アークランズ株式会社によるアークランドサービスホールディングス株式会社の完全子会社化に関する株式交換契約締結のお知らせ

2023/04/14  アークランドサービスホールディングス 株式会社 

2023 年4月 14 日
ア ー ク ラ ン ズ 株式会社
アークランドサービスホールディングス株式会社

アークランズ株式会社によるアークランドサービスホールディングス株式会社の完全子会社化に関する株式交換契約締結のお知らせ

アークランズ株式会社(以下「アークランズ」といいます。)及びアークランドサービスホールディングス株式会社(以下「アークランド SHD」といい、アークランズとアークランド SHD を総称して、以下「両社」といいます。)は、本日付の両社の取締役会決議により、アークランズを株式交換完全親会社、アークランドSHD を株式交換完全子会社とする株式交換(以下「本株式交換」といいます。)を実施することを決定し、本日、両社間で株式交換契約(以下「本株式交換契約」といいます。)を締結いたしましたので、下記のとおりお知らせいたします。

なお、本株式交換は、2023 年5月 25 日開催予定のアークランズの定時株主総会及び 2023 年6月 22 日開催予定のアークランド SHD の臨時株主総会の決議による本株式交換契約の承認を得た上で、2023 年9月1日を効力発生日として行われる予定ですまた、本株式交換の効力発生日に先立ち、アークランド SHD の普通株式(以下「アークランド SHD 株式」といいます。)は、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)プライム市場において上場廃止(最終売買日は 2023 年8月 29 日)となる予定です。

1.本株式交換による完全子会社化の目的

アークランズは、1970 年7月、利器工匠具を中心とした金物類の卸売を目的として設立され、1978 年にホームセンター1号店を開業以降、圧倒的な品揃えを誇る大型ホームセンターのムサシを事業の核に着実に成長を続けてまいりました。そして、アークランズは、2020 年 10 月には株式会社 LIXIL ビバ(アークランズによる完全子会社化後、株式会社ビバホームに商号を変更。以下「ビバホーム」といいます。)を完全子会社化し、2022 年9月にはスピーディかつ更なるシナジーの創出を目的にビバホームと合併するとともに、ワンチームとしての新たな誕生への想いを込めて、商号を「アークランドサカモト株式会社」から「アークランズ株式会社」に変更いたしました。アークランズは、本日現在、子会社 13 社及び関連会社5社(うち、持分法適用会社4社)を有し、アークランズグループ(アークランズを中核企業とした企業グループをいいます。以下同じです。)全体で、一般消費者・プロ(業者)向けに住生活関連用品、家庭用品、食品等を販売する小売事業、DIY 関連用品を主力に全国及びアークランズグループのホームセンターに販売する卸売事業、とんかつ専門店「かつや」等の飲食店を経営する外食事業並びに店舗開発の一環として不動産を賃貸・管理する不動産事業を行っております。

アークランズグループは、「人づくりこそ企業づくり 関わりあうすべての人たちと 夢と幸せのわかちあい」を経営理念として、品質を第一に商品を選択し、お客様にできる限り低価格で提供できるように努めております。特に小売部門においては、店舗規模及び地域特性を生かした品揃えとより一層の顧客サービスにより「お客様に圧倒的に支持される店舗づくり」を第一とし、同時に「楽しくなければ売場ではない」という考え方のもと、お客様が「わくわく」される店舗づくりに取組んでおります。

