第30回日本遺伝子細胞治療学会学術集会でのCAR-eNK細胞の作製に関する発表のお知らせ

2024/06/17  株式会社 ヘリオス 

2024 年6月 17 日
株式会社ヘリオス

第 30 回日本遺伝子細胞治療学会学術集会でのCAR-eNK??細胞の作製に関する発表のお知らせ

2024 年7月 16 日から 18 日にパシフィコ横浜会議センターで開催される第 30 回日本遺伝子細胞治療学会学術集会( https://www.jsgct.jp/conference/2638/ )において、当社が研究開発を進めている CAR-eNK(R)細胞*1 の作製に関する発表を致しますのでお知らせ致します。詳細については下記をご確認ください。



日 時: 7月 16 日(火)10:10~11:10(予定)
会 場: 第2会場
セッション:パネルディスカッション「Cell therapy」
発表形式: 口演
演題番号: PD-2
演題名: 固形がん治療を目指したキメラ抗原受容体(CAR)導入遺伝子改変ヒト iPS 細胞
からのナチュラルキラー(NK)細胞の作製
発表者: 山田 雅司
所 属: 株式会社ヘリオス神戸研究所 研究部研究探索グループ

以上

*1 CAR-eNK(R)細胞

次世代の eNK(R)細胞*2 として、キメラ抗原受容体(CAR)を導入した CAR-eNK(R)細胞の研究を進めています。CAR とは、人工的に作られた受容体で、がん細胞の表面に発現するタンパク質を認識して結合します。CAR の高い有効性は、T 細胞において既に示されおり、CAR-T 細胞療法として血液がんに対して実績を上げています。eNK(R)細胞に CAR を導入することで、がん細胞に対する攻撃能力をさらに高めることができると期待しています。

*2 eNK(R)細胞

開発コード:HLCN061(Engineered NK Cells)

遺伝子編集技術により細胞傷害活性の増強だけでなく、患者免疫細胞のリクルート(呼び込み)や固形がんへの浸潤特性も強化された、当社独自の遺伝子編集 iPSC NK 細胞プラットフォームです。当社では、eNK(R)細胞の作製に成功するとともに、自社研究の成果として、eNK(R)細胞が肺がん同所生着モデルマウス、肝がん皮下移植モデルマウス、胃がん腹膜播種モデルマウス、及び中皮腫皮下移植モデルマウスに対して抗腫瘍効果を有すること、生体におけるがんと同様の環境を有している肺がん患者由来のがんオルガノイド*においても、同様に抗腫瘍効果があることを確認しております。

また、国立研究開発法人国立がん研究センターと現在共同研究にて、国立がん研究センターが保有する複数種類のがん種に由来する PDX(Patient-Derived Xenograft:患者腫瘍組織移植片)移植マウスを用いて eNK(R)細胞の抗腫瘍効果等の評価を進めております。

さらに、国立大学法人広島大学と eNK(R)細胞を用いた肝細胞がんに対するがん免疫細胞療法に関する共同研究を、兵庫医科大学と eNK(R)細胞を用いた中皮腫に対するがん免疫細胞療法に関する共同研究を進めております。当社は、治験の開始に向けて、eNK(R)細胞が抗腫瘍効果をより発揮しやすい固形がんの種類の探索・評価を進めています。

* 生体内の組織・器官に極めて似た特徴を有している3次元的な構造をもつ組織・細胞

■株式会社ヘリオスについて

再生医療は、世界中の難治性疾患の患者にとって新たな治療法として期待されています。

この分野では、製品開発・実用化への取り組みが広がり、将来的には大きな市場となることが見込まれています。ヘリオスは、iPS 細胞(人工多能性幹細胞)などを用いた再生医薬品開発のフロントランナーとして、実用化の可能性のあるパイプラインを複数保有するバイオテクノロジー企業です。2011 年に設立し、2015 年に株式上場(東証グロース:4593)し、再生医薬品の実用化を目指して研究開発を進めています。 体性幹細胞再生医薬品分野では、健康な成人ドナー骨髄由来の多能性成体前駆細胞 (MAPC)から成る独自の細胞製品である MultiStem(R)を使用した脳梗塞急性期や急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の治験を実施しています。MultiStem(R)は、強力な抗炎症作用と免疫調節作用を示すことが示されており、さまざまな病態への応用が可能です。後期臨床試験において数百人の患者で試験され、3D 培養法で一貫して製造されており、複数の適応症 において数百人の患者で安全性と有効性の両方が実証されています。ヘリオスは、脳梗塞急性期、ARDS、外傷に対し、MultiStem(R)をグローバルに推進してまいります。 iPSC 再生医薬品分野では、免疫拒絶のリスクを低減する次世代 iPS 細胞であるユニバーサルドナーセル(UDC: UniversalDonor Cell)を作製し、さらには、遺伝子編集技術に より固形がんに対する殺傷能力を強化した次世代 NK 細胞(eNK(R)細胞)の開発を進めています。eNK(R)細胞は、動物モデルにおいて強固な抗腫瘍効果を実証しており、大量生産が可能な 3D バイオリアクターでの製造プロセスを実現しています。これらにより、がん免疫領域をはじめ、眼科領域、肝臓領域などで新規治療薬の開発に取り組んでいます。

https://www.healios.co.jp

本件に関するお問合せ先
IR・財務経理部 ir@healios.jp

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