防災、減災については以上でありますが、続きまして「安心度アップ」で言いますと、不登校児童生徒への支援も計上させていただいております。不登校児童生徒は、ご承知のとおり、なかなか減少しない、むしろ増加傾向にある。こういう中で、改めて児童生徒の学習状況、また保護者の支援ニーズ等を把握するための「実態調査」、そしてその中で、「常勤のスクールソーシャルワーカー」による訪問支援、また「オンライン学習」による学習機会の保障、そしてまた「保護者相談会」の開催などに取り組んでいくべく、ハード、ソフトを整えてまいりたいと思います。続きまして、「魅力度(アップ)」に移りますが、これにつきましてはかねてから申し上げておりますが、「バッテリーバレイ構想」の実現に向けまして、県内企業の新たなポテンシャルの発掘、また事業拡大に向けた「業界セミナー」を開催させていただきたいと思います。同時に、県外企業への積極的な「誘致活動」を実施していきたいと思っております。これは、工場の新増設等を支援する最大30億円の補助制度を創設させていただいて、既存の県内企業の更なる設備投資、また県外からの誘致、また設備投資に対して野心的に支援をさせていただいて、蓄電池関連事業者が集積する「バッテリーバレイ」の産業構造の構築を目指して雇用の創出、また県民所得の向上を図ってまいりたいと思います。加えまして、持続的な賃上げ機運の醸成、これにも県独自の上乗せ助成をしていきたいと思います。日本全体として賃金がなかなか上がらない中、その後押しをする上でも、国がILOを通じて、厚生労働省が労働政策また賃金労働安全を担当されていますが、やはり我々地方自治体、都道府県としても積極的に関与していきたいと思います。それはやはり事業場内の最低賃金の引上げが急務だと思っております。そこで国の「業務改善助成金」というものがございますが、それに上乗せして県独自で助成制度をしていきたいと思っております。「労働局と連携した説明会」の開催、そしてまた積極的な助成金の周知と併せて「助成金の申請事務の代行費用の支援」によって賃上げ機運の醸成を図ってまいりたいと思います。これからは人口減少、少子化、最近さまざまな指標が出ておりますが、やはり地方創生戦国時代においては、人材確保が何よりも大事であります。我が県においても、各分野において、先々10年後の人口動態を勘案した上で、今何をしなければいけないのか、この1、2年が勝負でございます。残念ながら、最低賃金は先進国で一番低い状況である。また我が県においては、全国で下から2番目に低い。こういう状況では、「徳島は賃金が低い県だ」という印象を与えてしまう。ただ実態は、1人当たり県民所得は全国で9番目に高いわけでございます。つまりその格差、また産業間、または規模別で賃金格差があるという実態を把握する中で、中小企業の皆様、また小規模事業者の皆様の生産性向上、例えばIT補助金、またはDXについて、こういったことに我々は引き続きしっかり支援を、国の制度と併せて、今申し上げたようなことも含めて支援をしてまいりたいと思いますが、やはりそういった我が県に対するレピテーション、いわゆる評判、評価、こういったものは、労使ともに危機感を持って環境を改善していくべきだと思っておりますので、理解を深めてまいりたいと思います。続きまして、宿泊施設の誘致促進でございます。これは観光誘客の推進ということで、かねてから我々もインバウンド、そしてまた、さまざまなルート開設について、今動いておりますが、その中でも観光客が増えた場合の受け皿としての宿泊施設が、徳島の場合はまだまだ足りないとこういうこともございますので、県内外の事業者、またデベロッパーの皆様のニーズに応じた戦略的なホテル誘致活動に取り組む中で、新たに「高級ホテル」の新増設をする事業者に対しては、「最大10億円の補助制度」創設を行うということを提案させていただくことになりました。今年で徳島羽田線開設60周年だとか、徳島福岡線開設30周年だとか、さまざまなイベントもございますので、そういったことも契機に既存路線の強化、そしてまた新規路線の拡充、動線の拡充、こういったことも併せてやっていきたいと思っております。次に「透明度アップ」につきましてでございますが、これについても何点かポイントを申し上げさせていただきます。これは万代庁舎の「無線LAN」の完全整備と、こういったことをしていきたいと思っております。あと同時に、県政の情報発信、また県のPRに対しても、紙媒体のみならずDX、またいわゆる「デジタルサイネージ」も含めた発信もしていきたいと思っております。そして次に、医療体制の強化ということで、お医者さん同士の連携体制の構築ということで、昨今、先般も皆様方も取材もしていただいたように、徳島県は人口当たりの医師数が多いと言いながらも、実は高齢化が非常に進んでいるし、ここ数年に比べてどうかというよりも、これから5年、10年先どう減っていくかというのは、徳島に残ってくれている研修医の数を見ると容易に想定できます。そういった中で、我々は非常に危機感を感じております。そういう中でも、現場で頑張っている、特に南部、西部の医師の偏在、また医師不足で頑張っている方々の環境をしっかりと整えていかなければ、その方々が辞めてしまう、立ち去ってしまう、こうなると悪循環になりますから、改めて、県西部、南部の医療体制を確認する中で、特に、遠隔支援する体制を構築したい。専門医が他病院で救急対応にあたる医師を遠隔支援する体制を構築するために、県内の主要な救急病院に、「医療情報連携アプリ」を導入させていただきたいと思います。そのためには、各病院の「医療用画像管理システム」と連携するシステム改修が必要になってまいります。これをしっかりと導入、改修することによって、病院の垣根を超えた相談体制を構築し、若手の医師や、また医師不足の地域で頑張られている現場の医師をしっかりと支援していく、守っていくという体制を整えてまいりたいと思っております。ポイントはそんなところでありますが、その他各事業の詳細につきましては、事前に財政課から皆様方に説明させていただいているというふうに聞いておりますので、私からは今日はポイントについてご説明をさせていただきました。今後、これをもとに県議会の皆様としっかり議論していく、またその議論の過程を県民の皆様にお伝えいただきたいなと思っております。以上です。