一方、アークランド SHD は、本日現在、子会社 10 社及び関連会社4社(うち、持分法適用会社3社)(アークランド SHD と併せて、以下「アークランド SHD グループ」といいます。)により構成されており、とんかつ専門店「かつや」を中心とした飲食店の経営及びフランチャイズチェーン本部の運営を主たる事業としております。アークランド SHD は、親会社であるアークランズが 1975 年以降の外食マーケットの成長と時代の流れを読み、外食マーケットの拡大を確信したことから、1986 年4月に立ち上げたアークランズの外食事業部(以下「外食事業部」といいます。)が発祥です。当時、モータリゼーションの進展に伴う生活行動圏の拡大とともに、小売業はロードサイドビジネス隆盛の波にのって事業を急拡大しており、アークランズが事業展開していた小売業の一種であるホ-ムセンター事業においても、店舗を出店すれば収益を上げられるという時代を迎えていました。アークランズは、このような時代の波にのり、ホームセンター事業の売上高を順調に伸ばすと共に、ホームセンターの駐車場の利用可能性とロードサイドビジネスという共通点を持つ外食事業に着目し、外食事業部を設けて外食事業に進出いたしました。特にアークランズが外食事業部として最初に取り組んだファミリーレストラン事業は、当時の外食事業の代表であり、収益性の高い業態でありました。

その後、昭和から平成にかけて社会的に外食文化が著しく浸透し、外食事業部もファミリーレストラン業態の「CASA」やカフェ業態の「ドトールコーヒーショップ」のフランチャイジーとして出店を重ね、外食事業としての経験を積むことにより確実に力を蓄えることができました。外食事業部の売上規模の拡大につれて組織も大きくなったため、外食事業部の更なる事業の拡大のために、アークランズは、1993 年3月に新潟県三条市においてアークランド SHD を設立した上で、アークランズの外食事業部の営業をアークランド SHD に譲渡し、アークランズから外食事業部を分社独立させ、これ以降、アークランド SHD は、アークランズによる 100%出資の子会社として外食事業を開始いたしました。

アークランド SHD グループは、創立以来、「永劫繁栄」「成果主義」「少数精鋭」「不可能と思うことを可能にする挑戦」という企業理念をもとに、日常食からハレの日の食事まで、食を通して一人でも多くのお客様に新しい価値をお届けできる様に邁進してまいりました。アークランド SHD は、1998 年8月に、現在の主力事業であるとんかつ専門店「かつや」の1号店を神奈川県相模原市に開店し、1999 年7月に「かつや」のフランチャイズ事業への展開を開始することにより、強固な企業基盤を築いてまいりました。その後も、アークランド SHD は着実に事業を拡大しておりましたが、直営店舗の展開が新潟、北陸、首都圏のみにとどまる等の課題もあり、更なる規模の拡大や競合他社との差別化、及び自立的な成長、知名度の向上を目的とし、2007 年8月にジャスダック証券取引所にアークランド SHD 株式を上場いたしました。その後も順調な成長を遂げ、規模の拡大に伴い、2014 年6月に東京証券取引所市場第一部へと上場市場を変更し、現在は東京証券取引所プライム市場に上場しております。

アークランド SHD グループは、現在では 15 ブランドの飲食店を展開し、2022 年 12 月末現在、国内 676店、海外 89 店、合計 765 店へと事業を拡大し、上場当初に目的としていた競合他社との差別化、自立的な成長、知名度の向上等を通じて、規模の拡大を実現してまいりました。特に、主力業態である「かつや」を更に飛躍させるべく、店舗におけるQSCA(Quality、Service、Cleanliness、Atmosphere)の維持・向上及び既存商品の改善と業態の拡張に注力するとともに、新業態の開発にも積極的に取り組み、「かつや」に次ぐ新業態の開発を積極的に行い、事業規模の拡大を図っております。

