AIが公平性に及ぼす影響についての調査を発表。約300万件の求人情報と世界12,000人以上の労働者を調査分析。AIの不平等が放置された場合、人材不足がさらに悪化する可能性も
総合人材サービスを提供するランスタッド株式会社(本社:東京都千代田区 代表取締役社長 猿谷哲)は12月18日にAIが労働市場における公平性に及ぼす影響について調査した最新グローバルレポート「人材不足の意味を知る~AIと公平性」(日本語版)を公開いたします。約300万件の求人情報と世界12,000人以上の労働者を調査分析したレポートで、AIスキルを持つ人材の需要が急増し、過去1年で5倍に拡大する中、男女間、障害の有無、世代間でAIトレーニングの機会やアクセスに大きな格差が表れていることが判明しました。また日本の職場におけるAI活用やAIスキルの学習機会は調査国15か国中最下位と他国に遅れをとっている結果となっています。
AIスキルを持つ人材の需要が急増するなか、AIにおける男女間格差は42ポイント
OECD加盟国の生産年齢人口は2008年より減少の一途をたどっており、少子化や低失業率とあいまって人材不足は待ったなしの現状となっています。こうした背景から、仕事の効率性と生産性を高めるポテンシャルを秘めたAIのスキルを持つ人材を求める求人情報は急増しており、2023年から2024年の間に5倍以上の伸びを示しています。人材不足の突破口となりうるAIはすべての層にそのスキルが平等に浸透しておらず、男性の71%がAIスキルを有すると回答した一方で、女性は29%にとどまりました。6つの領域にわたるAIの専門スキルにいたっては、所有する女性の割合は平均で男性の3分の一を下回ります。企業は女性がAIスキルを習得し活用できる環境を整備し、キャリア開発を促進するための具体的な施策を実行する必要があります。
高齢層はAIスキル習得の機会が2倍以上低い
若い世代はAIスキルへのアクセスや活用機会が多い一方で、高齢労働者はその恩恵を十分に受けられていません。Z世代の63%がAIの活用をポジティブに捉える一方で、団塊の世代*¹ では34%にとどまっており、高齢労働者のAIスキル習得機会の不足が課題となっています。上の世代ほどAIの能力について懐疑的で、スキル習得の必要性の認識が低い結果が出ており、企業はこうした認識の差を把握し、埋めることから始める必要があります。
障がい者のAI活用は進んでいるが、スキルアップの機会提供は離職を防ぐための重要課題
障がいを持つ人材は健常者よりも仕事上の問題解決にAIをより多く活用しておりコミュニケーション改善等に成功しています。また障がいを持つ働き手は、十分なスキル習得機会が提供されない場合の離職リスクが高く、障がいを持つ人材の55%がAIを職場で活用していますが、スキルアップの機会がなければ29%が離職を検討すると回答しています。彼らが継続的に学び成長できる環境を作り、アクセシビリティを向上させる取り組みを進めない限り、企業はAIの最も先進的な使い手を失うリスクに直面することとなります。
出遅れる日本 人材不足が深刻化するなか組織が取り組むべき4つのポイント
本調査では男女、障がいの有無、世代間におけるAIと公平性の実態に加え、世界15か国の国別のデータも調査・公表しています。その結果、職場でAIを活用している割合、AIのスキルアップ機会を提供された人材の割合、職場でAIを活用するために必要なスキルを提供してくれていると考えている人材の割合のすべてにおいて、日本が最下位となりました。人材不足が深刻化するなか、あらゆる層の可能性を引き出せる組織であることは、企業が持続的な成長を遂げる上で重要なポイントとなっており、本レポートでは下記の4点をAI導入において公平性を高めるために取るべき対策として紹介しています。
1⃣
スキリングの再考: 多様な層に対応したスキルアップの機会を提供し、従業員のAI活用能力を向上させる。
2⃣
個別のアプローチ: 各個人やグループが直面する障壁を特定し、解消する。
3⃣
協調的な取り組み: 教育機関や社会全体と連携し、早期教育やメンターシップを強化する。
4⃣
バイアスの管理: AIの公平な運用を確保するため、導入段階での透明性と人間の監督を推進する。
ランスタッド「AIと公平性」レポートは 下記からご覧ください。
