抗老化物質ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)が高齢者の歩行速度を維持し、睡眠の質を改善することを解明~国際学術誌GeroScienceに掲載~

2024/06/21  明治ホールディングス 株式会社 

2024 年 6 月 21 日

抗老化物質ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)が
高齢者の歩行速度を維持し、睡眠の質を改善することを解明
~国際学術誌 GeroScience に掲載~

明治ホールディングス株式会社(代表取締役社長 CEO:川村 和夫)は、抗老化物質ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)※1が、高齢者の歩行速度を維持し、睡眠の質を改善することを確認しました。本研究成果は、国際学術誌 GeroScience に掲載されました。 (GeroScience 2024, https://doi.org/10.1007/s11357-024-01204-1

研究成果概要

抗老化物質ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)の長期摂取が、高齢者の歩行速度を維持し、睡眠の質を改善することを、ヒトを対象とした研究により明らかになりました。

研究背景と今後の活用

高齢になると、歩行能力、姿勢バランス機能など身体機能の低下が見られます。歩行能力の指標のうち、特に歩行速度は死亡リスクと強く関連していることが知られています。ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)は、エネルギー代謝、遺伝子発現調節、DNA 修復など、さまざまな酵素の補因子および基質として機能する物資です。加齢により全身の NAD+レベルは低下しますが、生体内の NAD+濃度を維持するために、その前駆体であるニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)を摂取することが近年注目されています。本研究は、高齢者を対象として、12週間 NMN を摂取したとき、血中 NAD+関連物質の濃度と身体機能、睡眠の質に対してどのような影響がみられるか評価をしました。

その結果、NMNを12 週間摂取した高齢者は、プラセボ※2を摂取した高齢者に比べ、血中 NAD+濃度が上昇し、歩行速度が維持され、睡眠の質が改善されることが明らかになりました。今回得られた結果により、NMN の摂取は、歩行速度を維持し、健康寿命の延長に貢献することが期待できます。

当社は、今後も抗老化研究を続け、新たな健康価値の創造に取り組んでまいります。

【発表の内容】

■タイトル: Ingestion of β-nicotinamide mononucleotide increased blood NAD levels, maintained walking speed, and improved sleep quality in older adults in a double-blind randomized, placebo-controlled study.

■発表者:Masashi Morifuji 1,Seiichiro Higashi 1, Shukuko Ebihara 2, Masashi Nagata 1,

1 明治ホールディングス株式会社
2 CPCC 株式会社

■背景

本研究では、高齢者が 12 週間ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)を摂取したとき、血中の NAD+濃度と身体機能、特に歩行速度にどのような影響を与えるかを評価しました。さらに、睡眠とストレスに関する評価を、副次的評価項目として実施しました。

■方法

65 歳~75 歳の男女 70 人を対象とし、ランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間比較法※3にて試験を実施しました。NMN 群の参加者は、12 週間にわたり 125 mg の NMN を含むカプセルを1 日あたり 2 錠摂取しました。プラセボ群の参加者は、NMN を含まないカプセルを同様に摂取しました。研究開始前(0 W)、摂取後 4 週後(4 W)および 12 週後(12 W)に身体機能検査(4メートル歩行テスト※4など)、血中 NAD+代謝物分析、睡眠やストレスに関する調査を実施しました。

■結果

NMN を 12 週間摂取した後、NMN 群はプラセボ群と比較して、4 メートルの歩行時間が有意に低値となりました(図1)。また、摂取4週後と 12 週後の血中 NAD+ とその代謝物の濃度も、NMN 群はプラセボ群と比較して、有意に高値となりました(図 2)。さらに、NMN 群は、ピッツバーグ睡眠質問票※5の「日中の眠気」と「総合得点」のスコアが有意に低値となりました(表 1)。

なお、試験物質と関連する有害事象は確認されませんでした。

■考察・結論

これらの結果から、NMN の長期摂取により、高齢者の血中 NAD+レベルが上昇し、歩行速度が維持され、睡眠の質が改善されることが示唆されました。NMN の摂取は、歩行速度を維持し、健康寿命の延長に貢献する可能性が考えられます。

公式ページ(続き・詳細)はこちら
https://www.meiji.com/pdf/news/2024/240621_01.pdf

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