近年における両社の事業環境としては、アークランズが事業を展開するホームセンター市場は、2000 年以降、成熟期に入り、市場の成長は横ばいの状態が続いている一方で、ホームセンターの店舗数は増加し続けており、店舗間の競争は厳しさを増し、近年は新規出店での売上成長は難しい状況になっております。また業界全体で面積当たりの売上が減少の一途を辿っており、既存店による売上成長も容易ではない状況となっております。更にホームセンターは商材の差別化が容易ではないため価格競争に陥りやすく、近年はGMS(総合スーパー)、ドラッグストア、ディスカウントストア、100 円ショップ、低価格帯のインテリア・家具専門店など他業態の小売店が勢力を強めております。特に直近では、それらの業態がモール化し、外食事業を含めた衣食住のサービス提供に乗り出しているほか、「Amazon」を始めとする EC(電子商取引)サイトの台頭もホームセンター業界にとって脅威となっており、業界を取り巻く競争環境は激化の一途を辿っております。今後も、各社が継続的な成長を実現していく難易度は上がってきており、ホームセンター業界においては統合・再編が進行しております。アークランズも、その一環として、上記のとおり、2020 年 10 月にはビバホームを完全子会社化し、2022 年9月にはスピーディかつ更なるシナジーの創出を目的にビバホームと合併いたしました。もっとも、アークランズにおけるホームセンター事業については、ビバホームと合併・統合したことにより「規模の拡大」が一定の水準に達したといえる一方で、未だ収益性の改善余地は大きく、ビバホームとのシナジー創出による効率化・生産性向上等の「質的な向上」の実現と加速が喫緊の課題であると考えております。

一方、アークランド SHD が属する外食業界においては、新型コロナウイルスの感染拡大からの正常化に向けた持ち直しの動きが見られ、いわゆる「ウィズコロナ」「ポストコロナ」へ移行しつつありますが、人手不足による人件費コストの上昇に加え、世界的な物価上昇、長引くウクライナ情勢の緊迫等による仕入価格の高騰等、非常に厳しい事業環境が続いております。また、デリバリーやテイクアウト需要の高まりなど、食の消費行動にも大きな変化が生じており、その変化に対して効果的な対策を迅速に講じることが強く求められております。特に、食の消費行動の変化のスピードは著しく、流行の流れや食材へのイメージ、経済や文化的背景により急激に環境が変化する状況にあります。こうした状況の中、アークランド SHD における飲食事業は、「かつや」「からやま」において、宅配を含めたテイクアウトの売上がそれぞれ売上全体の半数ほどを占めるに至るなど、機敏に環境の変化に対応してきております。アークランド SHD の飲食事業は、このような状況においても安定した収益性を有しておりますが、人手不足による人件費コストの上昇に加え、世界的な物価上昇、長引くウクライナ情勢の緊迫等による仕入価格の高騰等、非常に厳しい事業環境の中において、更に企業価値を向上させるためには、新規出店の加速といった自社の内部資源を活用した成長だけではなく、M&A を含めた様々な事業投資を通じた非連続的な成長による「規模の拡大」や、(アークランド SHDの主力カテゴリーである「かつや」(国内)は、前連結会計年度におけるアークランド SHD グループの売上高の 59.3%を占めており、「かつや」(国内)事業への業績の依存度も高くなっていることを踏まえた)新業態の事業発掘・ポートフォリオ構築が必要であると考えております。しかしながら、アークランド SHD では、採用人材の定着率を最大の課題と認識しているものの、当該課題に対する効果的な対応策の検討に苦慮する状況が継続していることから、アークランド SHD 単体での課題解決と「規模の拡大」や新業態の事業発掘・ポートフォリオ構築の実現が困難な状況となっております。

以上のように、両社が分社独立した当時に思い描いていたそれぞれの成長を遂げた今、両社を取り巻く事業環境や消費者の生活及び価値観は急激かつ根底から大きく変化しております。両社は、両社がどのような時代でも常にお客様に選ばれ続ける企業になるべく、より一層の中長期的な成長を遂げていくためには、各社の抱える課題やこれらの変化がもたらす課題を正確に把握し、これらの課題を柔軟かつ迅速に解決できるような体制を構築すべき転換期を迎えていると考えております。両社は、その中で、両社が更なる企業価値向上を図るためには、両社が単独かつ独立した上場会社として個別に成長を追求するのではなく、アークランズのコア事業であるホームセンター事業及びアークランド SHD のコア事業である飲食事業をアークランズグループ全体の企業価値向上の両輪として位置付け、両社が一体となって戦略的なグループ経営を通じて、両社の有する経営資源を活用し、上記のような課題解決に向けて協働することが、アークランド SHD の企業価値向上にとどまらず、アークランズグループ全体の企業価値向上に資するものと考えております。

