パラ系アラミド長繊維のリサイクル技術を開発 [テイジン・アラミド]

2021/11/04  帝人 株式会社 

2021年11月 4日
テイジン・アラミドB.V.

持続可能な社会の実現に貢献する取り組み
パラ系アラミド長繊維のリサイクル技術を開発


帝人グループでアラミド事業を展開しているテイジン・アラミドB.V.(オランダ・アーネム市、社長:ペーター・テル・ホルスト)は、このたび、パラ系アラミド「トワロン」長繊維のリサイクル技術を開発し、長繊維からリサイクル長繊維を再生するパイロット生産に成功しました。

1.背 景

(1)テイジン・アラミドは、自社製品において持続可能な社会の実現に貢献する取り組みとして、これまで 20 年以上にわたり、長繊維状の「トワロン」を使用したロープやケーブル、タイヤなどの使用済み最終製品を回収し、パルプ状にリサイクルして、自動車のブレーキパッドやガスケットといった用途に向けて再利用する事業を展開しています。

(2)また、近年は、「トワロン」を使用することによる環境への影響を定量化できる独自の換算システム導入、バイオ由来原料を使用した「トワロン」生産技術の開発を行い、さらに 2021 年には、「トワロン」のライフサイクルにおけるCO2排出量を 2014 年対比で約 30%削減しました。

(3)こうした環境に配慮した取り組みを一層強化する中で、このたび、使用済みの「トワロン」長繊維をリサイクルし、再び長繊維として生産する技術を開発して、そのパイロット生産に成功しました。

2.今次開発したリサイクル技術について

(1)このたびパイロット生産に成功したのは、回収された使用済み最終製品に用いられた繊維を短く切断して、それをさらに細かく刻んだものをバージン原料と合わせて溶融し、紡糸したものです。

(2)これにより再生された長繊維の性能は、バージン品である「トワロン」長繊維とほぼ同等であることが確認されており、テイジン・アラミドでは、このリサイクル長繊維に関する技術特許を現在出願中です。

(3)テイジン・アラミドはこの技術開発に伴い、オランダの工業・産業向けケーブルメーカーであるファイバー・マックス社(オランダ・ヤウレ市)、および海運・漁業向けロープなどのメーカーであるハンプジャン社(アイスランド・レイキャビク市)と連携し、このリサイクル長繊維を 9 割以上使用した最終製品において実証試験(*)を進めています。

(*)ファイバー・マックス社においては土木工事などで使用するクレーン向けの高強力ケーブル、ハンプジャン社においては海運・漁業などにおいて使用する高強力ロープについて、実際の使用環境における実証試験を行っている。

3.今後の展開

(1)テイジン・アラミドは、リサイクル素材による最終製品を使用することが未来の社会における「ニューノーマル」になるとの信念のもと、2024 年の販売開始を目指し、このリサイクル長繊維の改良を重ねていきます。

(2)また、CO2排出量ゼロの実現に向け、持続可能なバリューチェーンの実現を目標に、パートナー企業や顧客企業との連携を一層強化し、アラミドを使用した様々な用途の最終製品を回収してリサイクルを推進していきます。

(3)テイジン・アラミドは、今後も持続可能な循環型社会の実現に向けた事業戦略を一層強化し、帝人グループとして、2050 年度までにCO2排出量を実質ゼロとすること、および長期ビジョンである「未来の社会を支える会社」となることを目指していきます。

以 上

【 当件に関するお問合せ先 】
帝人株式会社 コーポレートコミュニケーション部 TEL:(03)3506-4055

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