機能性ペプチド「SR-0379」の追加第Ⅲ相臨床試験実施のお知らせ

2024/07/05  株式会社 ファンペップ 

2024 年7月5日
株式会社ファンペップ

機能性ペプチド「SR-0379」の追加第Ⅲ相臨床試験実施のお知らせ
~特定の患者集団における有効性を確認~


当社は、皮膚潰瘍を対象疾患として開発中の機能性ペプチド「SR-0379」について、2021年6月から実施した第Ⅲ相臨床試験(SR0379-JP-SU-01試験、以下「01試験」といいます)結果に基づき、早期の承認取得を目指した(01試験の有効性の再現性を確認するための)追加の第Ⅲ相臨床試験(SR0379-JPSU-02 試験、以下「02試験」といいます)を実施することを決定しましたのでお知らせします。02試験の開始時期は、2025年1Qを予定しております。

皮膚のバリア機能が欠損して様々な細菌が創面に付着している皮膚潰瘍の治療には、細菌、感染のコントロールが重要です。SR-0379は、血管新生や肉芽形成促進による創傷治癒促進作用に加え、抗菌活性を併せ持つことが強みです。当社は、SR-0379の開発により、高齢化社会を迎え重要性が増している褥瘡や糖尿病性潰瘍等の皮膚潰瘍の早期回復を促進し、患者様の QOL 向上に貢献することを目指しております。当社は、現在、塩野義製薬株式会社との共同開発により日本での開発を進めております。

01 試験は、多施設共同二重盲検比較試験で、皮膚潰瘍患者126例が、SR-0379群又はプラセボ群(1:1)に割付けられ、治験薬は1日1回、28日間投与されました。

その結果、主要評価項目である「外科的処置に至るまでの日数」に関して SR-0379 群とプラセボ群との間で統計学的な有意差は認められなかったものの、約8割の症例(101症例)に対する事後部分集団解析(潰瘍サイズ(長径×短径)36 cm2未満)では、外科的処置に至るまでの日数の中央値はSR-0379群22.0日、プラセボ群27.0日で約5日間短く、SR-0379群はプラセボ群に対して統計学的な有意差が確認されました(p=0.0270(一般化ウィルコクソン検定))。安全性に関しては、治験薬と因果関係がある有害事象はなく、SR-0379の高い安全性が確認されました。

当社は、上記の01試験で効果がみられた皮膚潰瘍患者(潰瘍サイズ(長径×短径)36cm2未満)を対象に、有効性の再現性を確認するための02試験を実施する予定です。

01 試験の対象患者が有する「植皮等の外科的処置が必要な皮膚潰瘍」は、皮膚が深く欠損した状態にあり、皮膚の再生組織である良性肉芽の形成を促進して創底の状態を改善し、植皮等が生着可能な状態まで皮膚潰瘍を早期に改善させることが重要であります。

比較的大きい皮膚潰瘍に対しては、早期の肉芽形成を促進する陰圧閉鎖療法(注)が積極的に行われていますが、01試験の事後部分集団解析で効果が確認され、02試験で対象とする比較的小さな皮膚潰瘍に対しては機器の仕様や取扱者/取扱環境から陰圧閉鎖療法の適用は限定的でありアンメットメディカルニーズが存在します。

当社は、この医療ニーズを満たす皮膚潰瘍に対する新しい治療選択肢として、SR-0379の早期承認を目指した02試験を実施いたします。

当社グループは、02試験の開発費として、2024年12月期から2027年12月期までの間に約11億円を計上する予定です。それに伴い、2024年5月13日に「2024年12月期第1四半期決算短信」で公表した2024年12月期の研究開発費の予測値は500百万円から600百万円に変更いたします。

(注)陰圧閉鎖療法(NPWT:Negative Pressure Wound Therapy)は、創面全体を閉鎖性ドレッシング材で覆うことにより創面の陰圧閉鎖環境を保ち、創部を管理する方法です。

以上

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