このように、アークランズは、アークランズグループ全体の企業価値を更に成長させるためには、両社が単独かつ独立した上場会社であることを前提とした親会社と連結子会社間の取引・協力にとどまらず、完全親子会社関係を形成し、両社が完全に一体となって経営を行うことで、上記のような課題解決の実現と「住・食」関連事業を更に深耕・発展させ、消費者の生活により近い形で網羅的なサービスを提供できるような関係性を両社の間で構築することが必要であると考え、アークランズは、2021 年9月頃からアークランド SHD の完全子会社化についての検討を進め、アークランド SHD とも協議を行いました。もっとも、その際は、両社が完全に一体となって経営を行うことを通じてホームセンター事業及び飲食事業を有機的に強化・成長させる将来像について、両社の認識が一致するに至らなかったことから、2022 年2月頃に協議・検討を打ち切りました。しかし、その後も上記のような事業環境が継続する中で、新型コロナウイルスの感染拡大からの正常化に向けた持ち直しの動きに伴い、アークランズにおけるホームセンター事業において感染拡大防止需要と外出自粛による巣ごもり商品のニーズ取込み効果が剥落したこともあり、ホームセンター事業の成長のみでアークランズグループ全体の企業価値を最大化することは効率的ではなく、最良の手法ではないと感じたことから、アークランズは、アークランズにおけるホームセンター事業とアークランド SHDにおける飲食事業を有機的に連携させつつ両事業を成長させることでアークランズグループ全体の企業価値を最大化するという将来像をより明確に持つに至りました。アークランズは、これまでも、両社がアークランズグループ全体の企業価値向上という視点から一体となって戦略的にグループ経営を行うことを目指してまいりましたが、両社は互いに独立した上場会社であり、それぞれが自社の企業価値向上を第一に考えて経営に取り組む責務を負っているため、そのような構造上の利益相反のリスクが内在する親子上場の状態を維持したままでは、アークランズグループ全体の企業価値を最大化するという将来像の実現にグループとして最優先で取り組むことが構造上難しいと感じ、両社が完全に一体となって経営を行う必要性を一層痛感いたしました。これに加えて、下記に記載の親子上場に対する世論も年々厳しさを増している状況も踏まえて、アークランズは、2022 年9月頃から改めてアークランド SHD の完全子会社化についての検討を開始することといたしました。

アークランズは、このような検討に際して、2021 年3月に公表した「中期経営計画 LIFE(2021 年度~2024 年度)」において 2024 年度までの期間を、グループシナジーを追求する期間として位置付け、「売上高伸長」、「荒利益率改善」、「販売管理費低減」の3点を基本戦略としてアークランズグループ全体でのシナジー創出に取り組んでおりますが、アークランド SHD の完全子会社化によって、顧客基盤の拡大及び M&A 活性化による「売上高伸長」や、梱包資材の共同調達による「販売管理費低減」といった効果の創出が見込まれるものと考えております。

同時に、近年、上場子会社のガバナンスに関して構造上の利益相反のリスクに対する否定的な声とその対応策の強化を求める動きが高まっており、経済産業省策定の 2019 年6月 28 日付「グループ・ガバナンス・システムに関する実務指針」や、2021 年6月 11 日に再改訂されたコーポレートガバナンス・コード等においても、上場子会社のガバナンスの透明性や公正性について様々な対応が求められております。このように、近年におけるグループ企業に対しては、グループ全体の資本効率の改善も資本市場において強く求められる傾向にあるものと認識しております。更に、このような親子上場を取り巻く環境に加えて、東京証券取引所の市場再編により、プライム市場ではガバナンス面での更なる強化を要請されることとなり、その対応として経済的・事務的な負担も増加しております。これらの動向を受け、アークランズは、グループ全体の中長期的な事業ポートフォリオ戦略や企業価値向上及びガバナンス体制の強化、資本効率の改善の観点から、グループガバナンスの設計及びアークランド SHD 株式に関する取り扱いについても慎重に検討を重ねてまいりました。

