遺伝子治療「fidanacogene elaparvovec」、血液凝固第IX因子に対するインヒビターのない血友病B(血液凝固第IX因子欠乏症)患者における出血傾向の抑制に関する製造販売承認を申請

2024/06/28  ファイザー 株式会社 

遺伝子治療「fidanacogene elaparvovec」、血液凝固第IX因子に対するインヒビターのない血友病B(血液凝固第IX因子欠乏症)患者における出血傾向の抑制に関する製造販売承認を申請

報道関係各位

2024年6月28日
ファイザー株式会社

ファイザー株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:原田明久)は本日、「fidanacogene elaparvovec」(以下、本品)について、血液凝固第IX因子(以下、FIX)に対するインヒビターのない血友病B(血液凝固第IX因子欠乏症)患者における出血傾向の抑制について、国内における製造販売承認申請を厚生労働省に行いました。
本申請は、FIXに対するインヒビターのない血友病B患者を対象とした国際共同第3相試験(BENEGENE-2試験)の結果等に基づくものです。本品の単回静脈内投与は、主要評価項目であるすべての出血の年間出血率(ABR)において、FIX製剤による定期補充療法と比較して非劣性を示しました。また、安全性プロファイルも良好でした。

ファイザー株式会社 取締役 医薬開発担当の石橋太郎は次のように述べています。「本日、血友病Bに対するfidanacogene elaparvovecの製造販売承認を申請することができたことをうれしく思います。本品を一日でも早く血友病Bの患者さんにお届けできるよう、承認取得に向けて引き続き関係者と協力してまいります」

    <参考情報>
    fidanacogene elaparvovecについて
    fidanacogene elaparvovecは、FIX R338L変異体を発現する遺伝子組換えアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターであり、FIXの生成および分泌が本来行われる肝細胞から、FIXタンパク質を持続的に産生させるように設計した遺伝子治療です。

    血友病Bについて
    血友病Bは、FIXの欠乏により正常な血液凝固が阻害されるX連鎖潜性遺伝性の希少疾病であり、主に男性に発症します。血友病の特徴は、出血(自然出血および外傷性出血)を繰り返すことです。重症の患者では、筋肉や関節内への自然出血が繰り返し発現します。関節内に出血を繰り返すと、血友病性関節症を発症する可能性があります。また、重度の合併症である頭蓋内出血は、血友病患者における死亡の一因となっています。
    世界血友病連盟(WFH)年次世界調査20211によると、世界全体で血友病Bの推定患者数は38,000人以上と報告されています。また、2023年の血液凝固異常症全国調査2によると、日本の血友病Bの男性患者数は約1,300人と報告されています。
    現在、血友病Bの治療として、遺伝子組換えFIX製剤または血漿由来FIX製剤を静脈内投与することにより、欠乏するFIXを補充する血液凝固因子補充療法が標準的に行われています。

    国際共同第3相試験(BENEGENE-2試験)について
    BENEGENE-2試験は、FIX活性が2%以下であり、FIXに対するインヒビターの既往歴のない、18歳以上62歳以下の成人血友病B男性患者45例を対象に、本品の有効性および安全性を検討する非盲検、単群、国際共同第3相試験です。本試験の主要評価項目は、本品による遺伝子治療によるすべての出血のABRをFIX製剤による定期補充療法と比較することです。
    出血および凝固因子補充療法の情報を収集するために6ヵ月間以上FIX製剤による定期補充療法を受けるリードイン試験を完了した45例が、体重あたり5×1011 vg(ベクターゲノム)/kgの用量で本品の単回静脈内投与を受けました。
    主要評価項目である本品投与後12週以降15ヵ月までの全ての出血のABRの平均値は1.30で、投与前の4.43と比較して減少率が70.6%と有意に減少し、非劣性および優越性が示されました。
    また、本品の忍容性は良好で、主な有害事象はトランスアミナーゼ上昇でした。死亡、重篤な副作用、過敏症反応、血栓症、FIXに対するインヒビターの発現は認められませんでした。

    ファイザーについて:患者さんの生活を大きく変えるブレークスルーを生みだす

    ファイザーはサイエンスとグローバルなリソースを活用し、人々が健康で長生きし、生活を大きく改善するための治療法をお届けしています。私たちは、革新的な医薬品やワクチンを含むヘルスケア製品の探索・開発・製造における品質・安全性・価値の基準を確立するよう努めています。ファイザーの社員は、生命や生活を脅かす疾患に対するより良い予防法や治療法を提供することで、日々、世界中の人々の健康に貢献しています。世界有数の革新的医薬品企業の責務として、信頼できる医療に誰もが容易にアクセスできるように、世界中の医療従事者、政府、地域社会と協力しています。人々の期待に応えるため、私たちは175年以上にわたり前進し続けてきました。詳細はホームページ、公式SNSをご覧ください。

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    <出典>

    1. World Federation of Hemophilia. Report on the annual global survey 2021. October 2022.
    2. エイズ予防財団 血液凝固異常症全国調査 令和5年度報告書

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