「投資信託交付目論見書」の電子交付に関する実証実験の完了について~金融庁「FinTech実証実験ハブ」支援案件の完了~ [新生銀行]

2022/06/28  SBIホールディングス 株式会社 

「投資信託交付目論見書」の電子交付に関する実証実験の完了について
~金融庁「FinTech実証実験ハブ」支援案件の完了~

2022年6月28日
株式会社新生銀行

当行は、金融庁が2017年9月に設置した「FinTech実証実験ハブ」の支援案件の7例目として採用され、2020年5月より、投資信託の交付目論見書の電子交付において、HTML形式により作成された目論見書を用いることにより、投資信託の販売時における商品内容の説明実務の高度化や、顧客の利便性・満足度の向上が可能かの検証を行いました。今般、本実証実験が終了しましたので、お知らせいたします。

新生銀行グループでは、中期経営計画「新生銀行グループの中期ビジョン」において、3年後に目指す姿の一つとして「先駆的・先進的金融を提供するリーディングバンキンググループ」となることを掲げており、その実現に向けては、「顧客中心主義」を徹底し、お客さまの立場に立ったサービスの提供を図るべく、最新テクノロジーの徹底的な活用を推進しております。その体現にもつながる本実証実験で得られた結果や様々な知見を、SBIグループ各社(SBI証券、SBIマネープラザ、モーニングスター等)とも共有し、デジタルツールの高度化などに活用することで、お客さまにとって分かりやすく、充実した内容の情報提供などが実現するよう、より一層顧客利便性の高いサービス提供に努めてまいります。

【本実証実験の概要】

・ 実証実験の内容
本実証実験では、各投資信託委託会社が、実際に販売されている自社の投資信託についてHTML形式による交付目論見書を作成し、販売会社である新生銀行は、交付目論見書の電子交付および実証実験に関する同意を得られた顧客に対し、HTML形式による目論見書を用いて商品説明を実施しました。事後的に、顧客・販売スタッフへのアンケート等による分析を行い、課題の洗出し等を行いました。なお、実際の販売の際には、従前と同様のPDF形式による目論見書も交付し、規則等の交付要件を充足させるとともに、HTML形式との比較検討も行いました。本実証実験は以下概要のとおり、それぞれ異なる方式で3回にわたって実施されました。

1.基本となるHTML形式による実験

・ 既存のPDF版の交付目論見書から記載内容は変えずに、その内容をWEBページとして閲覧できるようHTML化したもの(「基本版HTML」)による実験。

2.基本版HTMLを発展させた形での実験

・ 上記の「基本版HTML」と同様の形態をベースとしつつ、最新情報(買付可能日がわかるカレンダーや、最新の基準価額が載っている委託会社のファンド紹介WEBページへのURL等の情報)や、初心者にとってわかりにくい用語の解説等を交付目論見書自体に添えたHTMLコンテンツ(「発展版α」)による実験。

3.基本版HTMLと重要情報シートを組み合わせた実験

・ 交付目論見書自体は基本版HTMLのものとしつつ、重要情報シート(個別商品編)内に、販売会社側で作成した商品に関する情報や用語解説等の投資初心者にも有用なコンテンツの導線を設けて、そこで運用開始前から運用開始後まで必要となる情報を一元的に提供できるよう加工したもの(「発展版β」)による実験。

電子コンテンツの表示イメージ

・ 実験場所
新生銀行の店舗の店頭

・ 実施期間
2020年10月から2021年8月まで

・ 実証実験用の電子コンテンツ提供の協力会社
ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント株式会社
SOMPOアセットマネジメント株式会社
PayPayアセットマネジメント株式会社
三井住友DSアセットマネジメント株式会社

・ 実験結果
一連の実験を経て、交付を受けた目論見書を書面(紙)として残しておきたいという需要も一部存在するものの、HTML版は他の形式と比べて、視認性や利便性が評価されていることが確認できました。また、解説や最新情報の提供により、投資を行う顧客(特に投資初心者)にとって不明瞭な点を払拭し、常に最新情報へのアクセスが確保されていることの重要性が示されました。他方で、関連する規則等の中にはHTML形式での目論見書の交付を前提としない規定も存在することや、書面形式を併用する場合のコスト面への対応の必要性等の課題も確認されました。
実験結果については、金融庁HP(https://www.fsa.go.jp/news/r3/sonota/20220628/20220628.html)の「FinTech実証実験ハブ結果報告」もご覧ください。

・ 金融庁の主なコメント

・ 第17回金融審議会市場制度ワーキング・グループにおける「顧客への情報提供の充実とデジタル化」の議論において本実証実験にも関連する議論が行われ、今後も継続してデジタルツールも活用した顧客への情報提供の充実について制度の在り方等を検討する。また、発展版βにおける重要情報シートの活用は令和3年1月に改訂された「顧客本位の業務運営に関する原則」(FD原則)の原則5に照らしても評価し得るものである。

・ 今後、こうしたデジタルツールの活用により、顧客に対する分かりやすい形での充実した内容の情報の提供並びに環境配慮(紙資源節減・配送時のCO2削減)及び金融事業者のコスト削減、さらには顧客への利益還元が期待される。

【FinTech 実証実験ハブについて】
金融庁は、フィンテック企業や金融機関等が、前例のない実証実験を行おうとする際に抱きがちな躊躇・懸念を払拭するため「FinTech実証実験ハブ」を設置しました。FinTech 実証実験ハブでは、フィンテック企業や銀行等が、実験を通じて整理したいと考えている論点(コンプライアンスや監督対応上のリスク、一般利用者に向けてサービスを提供する際に生じうる法令解釈に係る実務上の課題等)について、継続的な支援を行うこととしています。

以上

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