これらの検討の結果、アークランズは、アークランド SHD グループを含むアークランズグループとしての強みを最大限に発揮し、アークランズグループ全体の企業価値を最大化するには、アークランズとアークランド SHD のそれぞれが上場企業として独立性を維持するよりも、本株式交換の実行によりグループ一体となって、顧客基盤の強化・拡大や新業態の開発を図り、柔軟かつ機動的な経営戦略を実行することが最善であり、本株式交換の実行がアークランズ及びアークランド SHD 両社にとって最適な選択肢であるものと考えるに至り、2022 年 12 月 13 日にアークランズからアークランド SHD に対して本株式交換の提案を行いました。

アークランド SHD は、親会社で支配株主であるアークランズからの提案を受けて、本株式交換を含むアークランズによるアークランド SHD の完全子会社化のための取引(以下「本件取引」といいます。)に係る具体的検討を開始することといたしました。また、アークランド SHD は、本件取引に関する具体的な検討を開始するに際し、アークランド SHD 取締役会において、本件取引の是非を審議及び決議するに先立って、本件取引に係るアークランド SHD の意思決定に慎重を期し、また、アークランド SHD の取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保するとともに、アークランド SHD の取締役会において本件取引を行う旨の決定をすること(本件取引の内容として公開買付けが行われる場合、当該公開買付けに対して、アークランド SHD が特定の内容の意見表明を行うことを含みます。)がアークランドSHD の少数株主にとって不利益なものであるかどうかについての意見を取得することを目的として、2023 年1月 10 日に、支配株主であるアークランズとの間で利害関係を有しない独立した委員から構成される特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。詳細については、下記3.(4)「公正性を担保するための措置(利益相反を回避するための措置を含む。)」に記載のとおりです。)を設置し、併せてアークランズ及びアークランド SHD は、外部専門家を起用する等の具体的検討に向けた体制を整備いたしました。

両社は、両社による検討及び協議の結果、本株式交換によりアークランド SHD がアークランズの完全子会社となることで、アークランズとアークランド SHD の少数株主間の構造的な利益相反が解消され、上述のような両社が抱える課題の解決及びこれを通じたアークランド SHD を含むアークランズグループの中長期的な競争力強化のために必要な経営施策を柔軟かつ迅速に実施し得る体制の構築や経営資源の相互活用による事業上の効果、更には親子上場解消に伴う経営効率の向上といったメリットがより迅速に享受可能となり、本株式交換が両社の長期的な企業価値向上に資するものであるという認識を持つとともに、両社が完全に一体となって経営を行うことを通じてホームセンター事業及び飲食事業を有機的に強化・成長させる将来像について、繰り返し両社で議論を重ねる中で、両社が単独かつ独立した上場会社であることを前提として個別に成長することのみを追求するのではなく、アークランド SHD を含むアークランズグループ全体の企業価値を最も高められる「グループ最適」を目指すべきという共通認識を有するに至りました。また、企業信用や現株主への影響などの上場廃止に伴い想定されるデメリットについても検討いたしましたが、本株式交換後も、アークランズグループの主要なグループ会社として従来と遜色ない企業信用力を維持することができると考えられること、また、アークランド SHD の株主の皆様には、本株式交換の対価であるアークランズの株式の交付を通じて、本株式交換により生じ得る価値・利益を提供することが可能であり、本株式交換を行うことがアークランズのみならずアークランド SHD の株主の皆様の為にも有益であると考えられることから、アークランズの完全子会社となることで、これに伴うデメリット以上のメリットを享受できるとの結論に至りました。