令和6年度6月補正予算案の概要について(質疑)

(幹事社・四国放送)
ありがとうございます。幹事社から質問いたします。四国放送です。6月補正予算の細かな点はいろいろまた議会を通じてだと思うんですけども、それに対して意気込みといいますか、県民にこういうふうにしていきたいというメッセージをお伝えいただけますか。

(知事)
前議会では、今年度の令和6年度(当初)予算を編成したばかりでございますので、そのすぐ後の議会で大きな予算というのは、これはなかなか整合性がないとは思います。ただ、先ほども申し上げましたが、能登半島地震を踏まえた防災、減災、これを新たに強化しなければいけないという思いに至ったということが大きいと思います。そしてさらには「魅力度アップ」につきましても、これはやはり相手がいる話なんですね。バッテリーバレイにつきましても、観光の誘客や新規路線も含め、これは機動的にやらなければ、私どものペースには合わせてくれません。ですので、機動的に私どもが動ける、相手のさまざまな、交渉先の変化にも対応できる体制というものは必要だなと思っておりますので、引き続きワンチームで結果を出せるようにしていきたいと思っております。

(幹事社・朝日新聞社)
すみません、幹事社朝日新聞です。ちょっと細かなことで恐縮ですが、万博のチケットが債務負担行為なんですけれども、大阪とかでは各市町村長の中に反対の意見があったりするんですよね。それは事故が起こったからということで。債務負担行為だから来年のことなんでしょうけど、基本的には強制というわけじゃなく、各学校の単位で考えていく。

