土木工事に伴うCO2排出量の可視化プラットフォームを開発

2024/08/26  清水建設 株式会社 

土木工事に伴うCO2排出量の可視化プラットフォームを開発

~スコープ3を含めたCO2排出量を積算データから自動算出~

  • 土木

2024.08.26

清水建設株式会社
株式会社ゴーレム

清水建設(株)<東京都中央区、社長 井上和幸>と、CO2 データ分析システムの開発を手掛けるスタートアップ・(株)ゴーレム<東京都千代田区、代表取締役 野村大輔>は共同でこのほど、土木工事で発生するCO2 排出量を積算データから自動算出できるCO2 排出量可視化プラットフォーム「Civil-CO2 」を開発しました。このプラットフォームは、積算ソフトウェアと、両社が共同開発したCO2 排出量計算ツールを連携させたもので、土木分野では国内初のスコープ3を含めたCO2 可視化ソリューションです。

清水建設は今後、本プラットフォームの本格的な運用を開始し、土木工事の入札案件等において、スコープ3を含めたCO2 排出量の事前評価を踏まえた効果的なCO2 排出削減策の提案を行います。併せて、過去の工事案件にも本プラットフォームを適用して、道路、トンネル、橋梁、ダムといった土木工事の工種ごとにCO2 排出の主要因を分析・把握し、CO2 削減技術の現場適用を進めていきます。

2050年のカーボンニュートラル実現に向け、土木工事で生じるCO2 排出量の削減を進めていくためには、その前提としてCO2 排出量の正確な算出が不可欠な要素となります。一方、人力でCO2 排出量を算出するには、CO2 の排出源となる膨大な資機材の情報と、数百から数千に及ぶCO2 排出原単位 を照合する作業が必要となります。この作業には多大な労力がかかるうえ、ヒューマンエラーによる照合ミスが発生するリスクがありました。また、算定対象の活動量(労務・材料など)が建設事業者間で統一されておらず、同一工事でもCO2 排出量の算出結果に差異が生じるケースが散見されます。

「Civil-CO2 」によるCO2 排出量算出は、積算ソフトウェアで作成された積算データに基づくもので、積算ソフトウェアから積算データをプラットフォームに取り込み、ワンクリックするだけで自動算出を開始。工事に用いる資機材情報とそれらに付随するCO2 排出原単位を自動照合し、算出結果を活動別(スコープ別)、資機材別(主排出源別)にダッシュボード上に表示します。本プラットフォームにより、一連のCO2 排出量算出プロセスの自動化と標準化が可能になり、CO2 算出業務の大幅な省力化が図れます。

本プラットフォームによるCO2 排出量の計算方式は、国土交通省港湾局の「港湾工事における二酸化炭素排出量算定ガイドライン(発注段階編)」を参考にしたもので、港湾工事以外の他工種にも対応できる柔軟性を備えます。また、国土技術政策総合研究所が検討している「インフラ分野における建設時のGHG排出量算定マニュアル」が完成し、CO2 排出量の算出方法が統一化された際には、統一ルールに準拠したプラットフォームへの機能拡張も想定しています。

清水建設は、本プラットフォームを通じてCO2 排出量の可視化や低炭素・脱炭素施工を推進し、土木分野のカーボンニュートラル実現に貢献していく考えです。

  • ※CO2 排出原単位:本プラットフォームでは、IDEA(Inventory Database for Environmental Analysis)や3EID(Embodied Energy and Emission Intensity Data for Japan Using Input-Output Tables)を利用。

以上

≪参 考≫

土木工事CO2 排出量可視化プラットフォーム「Civil-CO2

「株式会社ゴーレム」会社概要

本社 東京都千代田区一番町15番地21 一番町コート7階
代表者 代表取締役 野村 大輔
設立 2022年1月
事業内容 ・建設DXプラットフォーム「GORLEM」および関連プロダクトの開発・運用
・サステナブル建築の実行支援
企業HP https://www.about.gorlem.com/

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