Nav1.7およびNav1.8ナトリウムチャネル遮断薬(複素環誘導体)の米国における特許査定のお知らせ

2024/07/17  ラクオリア創薬 株式会社 

2024年7月17日
ラクオリア創薬株式会社

Nav1.7およびNav1.8ナトリウムチャネル遮断薬(複素環誘導体)の 米国における特許査定のお知らせ

当社が創出したNav1.7およびNav1.8ナトリウムチャネル(※1)遮断薬(複素環誘導体)の物質特許(出願番号 17/417,182)はこれまで米国で審査中でありましたが、本日、特許査定(※2)の連絡を受けましたのでお知らせいたします。

今回特許査定を受けた複素環誘導体は、Nav1.7およびNav1.8ナトリウムチャネルの遮断作用を有する新規な化合物群であり、当社がこれまでに特許査定を受けたものとは異なる新たな分子骨格に基づくものです。今回の特許査定により、米国において当社の知的財産権が強化される事となりました。

当社が創出したナトリウムチャネル遮断薬は、Nav1.7およびNav1.8ナトリウムチャネルに対して特異的に作用し、複数の疼痛モデル動物において高い有効性を示すことが確認されています。一方で、心臓で重要な働きをするNav1.5ナトリウムチャネルに対して良好な選択性を示すことから、心血管系に対する副作用を抑制する可能性のある画期的新薬として、様々な医療ニーズに応えることが期待されます。今回の選択的ナトリウムチャネル遮断薬は、当社の強みであるイオンチャネル創薬の成果であり、今後も知的財産のポートフォリオの強化・充実に努めてまいります。

なお、本特許査定により、2024年12月期(2024年1月1日~2024年12月31日)の当社業績への影響はございません。特許査定を受けた複素環誘導体は、今後の開発等を通じて、中長期的に当社の企業価値の向上に寄与するものと考えています。

以 上

〔用語解説〕

※1 ナトリウムチャネルについて

ナトリウムチャネルは、筋肉細胞や神経細胞などの興奮性細胞の細胞膜表面に多く発現するイオンチャネルの一種であり、細胞内外の電位変化に応じて開口しナトリウムイオンを選択的に細胞内へ透過させます。ナトリウムチャネルが開口することで活動電位が発生し、知覚神経では痛みの伝達を担っています。現在までに9種類(Nav1.1~Nav1.9)のナトリウムチャネルが報告されており、ナトリウムチャネルの遮断薬は疼痛をはじめ様々な疾患領域の治療薬として期待されています。

※2 特許査定について

各国特許庁の審査によって「特許権を与える価値がある出願発明である」と判断された場合に示される評価です。特許査定の後に特許料を納付することによって、登録特許となり、該当する国において特許権が発生することになります。

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