2024年5月 社長定例会見の概要

2024/05/29  四国電力 株式会社 

2024年05月29日
四国電力株式会社

2024年5月 社長定例会見の概要

令和6年5月29日、長井社長が次期「エネルギー基本計画」の議論開始等について説明しました。

【次期エネルギー基本計画の議論開始】
今月から、国の中長期的なエネルギー政策の方向性を示す「エネルギー基本計画」の見直しに向けた議論が、国の審議会において開始されております。
改めて申すまでもなく、エネルギー政策は、国民の暮らしと我が国経済の根幹を支える重要な政策であり、その羅針盤であるエネルギー基本計画の見直しにあたっては、昨今のエネルギーを取り巻く国内外の情勢を踏まえた様々な論点について、丁寧な検討を行っていただく必要があると考えております。
エネルギー政策の前提となる、将来の電力需要については、人口減少による影響を受ける一方で、2050年カーボンニュートラルに向けた電化の進展に加え、データセンターや半導体工場の新増設などによって、我が国全体では、将来的に増加していく可能性が高いと考えられており、その前提で、必要な供給力の確保や最適な電源構成について考えていく必要があります。

他方、足元では、全国的に、原子力発電所の再稼働に時間を要していることや、採算性の悪化した火力発電所の休廃止が進んでいることなどによって、安定供給への懸念が顕在化しております。
私どもとしましては、このような中で、我が国が「エネルギーの安定供給と脱炭素、そして経済成長の同時実現」を目指すためには、エネルギー安全保障にも寄与し、脱炭素にもつながる原子力発電を最大限活用していくとともに、再生可能エネルギーの主力電源化に向けた様々な取り組みが、今後、より一層、重要になってくるものと考えております。

【再エネの最大限活用に向けた取り組み】
四国エリアの再エネ導入量は、2023年度末時点で、370万kWに達するなど、太陽光発電を中心に、着実に増加を続けております。
一方で、再エネ導入量が増加すると、電力需要が少ない春や秋の日中を中心に余剰電力が発生し、火力発電の出力抑制や他エリアへの送電などの対策を行っても、余剰電力を解消できない場合には、電力系統全体の安定を保つため、再エネの出力を制御せざるを得ない状況となります。
このような出力制御は、社会的コスト全体を抑制しつつ、再エネの導入を進める上で必要である一方、可能な限り制御量を低減し、再エネを最大限利用するために、様々な取り組みを進めていかなければなりません。
その一環として、当社では、お客さまの電気のご使用を、太陽光発電が増加する昼間の時間帯にシフトしていただくことで昼間の電力需要を増やす、いわゆる「上げDR」に取り組んでおり、このうち、ご家庭向けには、この春、「よんでんDRサービス 春トクキャンペーン」を実施したところ、約6万5千世帯のお客さまにご参加いただきました。ご協力いただいたお客さまには、この場をお借りして、心より御礼申し上げます。
当社では、お客さまの電気の使い方の変化につながる、このようなデマンドレスポンスの取り組みを、今後とも継続的に実施するとともに、昼間の電力需要拡大に資する料金メニューについても検討を加速させるなど、再エネを最大限利用するためのあらゆる対策に、全力で取り組んでまいる所存です。
また、自らも、再エネ電源の開発を積極的に推進するとともに、安全を大前提とした伊方発電所の最大限の活用および火力発電の一層の高効率化や水素・アンモニアの利用、CCSなど、新たな技術開発等にもしっかりと取り組み、「電力の安定供給と脱炭素化の両立」という難題に、果敢に挑戦してまいります。

【社長在任期間の振り返り】
先月の会見で申し上げたとおり、この5年間、本当に様々なことがございました。
伊方発電所の定期検査中に発生した連続トラブル、広島高裁による伊方3号機の運転差し止め、全国的な電力需給ひっ迫の発生、さらには、ロシアのウクライナ侵攻に起因する異次元の燃料価格高騰など、今思い返しても非常に厳しい舵取りの連続でした。

そうした中にあって、どのような時も、常に私の心の内にあったのは、四国地域の電力の安定供給を守らなければならないという使命感と、その要となる伊方発電所の安全・安定運転の確保に対する強い思いでした。
当社を取り巻く事業環境は、依然として先行き不透明であり、また、脱炭素社会の実現に向けた動きの加速など、今後、さらに大きな変化が見込まれております。しかし、時代が変わろうとも、「低廉で良質な電気を安定的にお届けすることで、地域の発展に貢献する」という当社が果たすべき基本的な使命は、決して変わることはありません。
新社長とともに、諸課題の対応に力を尽くし、引き続き、四国地域の発展に些かなりとも貢献してまいりたいと考えております。

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