業界最速の直進フィーダ「クロスドライブリニアフィーダ」と通信機能付パーツフィーダコントローラを開発2023年11月28日
- 業界最速!高速搬送と補助エア削減を両立した直進フィーダ
- 状態監視が可能でかつ多品種少量生産の運転条件に対応するコントローラ
NTN株式会社(以下、NTN)は、製造現場の加工設備に部品(ワーク)を供給する直進フィーダとして補助エアを削減しながら業界最速となる最大18m/分の高速搬送を実現した「クロスドライブリニアフィーダ」と、多数の運転条件の設定や運転状態の監視が可能な通信機能付パーツフィーダコントローラを開発しました。社会情勢の変化や技術革新により製造業のニーズが多様化する中、製造業の生産性向上や製造におけるカーボンニュートラルの実現に貢献してまいります。
パーツフィーダの市場ニーズ
生産年齢人口の減少やカーボンニュートラルを背景に、パーツフィーダには、部品の搬送速度の向上に加え、搬送を補助するエア量やそれに伴う消費電力削減が求められています。また、多品種少量生産のために、ひとつのパーツフィーダでさまざまなワークを搬送することが多くなっており、ワークに応じた多様な運転条件の設定を1台のコントローラで実現するニーズが高まっています。
(1)「クロスドライブリニアフィーダ」
「クロスドライブリニアフィーダ」
特長
1. 高速搬送 |
- 板ばねを水平方向と垂直方向に交差(クロス)させる独自設計により、高速搬送に必要となる高振幅かつ高周波数の振動を発生。
- ワーク搬送の阻害要因となるピッチング運動*1を打ち消す独自機構により、直進フィーダとして業界最速となる最大18m/分(従来品比3倍の高速化)の高速搬送を実現。
- 直進フィーダとして使用するエア量を従来品比で最大1/5*2に削減。
|
2. 低騒音 |
- 上述の独自設計により、従来品比で17%の静粛化を実現。
|
- 直進フィーダの入口と出口で振動が異なるためにワークがその場に留まったり、戻ったりしてしまう現象
- 使用条件による
用途
自動車関連部品や樹脂部品、医薬品などの搬送
(2)通信機能付パーツフィーダコントローラ
通信機能付パーツフィーダコントローラ
(左上:通信ユニット、右上:駆動ユニット、下:表示操作ユニット)
特長
1. 多品種少量生産に対応 |
- PCやPLC(プログラマブルロジックコントローラ)*3を用いた指令により運転条件を無制限に登録し、パーツフィーダを制御することが可能。
|
2. 状態監視が可能 |
- 運転時のモニタリングが可能。運転状態の変化をリアルタイムでより正確に捉えるとともに、データを蓄積することでタイムリーなメンテナンスが可能となり、突発的な設備の故障による生産停止を未然に防止。
|
* コントローラは、パーツフィーダに取り付けて直接制御する駆動ユニットと、加工設備の制御盤に取り付けて、駆動ユニットへの運転条件の指令やパーツフィーダの運転状態のデータを送信する通信ユニットで構成されています。また、パーツフィーダ付近で直接運転条件の設定が可能な表示操作ユニットもオプションとしてご用意しています。
- 設備などの制御を行う装置で、スイッチやセンサ、モータなど複数の入出力装置と接続が可能
用途
パーツフィーダの運転制御
なお、本開発品2点を11月29日~12月2日に東京ビッグサイトで開催される「2023国際ロボット展」に出展いたします。
ご参考
パーツフィーダについて
パーツフィーダは機械部品や電子部品などさまざまなワークを加工設備に供給する装置です。ワークを貯蔵するホッパと、ワークを整列するボウルフィーダ、それらのワークを加工設備に供給する直進フィーダで構成されます。
パーツフィーダ内部には板ばねと電磁石が設置されており、電磁石のON/OFFと板ばねの力で振動を発生させ、ワークを搬送します。
ボウルやシュート、ワークの大きさや重量、形状などにより、振動の周波数や振幅は異なります。コントローラは、電磁石をON/OFFするタイミングを調整し、最適な振動となるように制御します。
お問い合わせ先
NTNテクニカルサービス(株) 精機商品事業部 TEL:03-6713-3652