25年のアルバイト採用が「厳しくなる」と思う割合は55.2%。新生活シーズンに伴い、春季(3~5月)に繫忙期を迎える企業が最多。62.8%の企業が人手不足に備え時給上乗せを検討。上乗せ率は平均4.5%
株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、直近1年以内にアルバイト採用業務に携わった会社役員・自営業含む20~69歳の会社員(有効回答数:1,500名)を対象に実施した「アルバイト採用活動に関する企業調査(2024年)」の結果を発表しました。本調査は直近1年間の採用実績や担当者の意識・ニーズ、具体的な施策を聴取し、業種別の特徴・傾向の違いを把握することを目的とし、今回で7回目の実施となります。
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<TOPICS>
◆2024年のアルバイト採用目標数は平均44.0人で、4年連続増加。業種別では、[配送・引越し・ドライバー]が最も採用が「厳しかった」と回答【図1、2】
◆人材獲得の効果を実感した施策は「給与の増額」が76.3%で最多。「服装自由化」・「給与のデジタル化」の施策も、人材獲得に効果的【図3】
◆2025年のアルバイト採用が「厳しくなる」と思う割合は55.2%。前年よりアルバイト採用費用を「増やす予定」の企業は23.7%【図4、5】
◆2025年「春季(3~5月)」に繁忙期を迎える企業が最多。62.8%の企業が繁忙期に時給上乗せを検討。上乗せ率は平均4.5%【図6、7】
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【調査概要】
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2024年のアルバイト採用目標数は平均44.0人で、4年連続増加
業種別では、[配送・引越し・ドライバー]が最も採用が「厳しかった」と回答
2024年のアルバイト採用目標数は平均44.0人で、4年連続増加し過去最高となった。採用人数は平均22.3人となり、採用目標人数に対する採用人数の割合を目標達成率として計算すると、50.6%(前年比4.5pt減)で過去最低だった。採用ニーズが高まるなか、思うように採用できず苦戦する企業が増えていることがわかる。
採用活動の印象についても「厳しかった」が46.8%と前年から0.2pt増加しており、引き続きアルバイト採用の難易度は高い状況だ。
業種別では、 [配送・引越・ドライバー]の「厳しかった(計)」が61.1%で最も高く、前年から18.0pt増と大幅に増加した。【図1、2】
【図1】
【図2】
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人材獲得の効果を実感した施策は「給与の増額」が76.3%で最多
「服装自由化」・「給与のデジタル化」の施策も、人材獲得に効果的
人材獲得のために実施した施策を聞くと、「給与の増額(32.3%)」が前年同様に最も多く、次いで「シフトの緩和(23.4%)」「正社員登用制度の導入(22.2%)」と続いた。
それぞれの施策実施者のうち人材獲得の効果を実感した比率をみると、「給与の増額(76.4%)」が最も高く、次いで「シフトの緩和(68.3%)」となった。「勤務時の服装・身だしなみの規定緩和」「給与のデジタル払い」では、実施率は高くはないが、実施した人のうち65%以上が効果を実感できていると答えた。「給与の増額」だけでなく、働きやすさや利便性を向上することも、人材獲得につながる要素となりそうだ。【図3】
【図3】
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2025年のアルバイト採用が「厳しくなる」と思う割合は55.2%
前年よりアルバイト採用費用を「増やす予定」の企業は23.7%
2025年のアルバイト採用の見通しを聞いたところ、「非常に厳しくなる」と「厳しくなる」の合計が55.2%で、4年間連続で増加した。また、「採用費」を「増やす予定(23.7%)」は5年間連続で増加しており、人手確保に苦戦する見通しのなか、さらに費用をかけて採用活動を行うことが予想される。
来年の採用見通しが厳しい理由をみると、「人手不足」のほか「他社求人の増加」「面接数の不足」が増加傾向で、人材獲得競争が激化している様子がうかがえる。【図4、5】
【図4】
【図5】
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2025年「春季(3~5月)」に繁忙期を迎える企業が最多
62.8%の企業が繁忙期に時給上乗せを検討。上乗せ率は平均4.5%
2025年の繁忙期(特別に人手が必要になる時期)になりそうな月を聞いたところ、これから迫る3~5月の春季が41.0%となり、全時期で最も高かった。業種別では[事務・データ入力・受付・コールセンター(58.6%)]が最も高く、[配送・引越し・ドライバー(47.2%)][軽作業(倉庫・物流(42.6%)][家庭教師・講師・試験監督(42.5%)]と続いた。新生活シーズンで需要が増加することや、学生の卒業・進学などによる人材の入れ替えが発生する時期であることが要因として考えられる。
また、繁忙期がある企業の62.8%が繁忙期にアルバイトの時給を上乗せして募集する予定があると回答し、時給の上乗せ率は平均4.5%だった。【図6、7】
【図6】
【
図7】
【調査担当者コメント】
人手不足が続く中、採用ニーズは上昇しており、採用難度が上がっている様子がみられました。特に「2024年問題」の影響を受けた[配送・引越しドライバー]の人手不足は顕著でした。
人手確保の施策として「給与増額」や「シフト緩和」などの施策が多く実施されましたが、依然として厳しい状況が続いています。給与に加えて、「福利厚生の充実」や「身だしなみ規制緩和」など、労働者のメリットを伝える施策も企業が選ばれやすいポイントとなっており、今後もこういった施策が増えていくのではと考えます。
2025年も採用費用を増やす企業が増加し、人材獲得競争が激化する見通しです。特に春季の繁忙期には人手を必要とする業種が多く、時給の相場も上がることが予想されます。一方で、企業の賃上げ疲れや人手不足倒産も懸念されます。繁忙期に向けて、長期的に人材を確保する施策が急がれるとともに、生産性向上への投資も求められるでしょう。労働人口減少により人手不足は避けられない中で、企業がどのような手段を講じていくのかがより重要になります。
キャリアリサーチラボ 研究員 元山春香
【調査概要】「アルバイト採用活動に関する企業調査(2024年)」
○調査期間/2024年11月25日(月)~12月4日(水)
○調査方法/WEB上のアンケートフォームより入力
○調査対象/直近1年以内にアルバイト採用業務に携わった20~69歳の会社員(会社役員・自営業含む)
○調査機関/自社調べ
○有効回答数/1,500名 (各業種100名ずつ)
※調査結果は、端数四捨五入の都合により合計が100%にならない場合があります。
https://career-research.mynavi.jp/reserch/20250115_90847/からご確認いただけます。