(知事)
万博についての、子どもたちの修学を含めた対応をどうするかというのはおっしゃるとおり、国の政策もまだ定まっていない、都道府県によってもバラバラ、市町村においてもバラバラ。ご承知のとおり、都道府県は高校を担当しますよね。義務教育は市町村。先般も私どもの市町村長さんたちとの議論の中で、また万博の準備委員会の中でも、高校や中学校小学校の校長先生からの意見もいろいろいただいております。我が県としては、まずは毎年やっている修学旅行に対して、今回チケット代の支援をしていくという立て付けにはしております。ただ、いろんな県ではバス代を支援するとか、支援の割合だとか、こういったものもさまざまであります。そういう中で、先般四国知事会の時に吉村大阪府知事が来られまして、万博の機運醸成、関西や大阪から遠いところと、我々のように近い、特に四国の中では我々が一番近い徳島県ですが、なかなか温度差がある中で、やはり四国の窓口である私ども徳島や四国みんなで盛り上がっていきましょうという話をしていたんですが、その時に内閣官房からも説明がございました。今回、万博を通じて子どもたち、もしくは地域社会も含めた国際化に向けての支援、補助金というメニューも実はあるんですね。これはまた財政課から、一昨日のやつね、3本柱でそういう紹介を受けました。あと、デジタル田園都市の交付金もうまく使った万博への参加みたいな補助金制度もありました。それはそれでいいんだけれども、私から手を挙げて質問したんですが、やはりこれは国策としてやるのであれば、国として、文科省として、当然国がバス代やチケット代はタダにすべきじゃないかという話をさせていただいたところでございます。これはぜひ全国ニュースにしていただきたいなと。徳島県知事が「これは国がやるべきだ」ということで。ただ、そうは言っても、それをやらなければ、さっき言ったように私どもとしては、相応の準備はさせていただいております。あとは四国ブロック、また近畿、また関西広域の中で、住んでいる場所によって、何か差があるとか、違いがあるというのは、なるべく無いようにしたいなと思っています。

(読売新聞社)
読売新聞です。こどもまんなかの関連で、この前人口動態調査が出て、出生率と出生数が低いというのがあったんですけれども、その受け止めと、今後どういう対策が必要かというのを改めてよろしくお願いします。

(知事)
この前の少子化、そしてまた出生率のデータ、これは毎年毎年こういうことで現実を突きつけられますが、我々としては「こども未来基金」というものを創設させていただいて、今も基金を地道に蓄積しております。これも県議会の先生方ともいろいろ議論しながら、やはりこの数年が勝負だと、私が申し上げているとおり、こういった基金もちゃんと機動的に使っていく時期なんじゃないかなと思っています。大体、行政だと基金を貯めて神棚に飾っているというだけじゃだめだと私は思っていますので、これは機動的に必要なものは使っていくべきだと思っております。最近では日亜化学さんをはじめ、また医療福祉事業者の方々が出産に対して、また育児に対して、独自に支援制度をお作りになられたという報道がされておりますとおり、それは大きな会社とか企業はできるかもしれませんが、中小企業さん、また小規模事業者さんは難しい。こういったところも、そういったやる気のあるところと協力できることはないかといったことも考えていきたいと思います。ただ、ご承知のとおり、ここ20年以上にわたって少子化対策を日本や政府は打ってきたけど、なかなか結果が出ませんよね。何なんだろうなと。これは世界的にもそうですね。先般韓国のチェジュの知事にお招きをいただいて、「チェジュフォーラム」という歴史ある会にお招きいただきましたが、韓国は0.7を切るという状況でございます。もちろん少子化対策をやっておりますが、その流れの中でも、一人当たりの生産性を高める努力は同時にしていかなくてはいけないと思っております。今回私ども「経済産業部」というものを作って、そこで「バッテリーバレイ」という重たい産業の集積の話から、スタートアップから、そしてまた中小企業の「M&A」の促進、並びに先ほど申し上げました、賃上げを伴う場合の生産性向上の支援も行っているわけでございますが、従業員が少ない小規模事業者さんは、それはそれで頑張っておられますが、大きな会社と違うのは休めないんですよね。産休で休めない、または育休で休めない、そして子どもが病気になった時に迎えに行きづらい。こういった環境というものは、地方もしくはそういった事業体、小さい会社ほどそうなっていますよね。ですから、そういったところに何か支援をさせていただくことも、今後現場と知恵を出していく必要があると思います。