以上の結果、それぞれ本日付取締役会決議により、本株式交換の実行を決定するに至りました。本株式交換の実施後は、従来のように、アークランズ及びアークランド SHD が単独かつ独立した上場会社であることを前提として個別に成長することのみを追求するのではなく、両社が一体となり相互に協働することで、アークランド SHD の企業価値向上にとどまらず、アークランズグループ全体の企業価値向上も目指す「グループ視点」に転換し、アークランズグループ全体として企業価値を最も高められる「グループ最適」となる成長戦略をもって経営を行い、それぞれの事業環境に生じている様々な問題を解決するとともに、「事業コスト削減」や「人材確保・省力化」にも取り組んでまいります。具体的には、両社は、企業価値向上の施策として、下記の実施を検討しております。

① アークランズグループ内での連携強化によるアークランド SHD の新規出店促進

アークランズは、2023 年4月現在、ホームセンタームサシを東北地方、甲信越地方、北陸地方を中心に2府9県に展開し、またビバホームを北海道から関東、甲信、中部、関西、九州地区において 22 都道府県に展開することで、合計 144 店舗のホームセンターを展開しております。一方、アークランド SHD は、上場以降、強い独立志向のもと、独自に店舗数拡大による事業規模の拡大を図ってまいりましたが、「かつや」の大都市圏への新規出店が一定程度進んだことから、従来は 10 万人規模の商圏をターゲットとしていたところ、2023 年度からは6万人規模の小商圏へシフトするなど、新たな出店方法を模索しております。本株式交換を通じてアークランド SHD がアークランズの完全子会社となることで、アークランズグループの幅広い拠点網の活用がより一層容易となるとともに、アークランズグループのホームセンターを中心とした店舗及びその敷地内にアークランド SHD の運営する店舗をより柔軟かつ積極的に展開させることが可能となります。これらを通じて、「かつや」をはじめとしたアークランド SHD の店舗の知名度・収益性向上、集客力の強化にもつながるとともに、「住・食」をワンストップでお客様へ提供することが可能となると考えております。

加えて、アークランズグループのホームセンターを中心とした店舗及びその敷地の提供に留まらず、店舗物件情報取得のためにアークランズグループが所有する各種リソースを共有することで、更なる新規出店の促進を図ってまいります。

② M&A に関する情報共有や協力による新業態の開発や事業規模の拡大

アークランズでは、2020 年 10 月のビバホーム買収及びその後の合併に代表されるように、これまで成長戦略の一つとして M&A に取り組んでまいりました。一方で、アークランド SHD では、主力業態である「かつや」事業への業績依存度の高まりを踏まえて、「かつや」に次ぐ新業態の開発に従前より積極的に取り組んでおり、その一環として、下記③「冷凍食品事業の規模拡大」に記載のコスミックダイニング株式会社や、タイ料理専門店「マンゴツリー」、シーフードレストラン「ダンシングクラブ」を中心とした飲食店の経営やコンサルティングを行う株式会社ミールワークス(本社:東京都千代田区神田駿河台四丁目3番地新お茶の水ビルディング 14 階)の株式取得を行うなど、M&A を活用しております。今後も引き続き両社が M&A を推進する中で、アークランド SHD がこれまでに行った M&A の知見に加え、アークランズのビバホーム買収及びその後の PMI(Post Merger Integration)の知見を合わせることで、M&A 実行時における初期的検討段階から統合後の成長戦略推進までの一連の流れをより効率的に行うことができ、成長戦略の一つである M&A の実績・効果を積み上げていくことが可能になると考えております。

今後は、従来のような各社の個別戦略のみではなく、アークランズグループとしての「グループ視点」も考慮しつつ、その時々でグループにとって最適な M&A を積極的に検討・実行していく予定です。

③ 冷凍食品事業の規模拡大

アークランド SHD では、スーパーや飲食店向けのとんかつ、メンチカツ、ハンバーグなどの冷凍食品の製造及び販売を行うコスミックダイニング株式会社(商号変更により、現在の商号はコスミック SY 株式会社。本社:群馬県前橋市上泉町 65 番地3)を M&A により取得し、子会社化しておりますが、共働き世帯の増加に伴う家事時間の減少といったライフスタイル変容に関するマクロトレンドを受けた近年の中食需要の高まりにより順調に事業成長が推移しており、今後もこの傾向は続くと考えております。

