ルネサス エレクトロニクス株式会社の株式売却について

2023/10/12  株式会社 産業革新投資機構 

2023 年 10 月 12 日

ルネサス エレクトロニクス株式会社の株式売却について

株式会社 INCJ(本社:東京都港区、代表取締役社長:勝又幹英、以下「INCJ」)は、INCJ が保有するルネサス エレクトロニクス株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役社長兼 CEO:柴田 英利、以下「ルネサス エレクトロニクス」)の株式 27,028,600 株を東京証券取引所の立会外取引により売却しましたのでお知らせいたします。同株式売却によって、INCJ のルネサス エレクトロニクスの保有株式の比率*は、9.9**%から 8.38%となりました。

*議決権ベースでの比率

**8 月 18 日時点

【詳細】

1.対象事業会社

ルネサス エレクトロニクス株式会社

・設 立 :2002 年 11 月 1 日 (営業開始日 2010 年 4 月 1 日)
・代表者 :柴田 英利
・所在地 :東京都江東区
・事業内容 :各種半導体に関する研究、開発、設計、製造、販売およびサービス

2.支援決定概要

・支援決定公表日:2012 年 12 月
・支援決定金額: 1,500 億円(上限)
*将来更なる成長資金が必要となった場合は、追加で 500 億円を上限として出資又は融資を行う用意
・実投資額: 1,383.5 億円
・投資実行時の共同投資家/コンソーシアム:
トヨタ自動車株式会社、日産自動車株式会社、株式会社ケーヒン、株式会社デンソー、
キヤノン株式会社、株式会社ニコン、パナソニック株式会社、株式会社安川電機
・株式保有割合:69.2%(投資実行時)
https://www.incj.co.jp/news/upload/docs/1417688372.01.pdf

(参考①)株式の一部売却(2017 年)公表日:2017 年 6 月 20 日
https://www.incj.co.jp/news/upload/docs/1497921657.03.pdf
(参考②)株式の一部売却(2018 年)公表日:2018 年 3 月 9 日
https://www.incj.co.jp/news/PressRelease_INCJ_Renesas_20180309.pdf
(参考③)株式の一部売却(2018 年)公表日:2018 年 4 月 26 日
https://www.incj.co.jp/newsroom/Press%20Release_INCJ_Renesas.pdf
(参考④)株式の一部売却(2021 年)公表日:2021 年 6 月 16 日
https://www.incj.co.jp/newsroom/PressRelease_INCJ_Renesas_20210616.pdf
(参考⑤)株式の一部売却(2022 年)公表日:2022 年 6 月 22 日
https://www.incj.co.jp/newsroom/PressRelease_INCJ_Renesas_20220622.pdf
(参考⑥)株式の一部売却(2023 年)公表日:2023 年 4 月 4 日
https://www.incj.co.jp/newsroom/PressRelease_INCJ_Renesas_20230404.pdf
(参考⑦)株式の一部売却(2023 年)公表日:2023 年 8 月 18 日
https://www.incj.co.jp/newsroom/PressRelease_INCJ_Renesas_20230818.pdf

3.経緯

(1)出資の経緯

ルネサス エレクトロニクスの製品の中核をなすマイコン製品は、我が国の産業を足元から広範に支えています。特に車載用マイコン製品は、自動車産業との協同により集積された高度な技術とノウハウが高く評価され、グローバルトップシェアを堅持していました。同時に、ルネサス エレクトロニクスは、変化の激しい半導体業界を生き抜くための強じんな収益構造の構築が求められていました。

2012 年 12 月、INCJ とコンソーシアム 8 社は、ルネサス エレクトロニクスの構造改革、成長投資の推進を目的として総額 1,500 億円の出資を決定しました。ルネサス エレクトロニクスが事業を安定的に運営し、優れた製品を供給し続けることが、半導体業界のみならず関連業界全体における新事業や新製品の創造に寄与するものと判断し、翌 2013 年 9 月に INCJ は 1,383.5 億円の投資を実行しました。

(2)事業の進捗

その後、ルネサス エレクトロニクスは、生産・事業・人員施策を含む構造改革の着実な実行により、確実に利益を出せる体質に変革を遂げました。更に、成長戦略の一環として、2017 年 2 月には米国のアナログ半導体企業である Intersil Corporation を、2019 年 3 月には同様に米国のアナログ半導体企業である Integrated Device Technology, Inc.を買収することで、アナログ製品のラインアップを拡充し、従来より強みを有するマイコンや SoC とアナログ半導体製品を組み合わせたキットソリューションの拡充を進め、自動車、産業、インフラ、IoT などの分野に幅広く提供してきました。

また、2021 年 8 月には、英国のアナログ半導体企業である Dialog Semiconductor Plc を買収し、その後も現在に至るまで複数の企業を買収し、取り組みを更に加速させています。

(3)今回の株式売却の経緯・内容

ルネサス エレクトロニクスを成長軌道に戻すという INCJ の当初の目的は、上記の大型M&A の実行とその後の経営統合により達成されつつあり、今後は多様な株主構成の下で更なる成長を遂げていく事が望ましいと考えております。

今回の株式売却後も INCJ は引き続き株主として持分比率に応じてルネサス エレクトロニクスの成長を支援する意向に変わりはありません。今回の株式売却後、保有するルネサスエレクトロニクスの株式については、同社の今後の成長戦略遂行や株式需給を勘案しながら、2025 年 3 月末までの INCJ の活動期間内で処分していく方針です。

4.主務大臣(経済産業大臣)の意見

引き続き保有する株式の譲渡その他の処分においても、経済産業省とも緊密に連携した上で、我が国の半導体産業全体のあるべき姿を念頭に、その処分方法を検討されたい。

株式会社 INCJ について

株式会社 INCJ は、2018 年 9 月、既存の官民ファンドである株式会社産業革新機構から新設分割する形で発足しました。産業革新機構は、2009 年 7 月、産業や組織の壁を越えて、オープンイノベーションにより次世代の国富を担う産業を育成・創出することを目的に設立されましたが、根拠法である産業競争力強化法の改正に伴い、同機構は株式会社産業革新投資機構に商号変更し、新たな活動を開始しました。株式会社 INCJ は、産業革新機構の事業を引き継ぐ形で、既投資先の Value up 活動や追加投資、マイルストーン投資、EXIT に向けた活動を主要業務として、2025 年 3 月末まで投資活動を行っていきます。

URL:https://www.incj.co.jp/

以上

<本発表資料に関するお問い合わせ先>
株式会社 産業革新投資機構 経営企画室 広報
奥村(070-3960-3640)、野々宮(080-1339-5207)(報道関係)
東京都港区虎ノ門 1-3-1 東京虎ノ門グローバルスクエア
URL:https://www.j-ic.co.jp/jp/
https://www.incj.co.jp/

関連業界

情報・通信業界のニュース