訪日外国人旅行者が訪れる春の人気上昇エリアを分析

2024/06/25  株式会社 ナビタイムジャパン 

増加率ランキング1位は神奈川県南足柄市。お花見、イベント、周遊観光を楽しむインバウンド

株式会社ナビタイムジャパン(代表取締役社長:大西 啓介、本社:東京都港区)の移動データ事業は、訪日外国人観光客向けのナビゲーションアプリ『Japan Travel by NAVITIME』の利用状況から、2024年の春に訪日外国人旅行者の滞在が増加している地域の分析結果を発表いたします。


 株式会社ナビタイムジャパン(代表取締役社長:大西 啓介、本社:東京都港区)の移動データ事業は、訪日外国人観光客向けのナビゲーションアプリ『Japan Travel by NAVITIME』の利用状況から、2024年の春に訪日外国人旅行者の滞在が増加している地域の分析結果を発表いたします。

 全国各地で訪日外国人旅行者が増加する中、日本政府観光局(JNTO)の発表によると、2024年4月「訪日外客数は300万人超え、前年同月比56.1%増」となりました※1。
 訪日外国人旅行者の関心と需要の高まりを踏まえ、ナビタイムジャパンが提供する訪日外国人向けの観光ナビゲーションアプリの利用状況から、春季に人気が上昇している市区町村を分析いたしました。

<分析内容>
2023年3月~5月と2024年3月~5月を比較し、訪日外国人旅行者の滞在数が増加したエリアを分析


※本分析には、ナビタイムジャパンが提供する訪日外国人観光客向けナビゲーションサービス(『Japan Travel by NAVITIME』)から同意を得て取得したインバウンドGPSデータと属性アンケートを用いています。
※「滞在」の定義は、30分以上同一1kmメッシュ内で測位が確認された状態です。
※1 日本政府観光局:訪日外客数(2024年4月推計値)https://www.jnto.go.jp/news/press/20240515_monthly.html

■分析結果
訪日外国人旅行者の春季の人気上昇TOP10


 トップの神奈川県南足柄市は、2023年の滞在数から32.00倍の増加、続く福井県勝山市は24.00倍の増加となりました。各地の桜の名所が多数ランクインしているほか、今年、初めて春に開催されたF1日本グランプリの開催地である三重県鈴鹿市、ビーチやサンセットが美しい沖縄県今帰仁村、沖縄県浦添市なども滞在数を伸ばしています。



 訪日外国人滞在数増加率ランキング1位の神奈川県南足柄市、2位の福井県勝山市、3位の三重県鈴鹿市に加え、桜が要因で来訪者が増えたと考えられる7位の奈良県高取町、人気観光地に近く周辺観光での来訪と推測される4位の大分県宇佐市、6位の群馬県嬬恋村について、具体的な滞在エリアやどこから来訪されているかを分析しました。

1.訪日外国人滞在者増加率ランキングTOP3


1位:神奈川県南足柄市(32.00倍)
南足柄市での滞在エリアを確認すると、一の堰ハラネでの滞在が多いことが確認できました。

南足柄市で特に注目を集めたのは一の堰ハラネの「春めき」と見られます。「春めき」は南足柄で品種登録された桜の一種で、関東では3月中に開花する早咲きの桜として人気があり、滞在数を伸ばしたと考えられます。

写真:一の堰ハラネの「春めき」(神奈川県南足柄市)

2位:福井県勝山市(24.00倍)
勝山市での滞在エリアを確認すると、福井県立恐竜博物館や、越前大仏で有名な大師山清大寺での滞在が多いことが確認できました。

福井県立恐竜博物館は世界三大恐竜博物館として有名で、2023年7月にリニューアルされたことも増加に影響したのではないかと考えられます。また、大師山清大寺は日本一の大きさと言われている越前大仏や、安置されている多数の仏像や五重塔なども「日本特有の風景」として、桜の時期とあわせて外国人旅行者の注目を集めたと考えられます。


写真:福井県立恐竜博物館(福井県勝山市)

3位:三重県鈴鹿市(7.17倍)
鈴鹿市での滞在エリアを確認すると、鈴鹿サーキットでの滞在が多いことが確認できました。

今年、初めて春に開催され、大きな注目を集めたF1日本グランプリの開催地である、鈴鹿サーキット周辺に集中していることが分かります。鈴鹿市によると当イベントは「4月5日~7日の3日間に渡る開催で延べ22万9千人の来場があり、うち5万人ほどが海外からの訪問者」また「モータースポーツが盛んな欧米のほか、韓国・台湾・フィリピン・香港などのアジア圏からの来訪も見られ、日本への渡航距離が比較的近いことも影響しているのでは」とありました。


