子宮筋腫QOL調査結果 掲載のお知らせ

2023/08/31  あすか製薬 株式会社 

2023年8月31日

日本在住女性を対象とした子宮筋腫の診断・治療状態と生活の質(QOL)に関する調査研究結果 掲載のお知らせ

当社の子会社であるあすか製薬株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:山口惣大)は、日本在住女性を対象とした子宮筋腫の診断・治療状態と生活の質(QOL)に関して、東京大学医学部附属病院 女性診療科・産科 甲賀かをり准教授(現・千葉大学大学院医学研究院生殖医学 教授)と東北大学大学院医学系研究科 障害科学専攻 肢体不自由学分野 鈴鴨よしみ准教授らとともに共同調査研究(以下、本研究)を行い、本研究結果が、Journal of Obstetrics and Gynaecology Researchに掲載されたことをお知らせいたします1)。

子宮筋腫は、生殖年齢女性に比較的高頻度に発生する子宮平滑筋由来の良性腫瘍です。約3割の患者さんが過多月経とそれに伴う貧血、月経困難症、圧迫症状、疼痛及び不妊などの症状を呈します。特に、過多月経は患者さんのQOLにも重大な影響を与えることが報告されています2)。

本研究では、20歳から49歳の日本在住女性約4,000名を対象にオンラインアンケートを行い、子宮筋腫の診断・治療状況により回答者を①子宮筋腫があるか不明、②子宮筋腫はない、③子宮筋腫があるが未治療、④子宮筋腫を治療中、⑤子宮筋腫の治療歴ありの5グループに分けて、QOL、子宮筋腫でみられる症状の重症度などを比較しました。症状の重症度は、日本人女性を対象とした臨床試験に基づき、子宮筋腫特異的なQOL評価指標であるUFS-QOLの症状の重症度スコア3)40以上を中等症以上と判断しました4)。

治療中のグループでは、約半数が子宮筋腫でみられる症状が中等症以上であり、QOLの低下も認められましたが、子宮筋腫の治療歴ありのグループのQOLは子宮筋腫がないグループと同程度でした。更に、決定木分析[classification and regression tree(CART)]5)により貧血が治療中のグループのQOLを低下させる重要な要因であることが示され、原因となる子宮筋腫に対する治療は、QOLを改善する可能性が示唆されました。また、治療中以外のグループにおいては、約2割の回答者が子宮筋腫でみられる症状が中等症以上であり、これらの回答者のQOLは低下しておりました。

日本では約55万人の女性が子宮筋腫の治療を受けていると推定されますが6)、これは本研究の対象年齢である20歳から49歳の日本人女性人口の1.5%にすぎず、子宮筋腫の罹患率及び有症状率を踏まえると、症状はあるものの診断・治療を受けられていない女性が多く存在すると推察されます。

過多月経などの子宮筋腫によって引き起こされる諸症状は疾患の認知が進んでおらず症状の自覚が難しいですが、本研究結果が示したようにこれらの症状はQOLの低下につながるため、子宮筋腫とその症状に対する疾患認知と適切な診断及び治療が重要であると考えます。

あすか製薬は、子宮筋腫で苦しむ患者さんに寄り添い、適切な治療選択肢を提供できるよう、引き続き取り組んでまいります。

論文の全容についてhttps://obgyn.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jog.15758をご参照ください。

以上

公式ページ(続き・詳細)はこちら
https://www.aska-pharma.co.jp/news/filedownload.php?name=caee2a95ce511f80f91486bd317af34f.pdf

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