このような状況において、アークランズは食品等を販売する小売事業も行っていることから、アークランズの運営する店舗にアークランド SHD が取り扱う冷凍食品等の商品を陳列することで、アークランドSHD における更なる販路の拡大が期待できると考えております。また、親子上場の状態では利益相反等により、両社間での取引に一定程度の制約があるものの、本株式交換を通じて両社が一体のグループとなることで、アークランズが展開する EC サイトである「アークランズオンライン」を通じてアークランドSHD が取り扱う冷凍食品等の商品を販売するといった取組みの実現も期待できると考えております。これらに鑑みると、アークランド SHD の冷凍食品事業に対する設備投資や M&A による当該事業に関連する会社の取得も含めて、アークランド SHD における冷凍食品事業の規模を拡大していくことが、アークランズグループ全体の企業価値向上に資するものと考えております。

④ アークランド SHD 向け包材・建築資材の PB 活用・共同調達等による事業コスト削減

近年の原材料の高騰を背景に、アークランド SHD においても店舗の改修・修繕費が増加している中で、アークランズグループが持つ卸機能を活用することで、店舗の改修・修繕に係る資材の調達費の低減化が実現できると考えております。これらに加えて、近年の宅配を含めたテイクアウトの需要増加を受けて増大している包材費用についても、アークランズの商品開発ノウハウを活用したアークランド SHD 向けの包材 PB の開発やアークランズとの共同調達を行うことにより、一定の費用削減が可能と考えております。

また、将来的には、アークランズグループ傘下のリフォーム事業を通じた、アークランド SHD の店舗内装のリノベーションや、店舗改修や修繕の内製化についても、その実現可能性を共同で検討、模索したいと考えております。

⑤ アークランド SHD とアークランズグループ間の人材交流

アークランド SHD は、従業員の皆様に個々のライフステージに応じた労働機会を提供すべく、より長期的にいきいきと働いていただける環境づくりに努めております。また、アークランズグループにおいても、「お客様の LIFE、社会の LIFE、スタッフの LIFE を考え、理想の環境をつくる」ことを理念の一つとして掲げているとおり、従業員の皆様にとっても最適な労働環境の整備に尽力しております。

今回の本株式交換を通じてアークランド SHD がアークランズの完全子会社となることにより、従業員の皆様の労働環境の向上を目指す両社にとって、外食やホームセンターといった事業の枠にとらわれない、より幅広いキャリアの選択肢を両社の従業員の皆様に提供できると考えております。

加えて、上記②「M&A に関する情報共有や協力による新業態の開発や事業規模の拡大」に記載のように、今後も継続して M&A を行うことで、従業員の皆様が多彩な業態や業務から働き方を選択できるようになると考えております。

また、アークランド SHD においては、上記のとおり人材定着率を重要な課題として認識している中、アークランズグループにおける業務管理・組織管理に長けた人材との交流を通じた組織改善も期待できると考えております。このように、双方の人材交流を通じて、両社が独自に保有する知見や経営ノウハウの共有が可能となることで、グループ一体としての成長が加速し、アークランズグループの価値向上につながるものと考えております。

⑥ 両社顧客情報の共有化

アークランド SHD とアークランズグループの広範な顧客関連データを法令に則って適切に相互共有し、当該顧客関連データを分析し経営戦略の策定、販促活動等に活用することで、両社グループが一体となった顧客基盤の拡充を図ることが可能になると考えております。特に、アークランド SHD においては、現在、アプリ会員制度等が存在せず、顧客情報の取得手段が限定的であるため、新規顧客取得やリピーターの定着、既存顧客への新商品の提案という観点においては、アークランズグループが持つ顧客情報の取得ノウハウや分析した情報の活用方法をアークランド SHD に取り入れることで、さらなる顧客層の拡大や集客改善も期待できると考えております。加えて、アークランズとアークランド SHD 傘下の各店舗・ブランド共通の会員制・ポイントサービスの導入等、完全親子会社グループならではの共通サービスの提供も可能であると考えており、その実現可能性を模索してまいります。

