生活用品60品目の国内市場を調査

2024/12/05  株式会社 富士経済 

第24115号

生活用品60品目の国内市場を調査

― 2025年国内市場予測(2023年比) ―
■生活用品 2兆513億円(98.8%)
殺虫剤・忌避剤やシルバーケア用品などが伸びているが除菌・ウイルス対策用品が大幅縮小
●ペーパータオル・キッチンペーパー【クッキング用品】 376億円(109.3%)
ペーパータオル好調。ソフトパックや多様な紙質の展開でクッキング用途以外の対応も進む
●歯磨剤【オーラルケア用品】 1,001億円(104.8%)
2025年、国民皆歯科健診開始。参入企業の販促活発化

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 社長 菊地 弘幸 03-3241-3470)は、コロナ禍を経た外出機会増加、インバウンド需要回復の影響や、参入企業の価格改定、また、高機能・高単価商品の販売強化などで動きがみられる生活用品の国内市場を調査した。その結果を「トイレタリー&ライフスタイルグッズマーケティング要覧 2024-2025」にまとめた。

この調査では、ランドリー・ファブリックケア用品6品目、芳香・消臭剤2品目、清掃関連用品12品目、クッキング用品8品目、ヘルスケア用品3品目、殺虫剤・忌避剤3品目、除菌・ウイルス対策用品6品目、パーソナルケア用品6品目、ベビーケア用品3品目、シルバーケア用品2品目、フェムケア用品3品目、オーラルケア用品6品目の計60品目を対象に、生活用品の国内市場の現状を明らかにし、将来を展望した。

◆注目市場

●ペーパータオル・キッチンペーパー【クッキング用品】

キッチン周辺で広く使われるペーパータオルと、水や油切りなど調理用途に特化したキッチンペーパーを対象とする。

節約志向で自炊が増えているため、共に需要が増加している。また、衛生意識の高まりを背景に、手洗いや洗顔時のタオルやハンカチの代替としてペーパータオルが使用されている。参入企業の価格改定で単価が上がっていることもあり、2024年の市場は前年比6.1%増が見込まれる。

現状はペーパータオルとキッチンペーパーの割合は、9:1である。今後は、汎用性の高さを背景に、キッチンペーパーから調理用途以外でも使用されるペーパータオルへさらに需要がシフトするとみられる。ペーパータオルは使いやすいソフトパックや多様な紙質の展開などが進んでいるため、ペーパータオルの伸びによって2025年も市場は拡大するとみられる。

●歯磨剤【オーラルケア用品】

歯磨剤は、ペーストやジェル、粉末、錠剤の商品を対象とする。液体歯磨は対象外とする。

2024年は、コロナ禍の収束によるインバウンド需要の回復と、脱マスクや外出機会増加によるオーラルケア意識の向上で、市場は拡大している。歯周病ケアや虫歯ケアに加え、美白や知覚過敏、口臭ケアに対応した商品、また、複合訴求をはじめとした高機能・高単価商品が好調である。

2025年は、国民皆歯科健診の導入が予定され、参入各社の商品展開や啓発活動、情報発信が活発化するとみられ、市場は2023年比4.8%増の1,001億円が予測される。歯磨剤の使用率は既に高いため人口減少に伴って購入者の減少は避けられないが、単価上昇がカバーし、今後も市場拡大が続くとみられる。

●ディスポーザブルモップ【清掃関連用品】

2024年の市場は、ヘッド部分に消臭機能やブラックの色追加などを行ったリニューアル商品が販売され、また、上位メーカーは高付加価値商品の販促活動を進めており、前年比2.4%増の211億円が見込まれる。

拭き掃除が可能なロボット掃除機や、狭い場所でも使用可能なスティック型掃除機の普及による影響が懸念されるものの、参入各社は本体の簡便性向上や取り換え用商品のカラーバリエーション強化、また、高機能・高単価商品の販促に注力していることから、引き続き市場拡大が予想される。また、機能性向上などを背景に、住居用クリーナーやディスポーザブルクリーナーからモップへと需要がシフトしているため、2025年の市場は2023年比3.9%増が予測される。

●大人用紙おむつ【シルバーケア用品】

2024年は、高吸収タイプの高単価商品が好調であることや価格改定で単価が上昇したことにより、市場は拡大している。

アクティブシニアは軽失禁パッド・ライナーを使用するケースもみられるが、高齢者人口の増加、また、健康寿命の延伸などを背景に、介護環境が病院や介護施設から在宅介護へ移行するため、市販用の需要が高まることから、市場拡大が予想される。

◆調査結果の概要

■生活用品の国内市場

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