日本語版: 下記からダウンロードできます。
https://services.randstad.co.jp/download/form/understanding-talent-scarcity-ai-and-equity
英語版(オリジナル):
https://services.randstad.co.jp/download/form/understanding-talent-scarcity-ai-and-equity_en
*¹ 本レポートでは各世代を以下の通り定義している: Z世代(1997-2012年生まれ)、
ミレニアル世代(1981-1996年生まれ)、X世代(1965-1980年生まれ)、団塊の世代(1946-1964年生まれ)
■ ランスタッドの会社概要
[社 名] ランスタッド・エヌ・ヴィー
[設 立] 1960年10月
[代 表] サンダー・ヴァント・ノールデンデ、ホルヘ・バスケス
[所 在 地] オランダ
[従業員数] 46,000人
[売 上] 3兆9,949億円(254億2,600万ユーロ) 2023年度実績(12月決算) (人材サービス業として世界最大*²)
[資 本 金] 7,384億6400万円(47億ユーロ) 2023年12月末時点
[事 業 所] 世界39の国と地域
[事業内容] 総合人材サービス
[URL]
https://www.randstad.com/
(1ユーロ157.12円換算/ 2023年12月末時点)
*² Staffing Industry Analysts 2023、人材サービス企業売上ランキングより
■ ランスタッドについて
ランスタッドは、世界で最も公平で専門性を備えた人材サービス会社になるというビジョンを掲げる人材業界のグローバルリーダーです。人材不足の世の中にあっても、人材に寄り添う真のパートナー(Partner for talent)として、4つの専門分野(オペレーショナル/ プロフェッショナル/ デジタル/ エンタープライズ)を通じクライアント企業が成功するために必要な、高品質で多様性に富んだ柔軟な労働力の実現を支援します。また人々が有意義な仕事につき、それぞれが適切なスキルを身につけ、職場に目的と居場所を見出す手助けをします。ランスタッドが創造する価値を通じて、誰もにとってより良い、より持続可能な未来の実現に貢献します。
オランダに本社を置くランスタッドは、39の国と地域(市場)で事業を展開しており、約40,000人の社員が働いています。2023年には、200万人の人々の就職を支援し、254億ユーロの収益を上げています。ランスタッドN.V.はユーロネクスト・アムステルダムに上場しています。詳細は、ウェブサイトをご参照ください。 www.randstad.com
■ Award/表彰ほか
・LGBTQ+に関する取組み評価指数「PRIDE指標」の最高位「ゴールド」を4年連続受賞
・ランスタッドNVとしてダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・ワールド・インデックス(DJSI)
プロフェッショナルサービス部門 9年連続選出(人材サービス企業として唯一)
・「がんアライアワード2024」でブロンズを初受賞 (2024年12月)
・「D&Iアワード2024」より最高評価のベストワークプレイスに3年連続認定 (2024年12月)
■ ランスタッドのホワイトペーパーとコンテンツ
・ランスタット゛・エンプロイヤーフ゛ラント゛リサーチ2024(下記のリンクよりダウンロードいただけます)
https://services.randstad.co.jp/download/form/ebr_globalreport2024
・ランスタット゛ワークモニターレポート2024(下記のリンクよりダウンロードいただけます)
https://services.randstad.co.jp/download/workmonitor2024
・ランスタット゛法人向けフ゛ロク゛「WorkforceBiz」
https://services.randstad.co.jp/blog
・ランスタット゛個人向けコンテンツサイト「キャリアHUB」
https://www.randstad.co.jp/careerhub/