【銀座 蔦屋書店】大川心平の個展「乾いたパンと濡れた羽」を7月20日(土)より開催。上下左右に組みわせ可能な2枚のキャンバスで、時間の経過や多角的な視点を表現する。

2024/07/15  カルチュア・コンビニエンス・クラブ 株式会社 


「掘り起こされた目は語る」1788×1455 mm(M80号2連作、サイズ可変) / oil on canvas / 2024

銀座 蔦屋書店(東京都 中央区 GINZA SIX6F)では、アーティスト大川心平による個展「乾いたパンと濡れた羽」を、店内FOAM CONTEMPORARYにて2024年7月20日(土)~8月7日(水)の期間に開催します。
特集ページ|https://store.tsite.jp/ginza/event/art/41230-1558550626.html
概要
大川心平は、2009年に東京藝術大学大学院美術研究科油画を修了し、日本だけでなくアジア諸国で精力的に活動を続けるアーティストです。自身の記憶や日常風景の中で見出された誰かの痕跡、またそこから呼び起こされるイメージや画家として影響を受けた美術史の断片を組み合わせ、緻密で多層的な情景を描き出します。描かれるモチーフは、できる限り無意識下で選択することで、自らの発想を超えた作品へと昇華しています。
本展では、2枚1組のキャンバス作品シリーズの新作を発表します。2枚の上下左右を入れ替えても一つの作品として成立するよう構成されています。制作の過程で調和と混沌を繰り返しながら連結し、ひとつの作品として時間の経過やそれに伴う変容、多角的な視点を表現しています。


「去り行く人を呼び止める」803×1304 mm(F25号2連作、サイズ可変) / oil on canvas / 2024


「途切れた話が繁茂する」318×820 mm(F6号2連作、サイズ可変)/ oil on canvas / 2024

アーティストステートメント
「乾いたパンと濡れた羽」
窓外に見える倉庫の屋根で鳩が四羽休んでいる。鈍色の空の下、灰色の鳩もそれに溶け込むように羽を膨らませる。
焦げて乾いたトーストを食べながらその様子を眺めていると、いつかの黄色い日差しと籠った鳩の鳴き声が記憶の底から呼び起こされた。どこからか聴こえてくる三味線の場違いな音色。短い影を連れて歩く夏の道。鳩の姿は見えないがきっとどこかの電線やアンテナに留まって鳴いているのだろう。そこには過去に心を通わせた人々がいたが、今はもう会う術はない。子どもだった自分でさえも遠く霞む。
雨が降り出した。四羽いた鳩はいつの間にか一羽になっている。私が絵を描き続けているならば、この雨に濡れた羽を鮮明に思い出すときがくるだろう。
現在から過去に遡り、繰り返し思い起こす場所と出来事。生活の傍らにある美術史の断片や場末の壁や道端に落ちているものを画面に並置していく。
2020年から取り組んでいる二つのキャンバスが上下左右に移動する作品は、始めから組み合わさることを予定してはいないが、アトリエ内で画面同士が関連し合うことで、そのうちにもともとそれが決まっていたかのように制作は進行する。画面は最大で4つの構図を持ち、それぞれに見え方は変わる。中心となる作品の意味も同時に変化し、捉えたと思っていた一つの構図はもう一方の構図となったときには崩れてしまい、その都度均衡をとる必要がある。
現実を捉える煩雑さは一つの物事がそれ自体が変わらなくとも複数の顔を見せることに起因する。同じものを見ていてもそれと接する人、時間、場所によって意味が大きく変わる。いくつもの側面がある物事を一つの見方で捉えることは困難だ。また一つの見方をしている時には他の見方に気がつかない場合すらある。
二枚の画面を組み合わせ描くことは、近年ますます複雑になっていく現実を捉えることとどこか似ている。この世界を生きているのも筆を動かしているのも私だが、それがどこに向かっているのかはわからない。

大川心平
アーティストプロフィール



大川心平 / Okawa Shinpei

〈略歴〉
2007年 東京藝術大学美術科学部絵画科油画専攻卒業
2008年 トーキョーワンダーウォール2008(東京都現代美術館)
2009年 東京藝術大学大学院美術研究科油画修了
2011年 The 10 Masters(GALLERY GODO /ソウル・韓国)  
2014年 第6回絹谷幸二賞 候補
2016年 個展(SEED ART GALLERY、松社本店/鄭州・中国)
2016年 FACE2016(東郷青児記念損保ジャパン興亜美術館/新宿)
2017年 葵の会(銀座スルガ台画廊/銀座、以後毎年)
2017年 絵画の目展(みぞえ画廊/福岡)
2017年 第9回絹谷幸二賞 候補
2019年 山下裕二の隠し玉展(日本橋三越本店/日本橋)
2022年 個展(UCHIGO and SHIZIMI Gallery/神保町)
2022年 個展(京都岡崎 蔦屋書店/京都)
2022年 個展(NICHE GALLERY/銀座、’20,’18,’16,’15,’13,’11,’10)
2023年 第11回 前田寛治大賞展(日本橋高島屋/日本橋、倉吉博物館/鳥取)
2023年 個展(GALLERY GODO/ソウル・韓国、’21,’19,’17,’15,’13,’11)
2023年 大川心平展示(銀座 蔦屋書店)
2024年 個展(和田画廊/銀座)

〈パブリックコレクション〉
帝京大学、光州市立美術館(韓国)
販売について
展示作品は、会場にて7月20日(土)11:00より販売します。
※作品はプレセールスの状況により、会期開始前に販売が終了することがあります。
展示詳細
大川心平 個展「乾いたパンと濡れた羽」
会期|2024年7月20日(土)~8月7日(水)※終了日は変更になる場合があります。
時間|11:00~19:00 ※最終日は18時までとなります。
会場|FOAM CONTEMPORARY
※会期前日7月19日(金)18:30~20:00にオープンレセプションを開催します。予約不要、どなたでもご入場いただけます。
定休日|月曜日
入場|無料
主催|銀座 蔦屋書店
協力|和田画廊
お問い合わせ|03-3575-7755(営業時間内) / info.ginza@ccc.co.jp
特集ページ|https://store.tsite.jp/ginza/event/art/41230-1558550626.html
銀座 蔦屋書店
本を介してアートと日本文化と暮らしをつなぎ、「アートのある暮らし」を提案します。
住所|〒104-0061 東京都中央区銀座6-10-1 GINZA SIX 6F
電話番号|03-3575-7755
営業時間|店舗ホームページをご確認ください。
ホームページ| https://store.tsite.jp/ginza/
Facebook|https://www.facebook.com/GINZA.TSUTAYABOOKS/?ref=bookmarks
Twitter|https://twitter.com/GINZA_TSUTAYA
Instagram|https://www.instagram.com/ginza_tsutayabooks/

CCCアートラボ
CCCアートラボは、企画会社カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社の中で「アートがある生活」の提案をする企画集団です。わたしたちは「アートがある生活」の提案を通じて、アートを身近にし、誰かの人生をより幸せにすること、より良い社会をつくることに貢献したいと考えています。これまで行ってきた、店舗企画やアートメディア、商品開発やイベントプロデュースなど、長年の実業経験を通して培った知見をもとに、わたしたちだからできるアプローチで企画提案をします。
https://www.ccc-artlab.jp/

他の画像

関連業界