ハンガリー国立エネルギー研究所でNAS電池の引き渡し式が開催政府関係者、国営エネルギー会社責任者らが出席

2024/07/25  日本碍子 株式会社 

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ハンガリー国立エネルギー研究所でNAS電池の引き渡し式が開催
政府関係者、国営エネルギー会社責任者らが出席

2024年07月25日

日本ガイシ株式会社(社長:小林茂、本社:名古屋市)がハンガリーのエンジニアリング企業であるDuna Center Therm Uzemi Szolgaltato Kft.を通じてハンガリー国立のエネルギー研究所から受注した電力貯蔵用NAS電池の設置・試運転作業が完了しこのたび、引き渡し式が開催されました。

NAS電池は、ハンガリー国立のエネルギー研究所で実施される再生可能エネルギー(再エネ)の安定化用途に最適な定置用大型蓄電池を検討する実証プロジェクトに使用されます。ハンガリーでは、カーボンニュートラルに向けた非化石燃料へのエネルギー転換が進められており、実証を通じてエネルギーの安定供給とカーボンニュートラルの両立を目指します。実証で得られたデータは、ハンガリーの国営エネルギー会社MVMグループなどにも共有され、実証結果をもとに、ハンガリーで今後導入する定置用大型蓄電池の性能基準が検討される予定です。

設置・試運転作業完了にあたり、エネルギー研究所で7月9日に引き渡し式が開催されました。政府関係者やMVMグループの責任者らが出席し、ハンガリー エネルギー省のエネルギー・気候政策担当次官が以下の内容でスピーチを行いました。
「カーボンニュートラルを推進するハンガリーにとって、学術機関、エネルギー事業者、蓄電池メーカーなど各者の連携、協業の重要性がより高まっている。ハンガリーにおける太陽光発電所の設置容量は、今後10年間で合計12,000メガワットまで広げる計画で導入が進んでいる。将来的に国内の電力需要を原子力発電と太陽光発電で賄い、時には隣国へ輸出する余力を作るためにはエネルギー貯蔵は重要な役割を果たし、リチウムイオン電池以外の選択肢となる新たな蓄電技術としてNAS電池は重要な役割を担うことになるだろう。」

平坦な地形が多いハンガリーでは、高低差が必要となる揚水発電の建設が困難なため、代替としてNAS電池のような大容量の蓄電池の需要が高まっており、今後の採用が期待されます。NAS電池は、再エネの安定化や電力需給バランスの調整、非常用電源などさまざまな用途で利用されており、現在までに全世界で250カ所以上、20年以上の安定的な運用実績があります。当社は今後もNAS電池の提案・販売活動をさらに推進し、世界の再エネ導入拡大とカーボンニュートラルの実現に貢献していきます。

  • ※揚水発電
    水を利用して電気を蓄える蓄電池のような役割を担う設備。発電所の上部と下部に水を蓄える調整池をつくり、電力需要が大きい時間帯には上部から下部へ水を流下させて発電し、電力需要の少ない時間帯には、余剰電力で下部から上部へと水をくみ上げて再び発電に使う。

設置されたNAS電池の概要

設置場所 ハンガリー国立 エネルギー研究所(ブダペスト市)
出力 直流 250キロワット(最大出力)
容量 直流 1,450キロワット時(納入時)
設置台数 コンテナ型1台
用途 再エネ安定化用途の定置用大型蓄電池の実証
運転開始 2024年8月(予定)


設置されたNAS電池(左)

引き渡し式の概要

日時 7月9日(火)13時~15時
場所 ハンガリー国立 エネルギー研究所
参加者 ハンガリー エネルギー省 エネルギー・気候政策担当次官 Attila Steiner 氏
ハンガリー国立 エネルギー研究所長 Horvath Akos 氏
ハンガリー研究ネットワーク(HUN-REN)/最高経営責任者 Roland Jakab, 氏
日本ガイシ株式会社 エナジーストレージ事業部営業部長 小川洋平 ほか

NAS電池について

NAS電池は日本ガイシが世界で初めて実用化したメガワット級の大容量蓄電池です。大容量、高エネルギー密度(コンパクト)、長寿命を特長とし、長期にわたり高出力の電力を長時間、安定して供給することが可能です。全世界で250カ所以上、総出力72万キロワット(720メガワット)・総容量約500万キロワット時(約5,000メガワット時)の設置実績を持ち、電力負荷平準によるピークカットや非常電源用途のほか、再生可能エネルギーの安定化やスマートグリッドの構築など、さまざまな用途で利用されており、環境負荷の低減、カーボンニュートラルの実現に貢献しています。
NAS電池は、世界的な第三者安全科学機関であるUL Solutionsによる評価プログラムを通じ、定置用蓄電池の安全規格UL1973のUL認証(単電池・モジュール)を取得しています。また、バッテリーおよび蓄電池システム内の火災リスクを検証する試験規格であるUL9540A規格に基づく試験レポート(単電池・モジュール・設置レベル)を取得し、UL9540A規格に基づく要件への準拠を確認しています

  • ※コンテナ型NAS電池(及び搭載される単電池・モジュール)を対象としています。

NAS電池製品情報
ハンガリー国立のエネルギー研究所向けにNAS電池を受注

以上

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