デュピクセント(R)(デュピルマブ)、COPDを対象とした第III相試験の結果を米国胸部学会のレイトブレイキングセッションとThe New England Journal of Medicine誌に同時発表

2023/05/26  サノフィ 株式会社 

2023 年 5 月 26 日

デュピクセント(R)(デュピルマブ)、COPDを対象とした第III相試験の結果を
米国胸部学会のレイトブレイキングセッションとThe New England Journal of Medicine誌に同時発表


? デュピクセント(R)は、プラセボとの比較で中等症または重症のCOPDの急性増悪(呼吸器症状の急激な悪化)に対して有意な減少(30%)が認められた、最初で唯一の生物学的製剤となりました。

? デュピクセント(R)は、12週後と52週後の評価でCOPD患者の呼吸機能の有意の改善を認め、数値的な改善は2週後から認められた、最初で唯一の生物学的製剤となりました。

? デュピクセント(R)群は、治療開始後4週間でプラセボ群に対して、QOLスコアと呼吸症状の有意な改善が認められました。

? COPDは世界の死因の第3位を占める疾患ですが、約10年にわたり新規作用機序の治療薬が発売されておりません。今回の臨床試験では、2型炎症(好酸球数 300/μL以上)を呈する中等症~重症のCOPD患者を対象としました。

パリおよびニューヨーク州タリータウン、2023 年 5 月 21 日 ? 2 型炎症を呈し、標準治療である吸入薬の 3 剤併用投与を最大用量で用いてもコントロール不良の慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者を対象とするデュピクセント(R)(デュピルマブ)の第 III 相プラセボ対照試験の肯定的な結果が本日、2023 年米国胸部学会議(ATS 2023)のセッション "New England Journal of Medicine and JAMA. Discussion on the Edge: Reports of RecentlyPublished Pulmonary Research" (the New England Journal of Medicine 誌と JAMA - 最先端の知見を論じる:肺疾患における最新の研究報告)で発表され、New England Journal of Medicine (NEJM)誌に掲載されました。試験結果は、5 月 22 日の "Breaking News: Clinical Trial Results in Pulmonary Medicine" (ニュース速報:呼吸器内科領域の臨床試験結果)でも発表される予定です。

スーリャ・バット医師 (Surya Bhatt, M.D., MSPH)

アラバマ大学バーミンガム校 呼吸器・アレルギー・クリティカルケアメディシン部門准教授および共同試験責任医師

「私は、コントロール不良の COPD の患者さんが、新たな治療選択肢の登場が限られるなか、COPD の進行に伴う消耗性症状に長い間苦しんでおられる様子を目にしてきました。今回の試験は、デュピルマブが2型炎症を呈するコントロール不良の COPD の患者さんが苦しんでおられる、増悪の悪循環を断ち切り、呼吸器症状の有意の改善をもたらす可能性があることを示しました。また、デュピルマブの投与例では健康関連 QOLの有意差をもたらしており、これは、私の臨床医としての長年の経験からみて、患者さんにとっては呼吸が楽になることと同じほどの意義をもつ結果だといえます」

COPDは、肺に損傷が起こり、呼吸器の低下を進行させる、生命を脅かす呼吸器疾患です。COPDの症状には、長引く咳や息切れがあり、日常生活動作に制限が生じるだけではなく、不安やうつ病、睡眠障害を伴うこともあります。COPDはステロイドの全身投与が必要な急性増悪を繰り返し、入院治療や死に至ることもある疾患で、健康面・経済面ともに大きな負担となります。喫煙や有害な微粒子への曝露はCOPDの重要な危険因子ですが、禁煙をしていてもCOPDを発症したり、病状が持続することがあります。米国だけでも約30万人の患者さんが、2型炎症を呈するコントロール不良のCOPDに苦しんでいます。

本資料は、サノフィ(フランス・パリ)が 2023 年 5 月 21 日(現地時間)に発表したプレスリリースを日本語に翻訳・要約し、5 月 26 日に配信するものです。本資料の正式言語はフランス語・英語であり、その内容および解釈については両言語が優先します。日本で承認されている主な製品名および一般名についてはカタカナ表記をしています。

今回、ATS 2023とNEJMで結果を発表したBOREAS試験では、主要評価項目と全ての重要な副次評価項目を達成しました。試験では、参加者をデュピクセント(R)群(n=468)またはプラセボ群(n=471)に割り付け、標準治療である3種類の吸入薬の最大用量での治療に加えて、試験薬を投与し、次の結果が得られました。

? デュピクセント(R)群では、試験開始後52週間における中等症または重症の急性増悪の年間発現率(主要評価項目)が、プラセボ群にくらべ30%低下しました(p

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