株主提案に対する当社取締役会の意見に関するお知らせ

2024/05/15  戸田建設 株式会社 

2024 年5月 15 日

戸 田 建 設 株 式 会 社

株主提案に対する当社取締役会の意見に関するお知らせ

当社は、当社株主であるロンシャン・SICAV(代理人ダルトン・インベストメンツ・インク)より、2024年6月 26 日開催予定の当社第 101 回定時株主総会における議案として、2024 年4月 23 日付けの株主提案書(以下「本株主提案」といいます。)を受領しておりましたが、本日開催の取締役会において、本株主提案について反対することを決議いたしましたので、下記のとおりお知らせいたします。



1.提案株主

株主名:ロンシャン・SICAV(代理人ダルトン・インベストメンツ・インク)

2.本株主提案の内容

(1)議題
自己株式取得の件

(2)議題の内容
別紙「本株主提案の内容」に記載のとおりです。なお、提案株主から提出された本株主提案書面の該当箇所を原文のまま掲載しております。

3.本株主提案に対する当社取締役会の意見

(1)自己株式取得の件
①当社取締役会の意見
当社取締役会は、本株主提案に反対いたします。

②反対の理由
当社は、中長期的成長のため、基幹事業である建設事業の強化とともに、新 TODA ビル、海外事業および浮体式洋上風力発電事業等への成長投資を通じた事業ポートフォリオ改革を進めており、その中で内部留保資金については成長投資に優先して充当することを計画しております。持続的成長に向けた積極的な投資資金の確保と長期的発展の礎となる財務健全性を維持しつつ、企業価値向上に資する投資を進めております。

個別の投資案件については、リスクを勘案した社内ハードルレートと内部収益率(IRR)により評価し、その投資の是非を判断しております。更に、全社的な投資効率を上げるために、事業セグメント毎の投下資本利益率(ROIC)が資金調達コスト(WACC)を上回っているかを検証しています。また、成長投資のための資金調達では、政策保有株式の売却、保有不動産の売却(私募ファンド、私募リートへの売却を含む)によりキャッシュの創出を図っております。

当社は、資本収益性・市場評価の向上に向け、「成長と稼ぐ力の追求」「資本効率性の改善」「最適資本構成」「安定的かつ継続的な株主還元」「ステークホルダー満足への取り組み」の5つを掲げ、具体的な取り組みを進めているところです。

このような資本効率を重視した経営を継続することが、収益性の目標である ROIC5%以上、ROE8%以上を確保し、企業価値を向上させることになります。当社は、ステークホルダーの皆様に信頼され期待される事業を展開することが、PBR の向上につながるものと考えております。

本株主提案で指摘されている政策保有株式については、2023 年3月期に 115 億円、2024年3月期に 166 億円と着実に売却を進めているところであり、売却で得られたキャッシュは成長投資に充当しています。また、2023 年 12 月末時点の現預金保有高 888 億円は一時的な残高であり、恒常的に資金が滞留していることはありません。

株主還元については、株主の皆様への継続的な安定配当の実施と、業績および経営環境に応じた利益還元を行うことを基本としております。具体的には中期経営計画において「DOE(純資産配当率)2.5%以上、ただし総還元性向 40%以上」を株主還元方針として掲げております。この方針に沿い、自己株式の取得については、2023 年 11 月 14 日より 50億円を上限として実施し、本年3月に取得を終了しております。また、2024 年5月 15 日付で、さらに 50 億円を上限とする自己株式の取得を公表いたしました。今後も、投資ニーズ、財務体質、業績、株価等を総合的に勘案したうえで、適切な時期・規模にて、機動的に実施する方針です。

一方、本株主提案を実施した場合、成長投資の財源を損ない、当社の中長期的成長と企業価値の向上を停滞させることになります。加えて、財務の安定性をも失い、結果として、株主の皆様の中長期的な利益を損なうことになると認識しております。また、基幹事業を継続するための資金に加え、戦略事業、M&A 等、成長投資のための機動的資金の必要性を勘案した場合、現在の当社の現金水準は適正なものであると判断しております。したがって、本株主提案の規模の自己株式取得を1年間で行うことは、当社が成長投資を円滑に遂行する上で、適切ではないと考えております。

以上により、当社取締役会としては、本株主提案に反対いたします。

以上

公式ページ(続き・詳細)はこちら
https://www.toda.co.jp/assets/pdf/20240515_irinfo_01.pdf

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