国内初!高速道路を通行止めせずにUHPFRCで大規模修繕 - 長野自動車道岡谷高架橋のPC箱桁橋床版打替えに導入

2024/08/30  鹿島建設 株式会社 

[2024/08/30]

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国内初!高速道路を通行止めせずにUHPFRCで大規模修繕

長野自動車道岡谷高架橋のPC箱桁橋床版打替えに導入

鹿島(社長:天野裕正)は、NEXCO中日本(社長:縄田正)と共同開発した超高性能繊維補強セメント系複合材料(UHPFRC※1)を用いた道路橋床版のリニューアル工法(以下、本工法)を、高速道路を供用しながら行う大規模改良工事に国内で初めて導入しました。本工法は、老朽化した道路橋床版のコンクリート上面を「防水性・耐久性・強度特性」に優れたUHPFRCに打ち替えることで、床版全体を撤去・再構築することなく道路橋床版の性能を回復させるものです。
今般、本工法を専用の施工機械と共に長野自動車道(特定更新等)岡谷高架橋改良工事に導入し、高速道路を通行止めせずに、128mのUHPFRCの施工を約8時間で完了しました。

※1 Ultra High Performance Fiber Reinforced cement-based Composites
水結合材比が15%程度で極めて緻密なセメント系材料を繊維で補強したもの(世界的な名称)
本工事に適用したUHPFRCの規格値は、圧縮強度150N/mm2、引張強度12.0N/mm2

PC箱桁橋のコンクリート床版上面の打替えイメージ

本工法の施工手順

片側2車線道路の1車線を規制し、既設コンクリートの劣化部(深さ30mm)をウォータージェットで除去後、レールと専用の施工機械を設置します。その後、以下の手順でUHPFRCを施工します。

① 場外からの運搬
現場近くに設置した専用プラントでUHPFRCを製造し、アジテータ車で運搬

②場内での運搬
撹拌機能と打込み機能を有する専用の自走式運搬機械にUHPFRCを荷卸し後、だれ止め剤「アジャストフローTM」を添加・撹拌し、道路勾配に応じた仕上げ性(流動性)に調整しながら打込み位置まで移動

③接着剤塗布
既設床版面に専用の接着剤を全面塗布

④敷均し・締固め
UHPFRC打込み後、専用フィニッシャーで敷均し・締固め

⑤仕上げ・養生
後続台車でこて仕上げを行い、養生シートと飛散防止ネットを設置して養生



自走式運搬機械



専用フィニッシャー

UHPFRCの硬化後は、アスファルト(基層および表層)を舗設し、車線規制を解除します。
本工事では、車線規制内で①~⑤の作業を繰り返し、約8時間で128mを施工しました。

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