7月1日12時ごろから2日14時半ごろにかけて、BtoBプラットフォームにアクセスしづらい事象が発生しておりました。
現在は復旧し、全てのサービスを通常通りご利用いただけます。
原因等の詳細につきましては、後ほどご利用ガイドに掲載致します。しばらくお待ち下さい。ご迷惑おかけしたことをお詫び申し上げます。
最終更新時刻:17時16分

自社創薬パイプラインの優先度再設定及びそれに伴う上場時調達資金使途変更に関するお知らせ

2024/06/28  ノイルイミューン・バイオテック 株式会社 

2024 年 6 月 28 日

ノイルイミューン・バイオテック株式会社

自社創薬パイプラインの優先度再設定及びそれに伴う上場時調達資金使途変更に関するお知らせ

当社は、2023 年 12 月 15 日付及び本年 6 月 24 日付にお知らせしました通り、武田薬品工業株式会社(以下、武田薬品)より NIB102 及び NIB103 の開発と商業化に関する権利の返還を受けました。これにより、当社は、臨床ステージの自社創薬パイプラインとして NIB101、NIB102 及び NIB103、非臨床ステージのパイプラインとして NIB104 及び NIB105 を保有します。これらの開発品目は、いずれも当社の有する PRIME 技術(Proliferation-inducing and migration-enhancing 技術)を応用した Chimeric Antigen Receptor T-cell療法(以下、CAR-T 療法)で、それぞれ異なる腫瘍抗原を標的とし、種々の固形がんを対象とした開発を進めております(NIB104 及び NIB105 については、標的に関する情報は未公表)。今般、武田薬品より移管された NIB102 及び NIB103 の臨床試験成績等の検討を踏まえ、自社創薬パイプラインの開発優先順位の再設定を完了し、それに伴い上場時調達資金使途を変更することとなりましたのでお知らせいたします。なお、当該資金使途の変更は、現時点で新たな資金調達を想定するものではありません。

当社は、武田薬品から NIB102 及び NIB103 の開発と商業化に関する権利の返還についての通知を受けた後、武田薬品と協力して NIB102 及び NIB103 に関する開発データの移管作業を進めてまいりました。今般、当社の自社創薬パイプラインの開発進捗状況と、武田薬品から移管されたデータの評価結果を基に、今後当社が主体となって進める開発品目として、NIB103 の新たな第Ⅰ相臨床試験の開始を最優先事項として取り組む方針を決定いたしました。なお、武田薬品の実施していた試験を当社が引き継いで実施する場合、規制当局や外部業者との間で引継ぎのための協議及び調整が必要となるため、これに要する時間を削減することにより、早期に NIB103 の開発を再開できる方策として、当社による新たな臨床試験を立ち上げることといたしました。今後当社は、NIB103 の開発に対して優先的に取り組むことにより、2025 年の早い時期に当社が実施する第Ⅰ相臨床試験の治験届提出を目指してまいります。なお、NIB103 以外の自社創薬パイプラインについては、共同開発を含めたあらゆるアプローチを介して順次臨床試験を開始していくことを推進するとともに、NIB104 や NIB105 の早期の臨床ステージへの移行に取り組み、またこれらの開発品目群を当社の共同パイプライン事業の加速化にも積極的に活用してまいります。

GPC3(Glypican-3)を標的とする NIB102 及び Mesothelin を標的とする NIB103 については、武田薬品により固形がんを対象とした第 I 相臨床試験が実施されました(それぞれ NCT04405778 及び NCT05164666)。NIB102 については、投与量を漸増しながら計 11 例の被験者に治験製品が投与され、臨床開発初期段階における NIB102 の安全性及び忍容性が確認されるとともに、一定の抗腫瘍活性が示唆される結果が得られています。武田薬品による臨床試験は終了しますが、検討された被験者数が少ないことから、NIB102 の有効性と安全性について、今後さらなる臨床検討が必要と考えられます。なお、本結果については、武田薬品により、2024 年 5 月 31 日~6 月 4 日に米国シカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)において報告されております(当社 2024 年 6 月 4 日付のお知らせをご参照ください)。NIB103 については、同じく第 I 相臨床試験が実施され、数例の被験者に治験製品が投与されました。武田薬品による臨床試験は終了するため、現時点で検討された被験者数は限定的であり、有効性及び安全性に関する確定的な解釈はできないものの、明らかに治療によると考えられる腫瘍縮小効果が示されています。一方、投与にあたって注意を要する有害事象も認められており、さらなる臨床試験の実施に当たっては、その診断方法と治療方針について、責任医師らと充分に議論を重ねる必要があると考えられます。武田薬品によって実施されてきた NIB102 及び NIB103 に関する第 I 相臨床試験については、今後新たな患者組み入れは行わず、治験実施計画書及び関連する薬事規制を満たすための投与後の経過観察が行われますが、これらの実施についてはすべて武田薬品の管理下で行われるため、当社に対する財務的負担は発生いたしません。一方、当社が第I相臨床試験を実施している、GM2を標的とする NIB101 について、2024 年 1 月 25 日付通期業績予想の修正に関するお知らせ等でお知らせしたように、製造委託先における治験製品の製造及び品質試験に関して、品質管理上の手順等に解決すべき課題が断続的に複数回生じたことを要因とする治験の遅れが発生しています。現在、製造及び品質試験における管理体制の改善等を含め、必要な対応活動を実施しておりますが、当該活動が完了するまでの期間が長期化することが見込まれるため、この間の開発費用の発生等を鑑み、実施中の NIB101 第 I 相試験については一旦中止することを併せて決定いたしました。これらのことを踏まえ、当社は PRIME CAR-T 療法の臨床における Proof-of-Concept(PoC:概念実証)が最も近く、かつ可能性の高い開発品目として NIB103 を選択し、臨床開発を優先的に進めることを決定いたしました。

