胃酸分泌抑制剤tegoprazanの中国における注射剤の臨床試験実施許可に関するお知らせ

2024/07/05  ラクオリア創薬 株式会社 

胃酸分泌抑制剤tegoprazanの中国における注射剤の臨床試験実施許可に関するお知らせ

  • 2024年07月05日

このたび、当社のサブライセンス先であるShandong Luoxin Pharmaceutical Group Stock Co.,Ltd.(中国、以下「Luoxin社」)が、当社がHK inno.N Corporation(韓国、以下「HKイノエン社」)を通じてライセンスした胃酸分泌抑制剤tegoprazan(以下「tegoprazan」)につきまして、注射剤の開発に向けた臨床試験の実施について中国当局から承認を受けたことを発表しました。

Luoxin社は、7月2日、tegoprazanの注射剤 LX22001について、経口療法が適さない場合のびらん性胃食道逆流症、十二指腸潰瘍における代替療法、消化性潰瘍出血を適応症とした計4件の臨床試験実施承認を、中国国家医薬監督管理局(NMPA)から取得したことを同社のウェブサイトで発表しました(https://www.luoxin.cn/page.aspx?node=53&id=11238(中国語))。

Tegoprazanは、当社が創出したカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(Potassium Competitive Acid Blocker : P-CAB)と呼ばれる新しい作用機序の胃酸分泌抑制剤です。中国では、Luoxin社によって経口剤の開発が先行して進められ、2022年4月、商品名泰欣?®(タイシンザン)として発売されました。現在承認されている適応症はびらん性胃食道逆流症および十二指腸潰瘍であり、2023年12月にはヘリコバクター・ピロリ感染症の治療を目的とした併用療法に関する承認申請が行われています。

注射剤は経口剤とは臨床使用の場面が異なります。中国では、手術の際や入院患者さんには注射剤が使用されることが多く、胃酸分泌抑制剤の注射剤市場は約2,000億円にも上ります。現在用いられているのはH2受容体拮抗薬(H2ブロッカー)やプロトンポンプ阻害剤(PPI)といった旧来のものに限られます。Luoxin社は既にPPI注射剤の開発・販売の実績を持っており、本注射剤の開発に成功すれば、世界初のP-CAB注射剤となるだけでなく、現地の臨床ニーズに合致した剤形の多様化によって中長期的な売上増加に寄与すると当社は期待しています。

当社は、HKイノエン社との間で、日本を除く全世界の開発・製造・販売に関する再実施許諾権(サブライセンス権)付き独占的ライセンス契約を締結しています。HKイノエン社および同社からライセンスまたは製品輸出を受けた世界各国の提携先企業によってtegoprazanに関する事業活動が進められこれまでに世界46カ国に進出しています。現在tegoprazan製品が販売されている国は、韓国、中国、フィリピン、モンゴル、メキシコ、インドネシア、シンガポールおよびペルーの8カ国であり、その他の国でも臨床開発、承認申請、発売準備等の活動が行われています。

当社は今後も引き続き、提携先との連携をより強固にし胃酸関連疾患治療の選択肢を広げることで、患者さんのQOLの向上に一層貢献できるよう努めてまいります。

以上

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