5-ALAに関する研究論文発表のお知らせ~5-ALA / SFCが2型糖尿病を予防する可能性について~ [SBIホールディングス]

2023/02/24  SBIホールディングス 株式会社 

5-ALAに関する研究論文発表のお知らせ
~5-ALA / SFCが2型糖尿病を予防する可能性について~

2023年2月24日
SBIホールディングス株式会社

当社(本社:東京都港区、代表取締役会長兼社長:北尾 吉孝)は、長寿先進国として牽引していくために社会への適用を見据えた「Health」分野研究を推進する慶應義塾大学SFC研究所「ヘルスサイエンス・ラボ」(代表者:渡辺 光博 慶應義塾大学政策・メディア研究科兼環境情報学部教授、坪田 一男 慶應義塾大学名誉教授)と2017年に「慶應SBI ALA研究室」を共同で設立し、老化に伴う疾患の5-アミノレブリン酸(5-ALA)による改善作用に関する共同研究を進めています。

このたび、当社の連結子会社であるSBIアラプロモ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:竹崎 泰史)から5-アミノレブリン酸リン酸塩(※)およびクエン酸第一鉄ナトリウム(SFC)の提供を受け進めてきた研究において、「5-アミノレブリン酸とクエン酸第一鉄ナトリウムは筋肉と健全なミトコンドリアを維持することで2型糖尿病の症状を改善する」という表題の論文が米国The Obesity Societyのジャーナル「Obesity」(出版社 WILEY)に掲載されましたので、以下の通りお知らせいたします。

掲載誌 Obesity
表題 Sodium ferrous citrate and 5-aminolevulinic acid improve type 2 diabetes by maintaining muscle and mitochondrial health
(訳:5-アミノレブリン酸とクエン酸第一鉄ナトリウムは健全な筋肉とミトコンドリアを維持することで2型糖尿病の症状を改善する)
著者 渡辺 光博(慶應義塾大学政策・メディア研究科兼環境情報学部教授)
北村 奈穂(慶應義塾大学政策・メディア研究科)
概要 目的:ミトコンドリアの機能を向上させることは2型糖尿病への治療介入として有望な手法である。本研究では、ヒト個体において糖代謝異常を緩和することが示されている5-アミノレブリン酸リン酸塩(5-ALA)とクエン酸第一鉄ナトリウム(SFC)の肥満による代謝機能障害に対する予防効果を観察した。
方法:6週齢の雄のC57BL/6Jマウスに普通食、高脂肪食、5-ALA とSFCを添加した高脂肪食を15週間与えた。
結果:高脂肪食を摂取しているマウスに5-ALA とSFCを同時に投与したところ、筋肉量の減少が抑制され、筋力が向上し、肥満とインスリン抵抗性が軽減された。5-ALA とSFCの併用はミトコンドリアの形態異常を予防し、骨格筋へのグルコースの取り込みやミトコンドリアの酸化的リン酸化関連遺伝子の発現などを増加させ、高脂肪食摂取が引き起こす骨格筋トランスクリプトームへの悪影響を防いだ。更に、5-ALA とSFCは、ミトコンドリアへの負荷が高まる長期絶食時において、ミトコンドリアの酵素活性を増加させ保護的に働いた。また高脂肪食を与えられているマウスでは正常に機能しなくなるミトコンドリアのデオキシリボ核酸(DNA)の維持と抗酸化物質の転写活性を強めることで、ミトコンドリアDNAのコピー数の減少を防いだ。
結論:これらの結果は、5-ALA とSFCの摂取が骨格筋とミトコンドリアの健康状態を向上させることによって2型糖尿病の予防効果を発揮することを示唆するものであり、肥満による代謝異常を予防する有望な手法として応用できることが検証された。

本研究により、SFCと5-ALAを併用摂取することで、ミトコンドリア異常が抑制され、骨格筋の健康が促進されたため、2型糖尿病を予防する効果があることが示唆されました。この三年間のコロナ下において外出が控えられたこともあり、筋肉の低下が問題となっています。サルコペニアをはじめとする筋萎縮にはミトコンドリアの機能不全が関与しています。本研究は生活習慣病のみならず筋肉のミトコンドリアを改善することが示唆されており、筋関連疾患の予防の観点からも重要な知見であります。
今後も「慶應SBI ALA研究室」では、世界中の一人でも多くの健康に携われるよう、5-ALAの様々な可能性を追求してまいります。

なお、本プレスリリースは論文の紹介であって、5-ALAとSFCの2型糖尿病に対する有効性・安全性を裏付けたり、当社グループが取り扱う商品の購入・摂取を推奨するものではありません。

(※)5-アミノレブリン酸リン酸塩は、厚生労働省の「医薬品的後納効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト」に追加されています。医薬品成分ではございません。

【用語解説】
ミトコンドリア:体内で必要なエネルギーを作り出す細胞内小器官。機能不全は全身のあらゆる疾患に関与している。
インスリン抵抗性:2型糖尿病の症状であり、インスリン(食後の血糖値を下げるために膵臓から分泌されるホルモン)の効きが悪くなった状態。インスリンは骨格筋や肝臓に作用し組織内に糖を取り込ませる。
酸化的リン酸化:細胞内のエネルギー通貨であるATPを作り出す反応。ミトコンドリア内で起こる。
トランスクリプトーム:細胞内全ての転写産物(RNA)。本研究ではメッセンジャーRNAに絞って解析している。

以上

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