以上の通り、今後の開発方針を新たに設定したことから、新規上場時に予定していた資金使途及び予定時期並びに金額の変更を行うこととしました。資金使途の変更内容は以下の通りです。変更箇所には下線を付しております。

変更前
資金使途
金額
充当予定時期

① NIB101 の開発費
1,900 百万円
2023 年 12 月期~2025 年 12 月期
② NIB104 以降の非臨床試験費用
60 百万円
2023 年 12 月期~2024 年 12 月期
③ 新規パイプライン創製にかかる研究費
330 百万円
2023 年 12 月期~2025 年 12 月期
④ 新規基盤技術に関する研究費
90 百万円
2023 年 12 月期~2025 年 12 月期

2,380 百万円

変更後
資金使途
金額
充当予定時期

① NIB101 の開発費
530 百万円 (500 百万円)
2023 年 12 月期~2024 年 12 月期
② NIB103 の開発費 (追加)
1,600 百万円 ( - )
2024 年 12 月期~2026 年 12 月期
③ NIB104 以降の非臨床試験費用
30 百万円 (30 百万円)
2023 年 12 月期~2024 年 12 月期
④ 新規パイプライン創製にかかる研究費
130 百万円 (30 百万円)
2023 年 12 月期~2026 年 12 月期
⑤ 新規基盤技術に関する研究費
90 百万円 (20 百万円)
2023 年 12 月期~2026 年 12 月期

2,380 百万円
(580 百万円)
()内は充当済み金額

今回の決定にあたり、当社代表取締役社長の玉田耕治は以下のようにコメントしています。「固形がんに対する CAR-T 細胞療法は、世界中で新規技術の開発が進められていますが、未だ明確な治療方法は確立しておらず、現時点で承認に至った製品はありません。この度、当社が優先的に開発する自社創薬パイプラインとして選択した NIB103 は、当社が独占的な権利を有し、免疫細胞療法の治療効果を高める「PRIME 技術」を搭載した CAR-T 細胞であり、限られた症例ではあるものの、固形がんに対する高い治療効果を示唆する臨床データが認められています。当社は、今後、固形がんに対する CAR-T 療法のブレイクスルーとなる可能性を有する自社パイプラインとして NIB103 の開発を推進し、その安全性及び有効性について検証してまいります。」

現時点において、本件による 2024 年 12 月期の当社業績に与える影響はないと見込んでおりますが、今後開示すべき事項が発生した場合には、速やかにお知らせいたします。

以上

【ノイルイミューン・バイオテック株式会社について】
ノイルイミューン・バイオテック(TSE:4893)は、免疫細胞療法の治療効果を高める当社独自の革新的技術である「PRIME 技術」を搭載した PRIME CAR-T 細胞で、固形がんに対する次世代のがん免疫療法の実用化に取り組むアカデミア発のバイオテック企業です。PRIME 技術は、様々なキメラ抗原受容体(CAR)との組み合わせによる新規医薬品の創出や、多様なモダリティへの応用が可能で、他社技術との協働により今後多くのがん治療アプローチの開発が期待できます。ノイルイミューンは、日々の事業活動への取り組みを通じて、「がんを克服できる社会の創生に貢献する」ことを目指します。
詳細については、https://www.noile-immune.com/をご覧ください。

関連業界