公益財団法人JFE21世紀財団 2023年度 大学研究助成 交付研究の決定について

2023/09/27  JFEホールディングス 株式会社 

2023年9月27日
公益財団法人JFE21世紀財団
JFEホールディングス株式会社

公益財団法人JFE21世紀財団
2023年度 大学研究助成 交付研究の決定について

公益財団法人JFE21世紀財団(理事長:柿木厚司 JFEホールディングス(株)代表取締役社長)は、1990年の財団設立以来、JFEグループとともに、21世紀鉄鋼産業の振興および豊かな生活文化の形成への貢献を目的とする諸活動を続けてきました。

このたび当財団は、主要活動の一つである大学研究助成事業において、2023年度の助成金交付対象となる40件の研究(技術研究28件、アジア歴史研究12件)を選定しました。1件あたりの助成金額は、「技術研究助成」200万円、「アジア歴史研究助成」150万円で、助成金合計は7,400万円となります。この40件に対して12月6日に日比谷国際ビル(東京都千代田区)において研究助成金贈呈式を行う予定です。

なお、これにより1991年度から2023年度まで33年間の大学研究助成における累計交付件数および助成金総額は、912件、17億4,480万円となります。

「社会に開かれた存在を目指し、社会との共存共栄をいっそう進める」を設立趣旨とする当財団は、社会貢献の一端を担う公益事業を、これからも一層推進して参ります。

2023年度・大学研究助成の交付研究(一覧)(五十音順、敬称略)

1.技術研究助成 計28件

技術研究助成は、財団創設時からの継続事業で、「鉄鋼技術」と「地球環境・地球温暖化防止技術」を助成対象としています。「鉄鋼技術」は、日本が世界をリードする先端技術を有し、また将来にわたり世界の産業の主要材料であり続けるための、鉄鋼の製造プロセス・材料開発・鉄鋼関連技術を助成対象としています。「地球環境・地球温暖化防止技術」は、地球環境保全と省エネルギーや再生可能エネルギーなどの地球温暖化防止に資する技術開発を助成対象としています。
今年度は63大学等から137件(国公立(含高専)45校109件、私立16校23件、国公立研究機関2機関5件)の応募があり、技術研究助成審査委員会での審査の結果、「鉄鋼技術研究」13件、「地球環境・地球温暖化防止技術研究」15件、合計28件を助成研究として選定しました。

(1)「鉄鋼技術研究」 13件

鉄鋼製造プロセス、鉄鋼材料開発、鉄鋼関連技術に関して58件の応募があり、その中から次の13件を助成対象研究に選定しました。

岩間 崇之いわま たかゆき (東北大学多元物質科学研究所)
「製鋼スラグの還元で得たFe-P合金からのLFP電池正極材原料FePO4の製造」
遠藤 理恵えんどう りえ (芝浦工業大学工学部材料工学科)
「酸化スケールの断熱性を利用した鋼の高速冷却に対する基礎検討」
小川 裕樹おがわ ゆうき (神戸大学大学院工学研究科機械工学専攻)
「マルチマテリアル継手の疲労損傷過程の赤外線その場計測法構築」
河井 克之かわい かつゆき (近畿大学理工学部社会環境工学科)
「微生物活性化による鉄鋼スラグ混合土の固化促進および改良効果評価手法の確立」
小泉 昭久こいずみ あきひさ (兵庫県立大学大学院理学研究科)
「符号化開口マスクを用いた(磁気)コンプトン散乱イメージング測定法の開発」
白岩 隆行しらいわ たかゆき (東京大学大学院工学系研究科マテリアル工学専攻)
「微視組織を考慮した腐食疲労の数値解析手法の開発」
崔 正原チェ ジョンウオン (広島大学先進理工系科学研究科機械工学プログラム)
「LNGパイプラインのステンレス鋼接合技術と低温シャルピー衝撃特性評価」
土山 聡宏つちやま としひろ (九州大学大学院工学研究院材料工学部門)
「溶質元素間相互作用を利用した粒界偏析制御と結晶粒微細化強化の促進」
永島 涼太ながしま りょうた (東京工業大学物質理工学院材料系)
「結晶界面近傍の局所挙動に及ぼす粒界性格の役割の解明」
Pornthep Chivavibulポンテープ チワウィブン (東京大学大学院工学系研究科マテリアル工学専攻)
「高強度鋼の変形破壊挙動の3次元計測とデータ駆動型解析」
柳下 崇やなぎした たかし (東京都立大学都市環境学部環境応用化学科)
「鉄系材料の陽極酸化による高規則性ナノホールアレイの形成と機能化」
山下 直輝やました なおき (京都大学大学院工学研究科機械理工学専攻)
「脂肪酸潤滑添加剤が形成する金属石鹸膜のナノトライボロジー」
吉野 雅彦よしの まさひこ (東京工業大学工学院機械系)
「鉄鋼材料の再結晶粒の微細化に及ぼす予加工方法の影響」