鈴鹿市の来訪者がどこから出発しているかを確認すると、特に名古屋で多くの滞在が確認でき、中部国際空港からのアクセスのよさ、鈴鹿サーキットへの臨時特急の運行などの利便性の高さが主な理由であると考えられます。

写真:鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)

2.桜をきっかけにした来訪


7位:奈良県高取町(4.17倍)
高取町での滞在エリアを確認すると、壷阪寺(南法華寺)での滞在が多いことが確認できました。

高取町の壷阪寺(南法華寺)では桜と大仏の組み合わせ(桜大仏)が美しいことから、海外のインフルエンサーのSNSで投稿されたことで注目を集めています。高取町によると「特に桜の見頃時期となる4月上旬の週末には3日間で延べ1万人が来訪」しており、多くの外国人観光客が訪れ、その関心の高さがうかがえます。


写真:壷阪寺(南法華寺)の桜大仏(奈良県高取町)

3.人気観光地の周辺観光を楽しむ旅


4位:大分県宇佐市(6.80倍)
宇佐市での滞在エリアを確認すると、九州自然動物公園・アフリカンサファリでの滞在が多いことがわかりました。

アフリカンサファリは体験型のサファリパークで、訪日外国人に人気の温泉地として有名な別府市との市境に近いという立地背景もあり、別府とあわせて観光されていると考えられます。


宇佐市を目的地とした移動の出発地からも、特に別府市からの来訪が多いことが確認できます。


写真:アフリカンサファリ(大分県宇佐市)

6位:群馬県嬬恋村(4.40倍)
嬬恋村の滞在エリアを分析すると、鬼押出し園や浅間山観音堂の滞在が多いことが確認できました。

鬼押出し園や浅間山観音堂では、高地にある敷地内に大小多数の溶岩が積み上がる独特の風景を見ることができます。

嬬恋村への移動の出発地を確認すると、軽井沢町からの移動が多く、軽井沢の観光だけでなく、嬬恋村まで足を延ばして自然景観などを楽しむ旅行者が増えているのではと考えられます。

写真:鬼押出し園(群馬県嬬恋村)

 ナビタイムジャパンの移動データ事業では、訪日外国人観光客の動態を明らかにする行動データ分析を通じて、日本全国の各地域で様々な風習や伝統を持つ日本の魅力の発掘に貢献できればと考えています。


■訪日外国人滞在数増加率ランキング
訪日外国人観光客向けナビゲーションサービス『Japan Travel by NAVITIME』2023年3月~5月と2024年3月~5月を比較


●移動データ事業について
ナビタイムジャパンの移動データ事業では、道路交通や公共交通、国内観光や訪日外国人について、移動に関する各種ビッグデータを活用した分析を行っています。
(HP:https://data.navitime.co.jp/
●お問い合わせ先
移動データ事業お問い合わせフォーム
https://data.navitime.co.jp/contact/

●関連プレスリリース
・(2024/3/5)訪日外国人旅行者が訪れる冬の人気急上昇エリアを分析
https://corporate.navitime.co.jp/topics/pr/202403/05_5713.html

●「インバウンドGPS」データについて
「インバウンドGPS」データとは、ナビタイムジャパンが提供する訪日外国人観光客向けナビゲーションアプリ『Japan Travel by NAVITIME』(https://www.navitime.co.jp/pcstorage/html/japan_travel/english/)にてユーザーの同意を得て取得された、訪日外国人観光客の移動に関するデータです。


●画像提供(敬称略)
・一の堰ハラネの「春めき」:南足柄市役所 秘書広報課 広報広聴班、商工観光課
・ティラノサウルスのロボット:福井県立恐竜博物館
・鈴鹿サーキット:鈴鹿F1日本グランプリ地域活性化協議会
・アフリカンサファリの象:アフリカンサファリ
・鬼押出し園:嬬恋村観光協会
・桜大仏:壷阪寺
・高屋神社「天空の鳥居」:観音寺市観光協会
・浦添西海岸(サンセット):浦添市観光振興課

※公開している画像の利用をご希望される場合は、ナビタイムジャパンまでご連絡ください。

※「NAVITIME」「インバウンドGPS」は、株式会社ナビタイムジャパンの商標または登録商標です。
※その他、記載されている会社名や商品名等は、各社の商標又は登録商標です。

他の画像

関連業界