⑦ 間接部門の効率化によるグループ経営管理機能強化及び管理コスト削減

両社の間接部門の見直しを行い、必要に応じて統合も含めた最適化を行うことでグループ経営管理機能強化及び管理コストの削減が可能と考えております。具体的には、法務・IR・採用等の管理部門の一体運営を通じて、グループ経営管理機能強化や管理コストの削減が可能であると考えております。また、アークランド SHD 単体では現在十分に実施できていないと考えられる各種通常業務の電子化等の DX 対応を、アークランズグループのリソースやノウハウを活用し、推進していくことも可能であると考えております。

アークランズ及びアークランド SHD は、現状においてもアークランド SHD がアークランズの子会社であることから、本株式交換を実行しなかった場合であっても、上記のような効果を一定程度発生させることができると考えているものの、アークランド SHD が上場しており、少数株主が存在する状況の下においては、親会社であるアークランズとアークランド SHD の少数株主の利害衝突が生じ得る資本構造にあるため、個々の施策について、逐一、アークランド SHD の少数株主の利益を害するおそれがないかについて慎重な検討が求められ、場合によっては、アークランド SHD の少数株主の利益を害するおそれが否定できないことによって、本来、両社の企業価値向上にとって有意義な施策を迅速に実施することができないことも想定されると考えております。また、アークランド SHD に少数株主が存在することにより、アークランズがアークランド SHDに何らかの情報やリソースを提供した場合、アークランズにとっては、これらの情報やリソースの活用による利益の一部がアークランド SHD の少数株主にも供与される状況となるため、結果的に、自身も上場会社であるアークランズがアークランド SHD に情報やリソースを提供することを躊躇させ、これらが十分に行われなくなってしまう可能性があります。このようなことから、両社が上記のような「グループ視点」をもちつつ一体となってグループの成長戦略の検討及び実行することによる効果を十全に発揮させるためには、両社間で完全親子会社関係を形成し、親会社であるアークランズとアークランド SHD の少数株主の利害衝突が生じないようにすることが必要であると考えております。

完全子会社化の方法としては、アークランド SHD 株式を対象とし、現金を対価とする公開買付けを用いたスキームも考えられますが、本株式交換の対価としてアークランズの普通株式(以下「アークランズ株式」といいます。)がアークランド SHD の株主の皆様に交付されることにより、アークランズ株式の保有を通じて、本株式交換後にアークランズとアークランド SHD の利害を共通化した上で実行することが想定されている各種施策により生じることが期待される効果や、そのような効果の発現によるアークランド SHD グループを含むアークランズグループ全体の事業発展・収益拡大、その結果としてのアークランズ株式の株価上昇・配当を享受する機会をアークランズ及びアークランド SHD の株主の皆様に対して提供できるとともに、アークランド SHD の株主の皆様において、流動性の高いアークランズ株式を市場で取引することで随時現金化することも可能であると考えたことから、アークランズ及びアークランド SHD は株式交換のスキームを選択することが望ましいと判断いたしました。

これらの点を踏まえて、総合的に検討した結果、アークランズ及びアークランド SHD は本株式交換によりアークランド SHD がアークランズの完全子会社となることが、アークランズ及びアークランド SHD それぞれの企業価値の向上、更には、アークランド SHD グループを含むアークランズグループ全体の企業価値向上に資するものであり、アークランズ及びアークランド SHD の双方の株主にとっても有益なものであるとの認識で一致したことから、両社において、本株式交換に係る割当比率を含む諸条件についての検討及び協議を経て合意に至り、本日、両社の取締役会において、アークランズがアークランド SHD を完全子会社とすることを目的として、本株式交換を実施することを決議し、本株式交換契約を締結いたしました。

公式ページ(続き・詳細)はこちら
https://ssl4.eir-parts.net/doc/3085/tdnet/2262513/00.pdf

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