福島の今を知って欲しい、登壇者から熱いメッセージを発信! ラジエーションカレッジ各部門優秀賞受賞者も表彰

2024/03/01  ぐぐるプロジェクト事務局 

環境省 ぐぐるプロジェクトフォーラムを福島市で開催

環境省が進めている放射線の健康影響に関する情報発信を展開する“ぐぐるプロジェクト”は、今年度の活動のまとめにあたる「ぐぐるプロジェクトフォーラム」を2月29日(木)にとうほうみんなの文化センター(福島県福島市)で開催しました。


 フォーラムの第1部ではラジエーションカレッジ公募のプレゼン部門、プレゼン部門フリースタイル、グラフィックアーツ部門、ショート動画部門、ドラマ企画部門の各部門の優秀賞の表彰式が行われました。今年度も全国から32点の応募があり、総勢54名が参加しました。厳正な審査の結果、優秀賞が決定し、プレゼン部門は該当なし、プレゼン部門フリースタイルでは高橋彩乃さん(会社員)、グラフィックアーツ部門では山本悠生さん(東北福祉大学)、ドラマ企画部門では安藤未菜美さん(慶應義塾大学)、ショート動画部門では武木田樹さん、今井那々羽さん、吉野潤さん、北田直也さん(ビジュアルアーツ専門学校)のグループ作品が受賞しました。なかでも、高橋彩乃さんは令和3年度、令和4年度に続いて3年連続の入賞を果たしました(昨年度までは大学生で受賞)。
今年度の作品の傾向について、すべての部門を審査した福島県立医科大学の坪倉正治主任教授は「時の流れを感じたとともに、もう一度当時のことを振り返って伝えていくことが大切であることに気づいた。情報発信は諸刃の剣となってしまうこともあるが、正しい情報を持った人の視点が今後いろんなところで活かされると思う」と感想を述べました。
<優秀賞受賞者>
◆プレゼン部門        該当なし 
◆プレゼン部門フリースタイル 高橋彩乃さん(会社員)
◆グラフィックアーツ部門   山本悠生さん(東北福祉大学)
◆ショート動画部門      武木田樹さん(ビジュアルアーツ専門学校)
◆ドラマ企画部門       安藤未菜美さん(慶應義塾大学)


続いて第2部では「ぐぐるプロジェクトの在り方を考える」をテーマにしたディスカッションが行われました。ディスカッションには大阪大学の大竹文雄特任教授、福島県立医科大学の坪倉正治主任教授、福島県観光物産交流協会の守岡文浩理事長、二本松市で農業を営む関元弘氏、福島県助産師協会の小谷寿美恵会長、環境省環境保健部の神ノ田昌博部長が登壇。初めに第1部で受賞した作品の内容について登壇者で感想を話したのち、「福島の今」について登壇者から報告がありました。福島県観光物産交流協会の守岡理事長は「震災後13年が経つが、ホープツーリズムを展開しており台湾の方も参加し てもらっている。福島の今の姿を見てもらって、さらに福島の農水畜産物を味わっていただくことで、少しでも福島のファンになっていただくことを目的に活動している。実際に来たからの報告が復興の後押しにもなっている」と最近の福島の観光事情について報告がありました。
また、有機農業を営む関氏からは「震災当時は風評により作った野菜が売れない時があり本当につらかった。検査をして安全性を話しても、話が通じない人がいることにショックを受けた。正しい情報をどのように伝えてくのか、大切であることは理解してもなかなか思い通りにはいかない」という報告がありました。さらに、福島県助産師会の小谷会長からは「震災後しばらくは母乳に放射能が検出されたことが報道され心配する相談が相次いだ。科学的な根拠で安全であることを伝えても、安心に結びつくとは限らない。現在はこのような相談はほとんどなくなったが、県外の人からは福島での生活を心配する相談が若干ではあるがまだある。正しい情報の発信の仕方が大切だと思う」と述べました。続いて、福島県立医科大学の坪倉准教授は「現在も県内の小中学校で放射線に関する授業を行っているが、以前は全員が震災や原発事故を知っていたため放射線について正しい知識を持ち、安全を守るという目的の共通認識があったが、現在はほとんどが震災・事故を知らない世代になり、なぜ放射線についての学習をするのかの話をすることから始まるので、本題までたどり着くのに時間がかかっている。もっといろんな人が当時のことを次の世代に話してもらいたい」と述べました。
これまで環境省では放射線の健康影響に関して毎年意識調査をしてきましたが、令和4年度に実施した調査では放射線の健康影響に関し誤解をしている人の割合が増える結果となりました。この原因を探るため、大阪大学の大竹文雄特任教授の研究室に協力をいただき、その調査結果が発表されました。大竹特任教授は「プロジェクトは正しい情報を知ることで誤解を解消するという目的でスタートし、約4割の人が健康影響の可能性は高いと回答したことから始まった。その後、UNSCEARの情報を掲示したが思うような効果は得られなかった。そこで環境省と私たちの研究室が効果的な情報提供の方法を共同研究することになり、情報提供の改善を図ってきた。その結果、表現の工夫や行動経済学の知見を入れた上で正しい情報を提供することで、健康影響の認識が変化することが分かった。さらに効果を高めるために情報発信の頻度を高めてみてはどうか」と調査結果の分析を解説しました。
まとめとして登壇者からは、「風評加害者とならないために私たち自身が何に影響されるのかを理解し、正しい情報を持っている仲間を増やし、関心を持ってもらうことが大切である。一遍には無理かもしれないが、漢方薬のようにじわじわとファンを広めていけたら」との意見があり、支援してくれる数の多さだけでなくその質も向上させることが大切であることでまとめました。
 これを受けて神ノ田昌博環境省環境保健部長は「3月からWebや動画、交通広告など集中的に広報活動を展開し、正しい知識や正しい情報を伝えていく努力を進めていく」ことを発表しました。

今年度のフォーラムの様子は3月中旬から「ぐぐるプロジェクト」の特設サイト内で公開予定です。

【令和5年度ぐぐるプロジェクトフォーラムの概要】
主  催:環境省
開催日時:令和6年2月29日(木)14:00~16:00
 会  場:とうほうみんなの文化センター 小ホール(福島県福島市春日町5-54)
 構  成:第1部 ラジエーションカレッジ公募課題作品コンテスト授賞式
      第2部 パネルディスカッション
登壇者:桂三四郎氏(落語家・司会)
大竹文雄氏(大阪大学感染症総合教育拠点 副拠点長・特任教授)
坪倉正治氏(福島県立医科大学放射線健康管理学講座 主任教授) 
守岡文浩氏(公益財団法人福島県観光物産交流協会 理事長)
関 元弘氏(ななくさ農園、有機農業)
小谷寿美恵氏(福島県助産師会 会長)
神ノ田昌博(環境省大臣官房環境保健部部長)
           (司会 佐藤慎子さん)
賞状を手に喜びを見せる受賞者たち


活発な議論が展開した第2部のディスカッション

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