(日経新聞社)
日経です。聞き逃していたりすると恐縮なんですけれども、かつ不勉強ですみません。タイとの「MOU」、ここを確認したいんですけれども、県として、経済分野を中心とした覚書、基本合意ということだと思うんですけれども、これはいつ結んで、県として同様の合意書、覚書を結んでいるところが他の国であるのか、かつタイにおいては、特にここが違うというような点などがありましたら教えていただけますか。

(知事)
かなり技術的な細かい話になるので、これ事前にレクしていないとしたら、私から概略申し上げます。「MOU」、すなわち「覚書」、「Memorandum of Understanding」というやつですけれども、これは義務を伴わないお約束みたいなのを「MOU」、「覚書」というふうに、一般的には使われます。その中で、今私どもは、私どもというよりは、今世界的に「MOU」という言葉がいろんなところで聞こえてきます。まずは、一緒にやろうよと。そういった「MOU」は「流行り」と言ってもいいぐらいだと思います。何かあるとMOUを結びましょうみたいな話になるんですよね。正式契約の前にとか。タイについては、ご承知のとおり、外交というのはもう1日にしてならず。1、2回行って仲良くなってとか、1、2回行って何か投資が決まるとか、路線が決まるなんて、そんな甘いものじゃありませんよね。皆さん、ちょっと勘違いしている人たちもいるけれども、何度も行かなきゃいけない。今、いわゆる「アジアのへそ」であるタイを、就任以来、私も行っておりますが、同時に、タイだけじゃなくて周辺のバングラディッシュ、ベトナム、そしてカンボジア、こういったところも当然視野に入れていますし、またインドネシア、マレーシアももちろんであります。それを一つ一つやっていかなきゃいけない。先般チェジュの知事にお招きいただいた時にも、まさにそれが議論になったんですが、世界的にもそうです。やはり地方自治体が外交をやる時代だと。地方外交、いわゆる「インターナショナル」から「インターローカル」の時代になっていますよねと。国が何か不安定なことになった場合に、やはり草の根だとか、地方がしっかりと仲良くしていくことが必要だと。同時に、経済もローカル同士でもっと行き来を、人、物、金が行き来することが大事だと。こういう議論をしていたところであります。そんな中で、かねてからタイとの話は進めておりまして、これも先方がいるもんですから、守秘義務も含めてございます。ただ、立場として言えるのは、どことどうやっているというのは守秘性があります。ですから、タイの政府機関とさまざまな形で準備をさせていただいている。ファクトとしては、例えば、他の県は「ジャパンデスク」という、タイの省の日本担当のデスクに、3つの自治体から人が派遣されております。こういったところが核となって、日本の地方都市とタイの地方都市を結ぶということをやっているんですね。私は政府機関のみならず、現場の対象となるであろうプーケットの知事、そしてまたちょっと北に行ったトランの知事とも先般会ってまいりました。トランは私どもの人口に非常に似ているけれども、プーケットほどまだまだ開発はされておりません。ただ、今年中に国内航空のみならず、国際空港が完成する予定であります。前のチュアンさんという総理大臣もそこの出身でございまして、チュアンファミリーと私もお話をさせていただき非常に歓待を受けたわけでございますが、そういったところともちゃんと窓口を持ちつつ、国、政府のお墨付きをいただいて進めていくという考え方です。ご承知のとおり、世界の国は中央集権がきついところと、地方分権が行き渡っているところとさまざまありますから、我々が同じ交渉するのも国によって違います。さっき言ったチェジュ島というのは、歴史的にわかるとおり、「四・三事件」という非常に悲しい事件で、政府から迫害された地域、その中で地方分権が非常に進み、いわゆる「チェジュ特別自治道」という、北海道と沖縄が一緒になったぐらいの権限というか、独立心というか、地方分権が進んだところです。ただ一方で、タイの場合は、中央集権がまだ強いという印象です。ですので、そこは相手のこともあるし、またこれは競争でありますから、この辺にさせていただきたいと思います。

(徳島新聞社)
徳島新聞です。防災の点で2点質問がございます。まず、大規模災害を迎え撃つ、「河川・港湾・漁港水域強靱化事業」なんですが、こちらの方は、津波による船舶等の二次被害を防ぐために船舶の移動計画の策定などを行うということなんですが、例えば、想定されているのは、ケンチョピアのヨットを移動させて、かちどき橋などの崩落を防ぐということが考えられるかと思うんですが、それと併せて、これからスーパーヨットを誘致していくということと加えて、ヨットの移設とそういったものを絡めていくという考えはございますでしょうか。

