1890年代後半から1930年代まで、主に輸出用として制作された和洋折衷の家具「横浜彫刻家具(横浜ファーニチャー)」、その歴史と横浜山手に住んだ日本人一家が使用した、揃いの家具をご紹介します。展示に際し、家具は横浜マイスターに認定されている家具職人内田勝人さん(蓮華草元町工房代表)の手によって修復され往時の姿が美しく甦りました。
横浜彫刻家具とは
寺社の建築物に精巧に施された彫刻を「宮彫り」といいます。
横浜彫刻家具は、宮彫りに使うような龍や松竹梅、鳳凰などの東洋的意匠を、椅子やテーブル、箪笥などにあしらった和洋折衷の家具です。輸出用であったため、
国内に残された横浜彫刻家具は多くはありません。作製された期間が短く、また国内に残されたものも、個人蔵であるものが多いこともあり、目にすることは極めて稀です。
今回のミニ展示は、揃いの横浜彫刻家具を見ることができる、貴重な機会です。
【ミニ展示「横浜彫刻家具~Yokohama furniture~」】
・日時 2021年3月16日 (火) ~ 2021年9月30日 (木)
・会場 横浜市歴史博物館常設展示室
・観覧料 常設展示室チケットが必要です
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https://www.rekihaku.city.yokohama.jp/taisyou/about_museum/guide/
横浜マイスター・内田勝人(うちだかつひと)さん
・昭和34年生まれ、東京都出身、横浜市南区在住
・昭和61年 株式会社竹中入社
・平成12年 横浜市優秀技能者表彰受賞
・平成16年 蓮華草元町工房(横浜市中区新山下)設立
・平成25年度 横浜マイスター選定 洋家具職(横浜家具)
〔蓮華草元町工房
https://www.rengeso.jp/〕
家具の寄贈者・坂田正之(さかたまさゆき)さん
今回修復をおこない展示する横浜家具 4 点は、
(株)サカタのタネ(横浜市都筑区仲町台)の元会長坂田正之氏から昭和50年代 に横浜市に寄贈されたものです。正之氏の父武雄氏も絵画彫刻 52 点を横浜市に寄贈(横浜美術館に坂田コレクションとして保管) されており、
代々にわたって横浜の歴史文化の基盤づくりに大きく貢献されています。〔サカタのタネ
https://www.sakataseed.co.jp/〕
横浜市歴史博物館 常設展示室
平成7年に開館した横浜市歴史博物館は、
横浜3万年の歴史を紹介する市内唯一博物館です。常設展示室は先土器時代から現代に至る歴史を時代別に紹介するブースの他、今回使用するミニ展示スペースや、映像で歴史を紹介するシアターなども備えています。
【所在地】横浜市都筑区中川中央 1 丁目 18−1 【アクセス】横浜市営地下鉄センター北駅徒歩 5 分
〔横浜市歴史博物館
https://www.rekihaku.city.yokohama.jp/〕