釣り具メーカーのヤマリアへ海洋生分解性を有する高機能バイオ素材「NeCycle」を提供[NECプラットフォームズ]

2023/07/25  NECプラットフォームズ 労働組合 

NECプラットフォームズ、釣り具メーカーのヤマリアへ海洋生分解性を有する高機能バイオ素材「NeCycle」を提供

~NeCycleを一部採用したルアー本日発売、環境に配慮した釣り具開発を支援~

2023年7月25日
NECプラットフォームズ株式会社

NECプラットフォームズは、釣り具メーカーの株式会社ヤマリア(以下 ヤマリア、注1)へ日本電気株式会社(以下、NEC)が研究・開発し当社が量産・販売する高機能バイオ素材「NeCycle」を提供しました。2020年より環境に配慮した釣具の提供に向けて両社で検討を開始し、今回ヤマリアでは、NeCycleによるバイオプラスチックを背びれの一部に活用した新商品のルアーを本日から発売します。

「NeCycle」は、木材や稲わらなどから得られる非可食植物資源セルロースで構成され、石油由来のプラスチックと同等の耐久性を持ちながら海洋中など自然環境下においてゆっくりと分解される海洋生分解性(注2)を有するなど環境調和性に優れています。ヤマリアから今回新たな販売する商品の「エギ王SEARCH」は、イカ釣り専用の疑似餌(ルアー)であるエギで、植物等の再生可能な有機資源を原材料とするバイオプラスチックをエギ本体の一部に採用するのは、国内で初めてです(注3)

ヤマリアは、業界に先駆けてECOチャレンジ宣言(注4)として海中の資源「魚類」「イカ類」に関わる商品・サービスを通じて社会貢献を継続的に実行しており、NECがNEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)から受託した「海洋生分解性プラスチックに関する新技術・新素材の開発」(注5)に関しても再委託先として2021年から携わっています。今後、NECプラットフォームズとヤマリアは、海洋プラスチックごみや地球温暖化等の環境問題の解決に向けた取り組みとして、環境に配慮したバイオプラスチックをエギ全体へ実装することを目指します。

拡大するエギ王SEARCH

拡大するNeCycleを採用した部位

拡大する高機能バイオ素材「NeCycle」

背景

世界の海では、1億5,000万トン以上のプラスチックごみが存在しているといわれ、少なくとも年間800万トン(重さにしてジェット機5万機相当)が新たに流入していると推定されています(注6)。このようなごみを生物が餌と間違えて摂取するなど海の生態系に甚大な影響を与えており、SDGs(持続可能な開発目標)の14番目で「海の豊かさを守ろう」が掲げられるなど、海洋プラスチックごみ問題への取り組みが世界中で求められています。

プラスチックごみの多くが使い捨て用の容器包装等と考えられていますが(注7)、プラスチック製のルアーも使用の過程で根がかり等により水中に残置され回収できないことが環境問題の一因となってしまいます。そのため、ルアーの材質を海洋中で生分解される素材へ転換することが期待されています。

NeCycleの主な特長

  • 1. 長期の海洋生分解性

    木材や稲わらなど食糧問題に影響を及ぼさない非可食バイオマスから抽出されるセルロース(約50%)と安全な成分で構成され、海洋や土壌といった自然環境の中でゆっくりと分解される性質を有しています。
    また、日本バイオプラスチック協会から「バイオマスプラ」(注8)として認定されています。

  • 2. 幅広い製品に適用可能な耐久性と成形性

    幅広い製品に適用することが可能な耐久性、また射出成形による量産が可能な成形性を有しており、汎用的なプラスチック素材(PC樹脂・ABS樹脂)と同等の物性を持ち高い利便性を実現します。

  • 3. CO2排出量を約40%削減

    再生可能な植物由来のバイオマスを原料として活用しており、汎用的なプラスチック素材(PC樹脂・ABS樹脂)に比べ、製造から廃棄までに排出するCO2が約40%削減可能です。

NECプラットフォームズは、NeCycleを釣り具のほか自社のICT機器など幅広い製品への適用を推進し、「ものづくり」を通じて社会課題を解決し、人びとが豊かさや生きがいを実感し幸福になれる持続可能な社会の実現に取り組んでいきます。

以上

  • (注1)本社:神奈川県横須賀市、代表取締役社長:河原 也寸志
  • (注2)NECにおける人工海水を用いた模擬試験での実証結果。
  • (注3)2023年7月25日時点、NEC調べ。
  • (注4)ECOチャレンジ宣言
    https://www.yamaria.co.jp/activity/eco_challenge
  • (注5)NEDOは、海洋プラスチックごみ問題の解決に向け、海洋生分解性プラスチックの市場導入を促進し、更なる製品適用拡大により普及拡大を加速させるために、「海洋生分解性プラスチックの社会実装に向けた技術開発事業」を2020年度より開始。本事業では、海洋生分解メカニズムに裏付けされた評価手法の開発と海洋生分解性プラスチックに関する新技術・新素材の開発を行う。
    https://www.nedo.go.jp/activities/ZZJP_100168.html
  • (注6)WWFジャパン「海洋プラスチック問題について」、McKinsey & Company and Ocean Conservancy(2015)
    https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/3776.html
  • (注7)WWFジャパン「海洋プラスチック問題について」、UNEP (2018)
    https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/3776.html
  • (注8)バイオマスプラとは、有機資源(植物等)由来物質を、プラスチック構成成分として所定量以上含む、バイオマスプラスチック製品のことです。
  • ※「NeCycle」は、日本電気株式会社の登録商標です。
  • ※「エギ王」は、株式会社ヤマリアの登録商標です。
  • ※記載されている会社名、製品名、サービス名などは該当する各社の登録商標または商標です。

製品に関する情報

本件に関するお客様からのお問い合わせ先

    NECプラットフォームズ 生産統括本部 エンベデッド事業部
  • Mail:contact@necycle.jp.nec.com

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誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会の実現を目指します。

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