(知事)
そこはですね、スーパーヨットのニーズや規模とか場所と、今あるケンチョピアや県庁前のヨットとはまた全然違うと思っています。おっしゃるように、確かにケンチョピア前のヨットというのは、風景としては、全国を見ても唯一無二だと思いますが、最悪の事態で津波が来た場合に、今係留されているヨットは凶器になります。これが車に刺さり、そして建物に刺さり、人に刺さる。この可能性が極めて高いということは、東日本大震災を経験したさまざまな関係者から伺っておりまして、私も非常に背筋が寒くなる思いでございます。故に、県民の安全、安心のみならず、所有者の安全も守る必要があると思います。所有者が加害者になってしまう可能性がございますし、また私どもも不作為になってしまうということでございます。そして同時に、例えばかちどき橋が、今あるヨットでせき止められて、そして水が流れず、そしてかちどき橋が崩落した場合に、南北の動脈が断たれる。こうなると、道路啓開どころか大変な事態になりますので、今まで計画されている万代橋も含めた検討を進めているところでございます。

(徳島新聞)
ありがとうございます。もう一つなんですが、「避難所QOL」の話題でして、何度かワーキンググループを聞かせていただいているんですが、やっぱり避難所運営には女性が必要だと。女性の視点がなければ、プライバシーも安全を守れないというふうなお話がたくさんありました。そういった観点でいうと、例えば「徳島ローカルDMAT」や「DPAT」先遣隊にも、やっぱり女性がたくさん入るということが大切なのではないかと思うんですが、ご見解を教えてください。

(知事)
会議の中で、女性目線が大事だという意見が出ていることは非常にいいことだし、大歓迎でありますので、やはり男性にない生理的現象に対して寄り添えるという体制は当然のことであろうと思っています。いわゆる「災害ダイバーシティ」というか、そういう考え方。DMAT、DPATの職員さん、また保健師さんというのは、女性の比率も高いですし、看護師さんも女性の比率が高いということで、経験値を積んでいる方もたくさんおられます。今年の9月8日に、これも皆さんぜひ発信していただきたいんですが、「メディカルラリー」というのを開催する予定になっております。これは心肺蘇生とかAEDとかの使い方を、子どもたちに競わせながら学んでもらうという大会です。これは岡山や香川、ほかの県ではもう既に取り組まれております。もちろん主催が自治体であったり、病院のグループであったりするわけでありますが、そこもまさにDMATで活躍している方々が今回NPOを作っていただいて、今回のメディカルラリーの運営もしていただくように聞いております。先般私も出張中に、国境なき医師団の日本の会長の中嶋優子先生に久しぶりにお会いしまして、彼女もアメリカのDMATの最先端の病院で知見を積まれているということで、タイミングが合えば徳島にも来ていただくよう、お願いをしているところでございますので、今おっしゃる多様性、ジェンダー、ダイバーシティの目線は、引き続き防災、減災にしっかり組み込んでいくことは大事だと思っています。

(日経新聞社)
予算本体ではではないけど議会に関してっていうのはありですか。

(幹事社・四国放送)
どうですか。

(日経新聞社)
ホールについて。お金の話ではないんですけども。今回の議会で6月いっぱいの報告などもあるかと思いますが、決して議会軽視の質問ではない。現状お話いただける範囲で知事としてのお考えを。

(知事)
私からは、何事も「急いては事を仕損じる」という言葉がございます。ですので、関係者に丁寧にご説明をしながら、目標はみんな一緒であります。できるだけ早く、確実に、そして良いものを作るという目標は、みんな同じだと思っておりますので、それに向けてステークホルダー、県民、市民、関係者に、今後も丁寧にご説明をしていきたいと思っております。

(幹事社・四国放送)
では終わります。

(知事)
どうもありがとうございました。

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