(2)「地球環境・地球温暖化防止技術研究」 15件

地球環境保全、地球温暖化防止技術に関して79件の応募があり、この中から次の15件を助成対象研究に選定しました。

宇敷 育男うしき いくお (広島大学大学院先進理工系科学研究科化学工学プログラム)
「CO2吸収剤含浸ナノポーラス材料の革新的創製とDACへの展開」
大友 亮一おおとも りょういち (北海道大学大学院地球環境科学研究院物質機能科学部門)
「N2O分解のための高性能ペロブスカイト型酸化物触媒の開発」
甲斐 玲央かい れお (九州大学大学院総合理工学研究院)
「NOx生成量を高精度に予測可能な燃焼モデルの開発」
小泉 雄一郎こいずみ ゆういちろう (大阪大学大学院工学研究科マテリアル生産科学専攻)
「金属3Dプリント用粉末の振動分離技術開発と都市鉱山からの材料マイニング」
佐賀 佳央さが よしたか (近畿大学理工学部理学科化学コース)
「バイオマス固形燃料の高品質化を指向したセルロースの光改質法の開発」
瀬川 浩代せがわ ひろよ (物質・材料研究機構電子・光機能材料研究センター)
「焼解現象を用いた積層セラミックスコンデンサのリサイクル技術の検討」
田中 久仁彦たなか くにひこ (長岡技術科学大学電気電子情報系)
「元素戦略を考慮した微細構造透明太陽電池の開発」
土屋 敬志つちや たかし (物質・材料研究機構ナノアーキテクトニクス材料研究センター)
「機械学習の消費電力を飛躍的に低減する脳型情報処理デバイスの開発」
永井 大介ながい だいすけ (静岡県立大学食品栄養科学部環境生命科学科)
「使用済みリチウムイオン二次電池からの複数金属同時分離法の開発」
藤田 晃司ふじた こうじ (京都大学大学院工学研究科材料化学専攻)
「非鉛強誘電体物質科学の構築」
三好 貴子みよし たかこ (京都大学大学院工学研究科都市社会工学専攻)
「亀裂性岩盤におけるグラウチングシミュレータの開発」
八木 一三やぎ いちぞう (北海道大学大学院地球環境科学研究院)
「室温大気下で作動可能な亜酸化窒素無害化電極触媒の開発」
八木 政行やぎ まさゆき (新潟大学教育研究院自然科学系)
「二酸化炭素と水を原料とした高効率メタン製造システムの開発」
山口 晃やまぐち あきら (東京工業大学物質理工学院材料系)
「電位ステップ法による二酸化炭素からの高付加価値化合物の合成」
吉松 公平よしまつ こうへい (東京工業大学物質理工学院)
「酸化鉄の結晶方位制御による高効率水素生成光触媒の実現」

2.アジア歴史研究助成 12件

アジア歴史研究助成は、アジア全域を研究対象地域とし、各地域の政治、経済、社会、文化等の歴史的経緯を踏まえながら、未来を見据えて考察することで、日本が「21世紀アジアと共存共栄するための日本の産業と文化のVision構築に資する」研究を助成対象として2005年度から続けています。 今年度は58大学等73件(国公立32校44件、私立23校25件、国公立研究機関3機関4件)の応募があり、アジア歴史研究助成審査委員会での厳正な審査の結果、次の12件を助成研究として選定しました。

