高耐食・耐熱ニッケル合金NAS625の超広幅プレート製品化について

2024/06/19  日本冶金工業 株式会社 

2024年6月19日
日本冶金工業株式会社

高耐食・耐熱ニッケル合金NAS625の超広幅プレート製品化について

当社は高耐食・耐熱合金NAS625(UNS N06625、以下「本製品」と記載)の超広幅プレートの製品化に成功しました(厚さ15mm×幅3100mm)。本製品は、石油ガス分野向け大径管等の素材としてのメリットを有し、当該寸法を製造できるメーカーも数少ないことから、競争力のあるラインアップの拡充となります。

■製品化の意義

優れた耐食性と耐熱性を有する本製品は、石油ガス分野、化学分野や自動車分野等の幅広い分野で使用されますが、高温での強度が高く、熱間圧延の難易度が高い合金です。当社は、南鋼日邦冶金商貿(南京)有限公司を通じて協力関係にある南京鋼鉄の広幅圧延機を用い、当社がこれまで培ってきた ノウハウを投入することで、2021年に厚さ50mmの極厚超広幅プレートを製品化しております。

一方、天然ガスプラント用配管等には、より板厚の薄い広幅プレートが必要ですが、板厚が薄くなると温度低下により、高温での強度がさらに高くなり、熱間圧延の難易度が格段と高まります。当社は、さらなる製造条件の適正化等を通じて、配管素材に適切な板厚の薄い超広幅プレートの製品化を実現しました。

■超広幅プレートの用途・利点

天然ガスプラント向け配管等では、製造工程の溶接工数低減のために、なるべく広幅の素材を用いることが有効です。例えば、狭幅プレート材を素材とすると、2本の溶接線が必要な2シーム工法となりますが、今回製品化した超広幅プレートを用いると、1 シーム(1 本の溶接線)で製管でき、製造納期の短縮・製造コストの低減につながります。また、合弁先の中国内でプレートの製造・販売を行うことで、運搬上の課題も解決できることから、中国市場ですでに 50ton を販売しております。今後も中東等の天然ガスや LNG プロジェクト向けに拡販が期待されます。

■合弁先とのシナジー効果

当社は今後も合弁先である南京鋼鉄との連携により、高度化する顧客ニーズに即した製品の供給体制の強化やソリューション提案を図り、顧客満足度の向上に努めてまいります。

モニターは大きさ比較のために置いたものです。

NAS625超広幅プレート 厚さ15mm×幅3100mm

本件に関するお問い合わせ?ソリューション営業部(電話?03-3273-4649)
海外営業部(電話?03-3273-4618)

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