[基礎研究結果のお知らせ] 主要開発品SB623が神経活動とネットワーク形成を促進することを示した論文がNeuroscienceに掲載

2024/07/04  サンバイオ 株式会社 

2024 年7月4日
サ ン バ イ オ 株 式 会 社

[基礎研究結果のお知らせ] 主要開発品SB623が神経活動とネットワーク形成を 促進することを示した論文がNeuroscienceに掲載

掲題の件について、別添にてお知らせいたします。

以上

2024 年7月4日
サンバイオ株式会社

[基礎研究結果のお知らせ] 主要開発品SB623が神経活動とネットワーク形成を
促進することを示した論文がNeuroscienceに掲載


サンバイオ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:森 敬太)は、当社の主要開発品であるSB623 の製品化を進めていますが、並行してSB623の作用機序を明らかにするための基礎研究も当社グループの研究所で長年に渡り行ってきました。今回、この研究により明らかになった部分についての結果及びこの結果がもたらす当社事業への関連をお知らせするとともに、このSB623 に関する論文がNeuroscience オンライン版に掲載されたことをお知らせします。

「Mesenchymal Stem Cells Promote an Increase in Neuronal Oscillation via Glutamate Tonic Release」と題された本論文の全文は、以下リンク先よりご覧いただけます。

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0306452224002720

Highlights

? SB623 cells promote an increase of spike activity and number of network bursts.
? SB623 cells in coculture with neurons are superior to astrocytes in promoting neuronal activity.
? SB623 cells release higher levels of glutamate when compared to human astrocytes.
? Tonic glutamate released by SB623 cells promotes an increase of neuronal activity.

[引用元:https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0306452224002720]

ハイライト(参考和訳)

? SB623細胞は神経活動のスパイク数とネットワークバースト数を増加させた
? 神経細胞との共培養において、SB623細胞はアストロサイトよりも神経活動を促進する効果を高めた
? SB623細胞はヒトアストロサイトよりも高レベルのグルタミン酸を放出した
? SB623細胞から放出される持続的なグルタミン酸が神経活動を促進した

上記4つのハイライトが、新たに得られたSB623の作用機序に関する研究結果の概要です。この研究結果がもたらす当社事業への関連について、当社の研究開発本部長である平田晋也は、次のように述べています。「間葉系幹細胞の働きには多様性があります。SB623はFGF-2(タンパク質の一種)を放出することによる神経細胞の増殖を促進する効果が考えられていますが、作用メカニズムの全ては未だ解明されておりません。しかし、今回明らかになった上記4つのハイライトにある作用機序のそれぞれは、SB623の有効性を裏付けるものと考えられます。また、今後のSB63 慢性期脳梗塞プログラムなどの研究および開発を進めるための有用なデータであると考えられます。このように、今回の研究結果はSB623の作用機序に関してより深い理解が得られた画期的な成果であると言えます。サンバイオでは、今後も多様な薬理作用が期待されるSB623の研究開発活動を通して、さらなる作用メカニズムの解明および他の中枢神経系の疾患への適応可能性を検討してまいります。」

米国で実施した慢性期脳梗塞を対象とするSB623の治験を主導したスタンフォード大学医学部脳神経外科教授であるゲイリー・スタインバーグ博士は次のように述べています。“Although unmet medical needs still exist for many brain diseases, regenerative medicine has led to significant advances and development in this area. This report identifying some of the pharmacological effects of SB623, which has been shown to improve outcome in clinical trials (TBI-01 study), suggests further potential for cellular therapeutics in treating brain injury and degenerative diseases. I hope that through SanBio’s continuous research, more patients with central nervous system disorders will be able to take advantage of cellular therapeutics”(参考和訳:「多くの脳疾患には未だアンメットメディカル・ニーズが存在しますが、再生医療はこの分野で大きな進歩と発展をもたらしています。臨床試験(TBI-01試験)で予後の改善が示されているSB623の薬理作用の一部を明らかにした今回の報告は、脳損傷や脳神経変性疾患の治療における細胞治療薬のさらなる可能性を示唆しています。サンバイオの継続的な研究を通じて、より多くの中枢神経系の疾患の患者さんが細胞治療薬を利用できるようになることを願っています。」)

SB623について

SB623は、健康成人骨髄液由来の間葉系間質細胞を加工・培養して作製されたヒト(他家)骨髄由来加工間葉系幹細胞(国際一般名:バンデフィテムセル)です。脳内の損傷した神経組織に移植するとFGF-2(タンパク質の一種)が放出され、損傷した神経細胞が本来持つ再生能力を促し、神経細胞の増殖・分化を促進する効果が期待されています。SB623は、厚生労働省より再生医療等製品として「先駆け審査指定制度」の対象品目として指定されており、日本では、「アクーゴ????脳内移植用注」として2024年6月の薬事審議会 再生医療等製品・生物由来技術部会において、外傷性脳損傷に伴う慢性期の運動麻痺の改善治療薬として、承認条件及び期限を付した上で承認することは可能との判断が示されました。米国では、米国食品医薬品局(U.S. Food and Drug Administration:FDA)よりRMAT(Regenerative Medicine Advanced Therapy)指定を、欧州では欧州医薬品庁(European Medicines Agency:EMA)より先端医療医薬品(Advanced Therapy Medicinal Product:ATMP)の指定を受けています。

サンバイオについて

サンバイオは、再生細胞薬の研究、開発、製造及び販売を手掛ける再生細胞事業を展開しています。既存の医療・医薬品では対処できず、アンメット・メディカル・ニーズが高い中枢神経系領域の疾患を主な対象としています。東京に本社、カリフォルニア州に子会社を置くサンバイオグループの詳細は、https://www.sanbio.comにてご覧いただけます。

本件に関するお問い合わせ先
サンバイオ株式会社
経営管理部
メール:info@sanbio.com

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