石崎 建治いしざき けんじ (金沢学院大学文学部文学科)
「16・17世紀アジアにおける「サカモト」銭の鋳造・流通とその背景」
Ismatov Azizイスマトフ アジズ (名古屋大学法政国際教育協力研究センター)
「ウズベキスタンのシーア派イラニの宗教的価値観の歴史的変遷」
井原 麗奈いはら れな (芸術文化観光専門職大学)
「朝鮮半島の「公会堂」を通して見る住民意識について」
大川 玲子おおかわ れいこ (明治学院大学国際学部)
「現代インド・ムスリムの平和共存思想‐W. ハーンの平和精神性センターを中心に」
嚴 錫仁オム ソギン (筑波大学人文社会系)
「17世紀明清交代期における日・韓儒学者の華夷論」
菊地 真きくち まこと (神戸大学大学院人文学研究科)
「地図・地誌類に基づく日本における東アジアの地理的認識および交渉の発達に関する研究」
田畑 幸嗣たばた ゆきつぐ (早稲田大学文学学術院)
「出土陶磁器と交易関連文書に基づく前近代日本=カンボジア間交易・交流史の復元研究」
程 永超てい えいちょう (東北大学東北アジア研究センター)
「壬辰戦争直後の東アジア秩序と倭情咨文」
中生 勝美なかお かつみ (桜美林大学リベラルアーツ学群)
「鳥居龍蔵の契丹研究について―未公刊原稿の分析」
奈良岡 聰智ならおか そうち (京都大学大学院法学研究科)
「19世紀末~20世紀前半の在ハワイ日系・中国系移民に関する多角的研究」
西尾 哲夫にしお てつお (人間文化研究機構国立民族学博物館)
「ペティス・ド・ラ・クロワ版シンドバード航海記の研究」
山本 博之やまもと ひろゆき (京都大学東南アジア地域研究研究所)
「20世紀の海峡植民地における大衆演劇を通じた公共領域の再編」

「(公財)JFE21世紀財団」概要

・名称: 公益財団法人JFE21世紀財団
・沿革: 1990年12月 川鉄21世紀財団設立(旧川崎製鉄(株)が、創立40周年を記念して設立)
2003年 4月 JFE21世紀財団に改称
2012年 4月 公益財団法人へ移行
・総資産: 26億30百万円(内 公益目的保有財産19億69百万円)(2023年3月末)
・公益目的事業 (2023年度公益会計事業費予算:124百万円)
  1. 大学研究助成(技術研究助成、アジア歴史研究助成)および大学教材等出版事業
  2. 文化振興事業

    ①鉄鋼に縁のある地域への貢献(地域イベントへの協賛等)

    ②「海外子女文芸作品コンクール」協賛と優秀作品文集の小中学校への寄贈

・運営/組織(50音順)(2023年9月現在)

理事長 柿木厚司 JFEホールディングス(株) 代表取締役社長
専務理事 寺畑雅史 JFEホールディングス(株) 代表取締役副社長
理 事 小橋 眞 名古屋大学 教授
鈴木善久 伊藤忠商事(株) 副会長
筒井義信 日本生命保険(相) 代表取締役会長
平田好則 大阪大学 名誉教授
古原 忠 東北大学 教授
前田正史 京都先端科学大学 学長
𠮷田政雄 古河電工(株) 名誉顧問
監 事 田中利弘 JFEホールディングス(株) 専務執行役員
谷上和範 公認会計士
評議員 安住和久 北海道大学 名誉教授
梅村 坦 中央大学 名誉教授
北野嘉久 JFEスチール(株) 代表取締役社長
須佐匡裕 東京工業大学 特命教授
中島邦彦 九州大学大学院 教授
林田英治 JFEホールディングス(株) 名誉顧問
村上英三 川崎汽船(株) 特別顧問

本件に関するお問い合わせは下記にお願いいたします。

公益財団法人JFE21世紀財団 TEL:03(3597)4652
東京都千代田区内幸町2-2-3日比谷国際ビル28F

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