カナダの学術会議「CSTCC 2024」に出展、化学反応経路自動探索プログラム「GRRM」のプロモーションを展開

2024/05/22  HPCシステムズ 株式会社 

2024 年5月22日
HPC システムズ株式会社

HPCシステムズ、カナダの学術会議 「CSTCC 2024」に出展、 化学反応経路自動探索プログラム「GRRM」のプロモーションを展開

HPCシステムズ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 小野 鉄平、以下HPCシステムズ)は、2024 年7月22日~25日にカナダ ノバスコシア州のダルハウジー大学で開催される「CSTCC 2024」(Canadian Symposium on Theoretical and Computational Chemistry、以下「CSTCC 2024」)に出展し、当社がライセンス販売している化学反応経路自動探索プログラム「GRRM」のプロモーションを行います。

欧米をはじめとする世界市場への参入は、当社にとって最重要成長戦略の一つです。その前段として2023 年夏以降、様々な国際学術会議に出展し、各国のスーパーコンピューティングセンターとの関係構築・強化を進めております。この度の「CSTCC 2024」出展は、こうした海外展開を推進する施策の一環として実施するものです。

【「CSTCC 2024」における「GRRM」のプロモーション】

「CSTCC 2024」では、カナダにおける当社主力製品「GRRM」のユーザーリサーチに加え、カナダの計算機センターにGRRMの搭載を促すべくプロモーション活動を展開する計画です。

「GRRM」は、化学反応を網羅的に探索する先進的機能を備え、量子化学の高精度な計算をもとに未知の化合物発見をも可能とする計算化学ソフトウェアです。高度なアルゴリズムによる強力な化学反応探索機能から、「純国産の世界標準シミュレーションソフトウェア」を目指しています。

また、2020年7月から北海道大学大学院理学研究院および理化学研究所と共同で実施しました、スーパーコンピュータ「富岳」を活用した大規模化学反応経路探索の研究において大きな成果を挙げております。こうした富岳での実績を携え、中長期的にはカナダの計算機センターユーザーの同ソフトウェア利用促進と定着を図りつつ、ユーザーネットワークの拡大を実現してまいります。

◆ GRRMについて

製品概要:1つの分子情報から化学反応を網羅的に自動探索することを可能にする計算化学 プログラム。最新バージョンの製品名は「GRRM23」。

日本語サイトURL:https://www.hpc.co.jp/chem/software/grrm23/
英語サイトURL:https://global.hpc.co.jp/products/grrm23/

◆ GRRMと富岳の取り組みについて

実績概要:スーパーコンピュータ「富岳」の計算リソースを活用することにより,GRRM プログラムで93万個もの膨大な量の化学反応経路と120万個の異性体をわずか 50日間で探索。

海外記事URL:https://global.hpc.co.jp/news/news03/

【世界の化学反応速度論ソフトウェア市場規模、成長可能性】

化学反応速度論ソフトウェア市場は、化学反応の理解と最適化が産業界でますます重要視され、2032年までに13億米ドルに達すると予測されています。化学反応の研究は、医薬品、石油化学、材料科学などの産業プロセスにおいて重要な役割を果たしており、化学反応速度論ソフトウェアは、研究者やエンジニアが複雑な反応を予測、解析するための重要なツールとして位置づけられています。

市場の成長を支える要因には、化学プロセスの複雑化、医薬品開発における需要の増加、環境に配慮した化学プロセスの関心の高まりが挙げられます。特に、製薬業界では、化学反応速度論ソフトウェアが医薬品開発プロセスの効率化とコスト削減に重要な役割を果たすことが期待されています。

化学反応速度論ソフトウェア市場は多様な産業における化学反応のシミュレーションと分析のニーズに応えるため、急速に成長しており、データから学習して反応結果についてより正確な予測を可能にする人工知能(AI)と機械学習(ML)の応用技術の進歩によりさらなる拡大が見込まれます。

