【社長会見】東海道新幹線 車両の外観検査システムの開発について

2024/05/22  東海旅客鉄道 株式会社 

2 0 2 4 年 5 月 2 2 日
東 海 旅 客 鉄 道 株 式 会 社

東海道新幹線 車両の外観検査システムの開発について

東海道新幹線では、全ての車両の外観や機能の検査を概ね 2 日以内の頻度で実施しており、中でも外観の検査は、社員が全長 400m の車両の屋根上と床下を徒歩で目視や計測器具を用いて実施しているため多くの労力を要しています(別紙1)。当社では、将来の労働力人口減少を見据え、業務改革の一環として、車両基地や駅に入るタイミングで車両の外観を自動で検査するシステムを開発しました。このシステムは「外観検査装置」と「パンタグラフすり板検査装置」から構成されています。本システム導入後は、人手による外観検査業務の多くを削減できる見込みであり、車両の外観を従来より高頻度に検査できるため、安全性が更に向上します。

1.外観検査装置(別紙2)

・車両基地の検査庫入口に車両全体を取り巻くようにカメラやセンサを配置し、約 10km/h で入庫する車体や床下機器等の外観を自動で撮影し、異常の有無を検知します。 これは、新幹線車両の外観全体を自動で検査する国内初の技術です。
・ボルトのわずかな緩みを精度良く検知する技術(特許出願済)など、本装置の解析プログラムは当社が独自に開発しました。

2.パンタグラフすり板検査装置(別紙3)

・駅の線路の真上に検査装置を設置し、駅に入る車両のパンタグラフすり板の形状を自動で計測します。
・70km/h で走行する新幹線車両のすり板を、自動で高精度に検査できる国内初の技術(特許出願済)を開発したことで、駅への設置が可能となりました。
・これにより、発着する全ての車両のすり板の状態や厚さ等を、少ない台数で高頻度に把握できます。

※すり板:パンタグラフの一部で、走行中に架線と摺れる部品。 摩耗するため、すり板の厚さが適正か検査が必要。

3.今後の予定

・2024 年度に外観検査装置は大井車両基地へ設置、パンタグラフすり板検査装置は品川駅へ設置し、営業車両での検証を進め、最適な仕様を検討していきます。その後、設置工事の期間を経て本格的な運用開始は 2029 年度頃を目指しています。

※ なお、外観検査装置は、株式会社 NTT データ東海(本社:愛知県名古屋市、代表取締役社長:坂野高士)と日本車輌製造株式会社(本社:愛知県名古屋市、代表取締役社長:田中守)の協力のもと開発しました。パンタグラフすり板検査装置は、株式会社日立製作所(本社:東京都千代田区、執行役社長兼CEO:小島啓二)の協力のもと開発しました。

公式ページ(続き・詳細)はこちら
https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000043589.pdf

他の画像

関連業界