低炭素排出型メタノールの販売開始について
2023/05/10
丸紅株式会社
丸紅株式会社(以下、「丸紅」)は、中国の麦芬隆上海環境工程技術有限公司(以下、「MFES」)と、MFESが出資し販売権を有する安陽順利環保科技有限公司(以下、「順利」)が製造する低炭素排出型メタノール(Circular Methanol)(以下、「本製品」※1)の、中国を除くアジアにおける販売権の取得に関して合意書を締結しました。
昨今、各業界において、温室効果ガス(以下、「GHG」)削減策について様々な検討が進んでいますが、その中の一つとして、排気ガスや大気から回収したCO2を化学品や燃料の原料として活用するCCU (Carbon dioxide Capture and Utilization)の開発が進んでいます。本製品はCCUに該当し、丸紅は本製品の拡販を推進することでGHG排出削減に寄与すると共に、顧客の環境配慮型製品へのニーズに応じていきます。
(河南省安陽市に立地する順利のメタノール工場)
本製品は、2022年9月に商業運転を開始した順利の工場において、Carbon Recycling International 社 (※2)のCO2と水素からメタノールを製造する技術(以下、「Emissions to Liquids技術」)を使用し、順利のメタノール工場付近に立地する酸化カルシウム(生石灰)工場の製造工程で排出されるCO2と、順利の出資者である河南順城集団子会社のコークス製造工場から排出されるコークス炉ガス内の水素を合成して製造されます。
この工場は、年間11万トンの本製品の製造能力を有し、CO2と水素のみからメタノールを合成製造する世界初の商業大型プラントです。天然ガスや石炭から製造するメタノールとは異なり、製造過程でのCO2吸収・利用量が排出量を上回るメタノールを製造することができます。
丸紅は、本製品を皮切りに、環境配慮型メタノールを化学品用途や燃料用途向けに販売促進することで、CO2排出量の削減に繋がる循環経済の構築に取り組んでいきます。
(※1)Emission to Liquids技術を使用し、排気ガス内のCO2と水素を再利用しメタノールを生産することからCircular Methanolと呼称し、化石燃料から製造するメタノールと区別している。(※2)アイスランドの企業で、CO2と水素からメタノールを製造する技術を保有しており、MFESに出資している。
【各社概要】 |
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<MFES> |
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会社名 |
: |
上海環境工程技術有限公司 |
本社所在地 |
: |
中華人民共和国上海市 |
設立 |
: |
2019年 |
代表者 |
: |
湯 寅 |
事業内容 |
: |
化学品、環境保全技術などの製造技術の輸出入、技術開発、技術コンサルティング |
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<順利> |
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会社名 |
: |
安陽順利環保科技有限公司 |
本社所在地 |
: |
中華人民共和国河南省安陽市 |
設立 |
: |
2019年 |
代表者 |
: |
孟 徳偉 |
事業内容 |
: |
低炭素排出型メタノール(Circular Methanol)の製造・販売 |
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<Carbon Recycling International 社> |
会社名 |
: |
Carbon Recycling International |
本社所在地 |
: |
Kopavogur, Iceland |
設立 |
: |
2006年 |
代表者 |
: |
Björk Kristjánsdóttir |
事業内容 |
: |
Emission to Liquid技術の開発、販売 |
ホームページ |
: |
www.carbonrecycling.is |
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<河南順城集団> |
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会社名 |
: |
河南省順成集団 |
本社所在地 |
: |
中華人民共和国河南省安陽市 |
設立 |
: |
1997年 |
代表者 |
: |
王 志強 |
事業内容 |
: |
コークス、コールタール、粗ベンゼン等の製造・販売等 |
ホームページ |
: |
www.hnscjt.com |
以 上