【参考情報:1つの化学反応が与える産業インパクト】

日本の化学者で、2010年にノーベル化学賞を受賞した鈴木章氏によって開発された鈴木カップリングは、芳香族化合物同士を結合させる重要な化学反応として、医薬品、農薬、有機電子材料などの幅広い分野の製造プロセスに広く利用され、1つの化学反応が与える産業インパクトとして数兆円規模とも言われています。この化学反応によって生み出されるビアリール構造を持つ化合物は、例えば血圧降下剤のロサルタン、野菜の殺菌剤ボスカリド、液晶テレビの液晶性化合物、有機EL材料などの製造に使われています。これらの化合物は私たちの日常生活に欠かせず、豊かな暮らしを支える重要な役割を果たしています。

【HPCシステムズの海外事業展開】

HPCシステムズは、科学技術計算やディープラーニング、AI向けスーパーコンピュータを最適に稼働させる「HPC-AI技術」、量子化学や分子動力学などの高度な「化学の知見」、スーパーコンピュータ 富岳にも搭載され広範な産業分野にて高評価を得ている「GRRM」を筆頭に多彩な「シミュレーションソフトウェア」を有しています。こうした固有の要素を掛け合わせることで、幅広い研究開発の現場に最も適した個別のシステムやサービスを提供しています。そして、HPCシステムズのシステムやサービスを活用することで、研究開発に係るコスト削減、期間短縮、困難な課題解決などが実現されます。

化学領域に強みを有するHPCシステムズのシステムやサービスは、国内市場のみならず、世界の巨大市場のニーズにも十分応え得るものです。欧米中心にソフトウェアを前面に押し出したプロモーション活動を継続的に展開し、HPCシステムズの知名度向上、ニーズの把握などを行い、本格的な海外事業展開へ向けた土台作りに取り組んでまいります。

なお、海外事業展開の詳細は、2024年8月公表の「中期経営計画 Vision2027」にてお知らせする予定です。

【「CSTCC 2024」について】

CSTCC(カナダ計算化学会議 Canadian Symposium on Theoretical and Computational

Chemistry)は、カナダ理論化学者協会(Canadian Association of Theoretical Chemists, CATC)が主催する2年に一度の主要イベントであり、カナダで最も大規模な理論および計算化学の学術会議です。理論化学および計算化学の最新の進歩や研究成果を発表する場として機能し、国内外の研究者が交流を深める機会を提供しています。また、新しい計算手法や理論的アプローチ、さらには化学反応や材料科学における応用についてのセッションが設けられており、参加者は最新の研究動向を学ぶことができます。

「CSTCC 2024」は、2024年7月22日から7月25日までノバスコシア州ハリファックスにあるダルハウジー大学で開催されます。会議の内容には、招待講演、プレナリー講演、賞の授与、ポスターセッションなどが予定されています。

◆ CSTCC 2024 ホームページ

URL:http://catc.ca/cstcc2024

※スポンサー欄に弊社のロゴが掲載されています。

HPCシステムズについて

HPCシステムズは、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)分野のニッチトップ企業です。 HPC事業では、科学技術計算用高性能コンピュータとシミュレーションソフトウェア販売、科学技術計算やディープラーニング(深層学習)環境を構築するシステムインテグレーションサービス、シミュレーションソフトウェアプログラムの並列化・高速化サービス、計算化学ソフトウェア、マテリアルズ・インフォマティクスのプログラム開発・販売、受託計算サービス・科学技術研究開発支援、創薬研究開発や素材・材料研究開発分野向けサイエンスクラウドサービスをワンストップで提供しています。

また、CTO事業では、顧客の用途、課題をヒアリングしながら、価格・性能・品質・高低温・防塵・防水・静電対策・過酷な環境に対する高耐久性など多種多様の対応が求められる、工場生産設備・製造装置・検査装置、制御機器や交通インフラ、自動運転、リテール店舗などのコントローラーとしての産業用コンピュータやエッジコンピュータの仕様提案から開発、生産、保守サポート、長期安定供給を実現しています。

社名 HPCシステムズ株式会社 https://www.hpc.co.jp/
所在地 東京都港区海岸3丁目9番15号 LOOP-X 8階
設立 2006年7月3日
資本金 2億3,014万円 (2024年3月31日時点)
代表者 代表取締役 小野 鉄平

プレスリリースに関するお問い合わせ
https://www.hpc.co.jp/contact/company_form/

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