~AI画像認識技術で500m以内の船舶を検知 位置情報も取得~船舶航行監視システム「COS-NAVI」を開発

2024/07/11  東亜建設工業 株式会社 

~AI画像認識技術で500m以内の船舶を検知 位置情報も取得~
船舶航行監視システム「COS-NAVI」を開発

2024年07月11日

東亜建設工業株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:早川 毅)は、AI画像認識技術を用いて船舶を自動検知する機能を取り入れた船舶運航監視システム「COS-NAVI:Construction On the Sea NAVIgation system」を開発し、国土交通省が提供する新技術情報提供システム(NETIS)に登録されました(登録番号:KTK-240003-A)。本システムを港湾工事へ導入し、検証を行った結果、自船から500m以内の近距離において、90%を超える高い船舶検知率が得られることを確認しました。

図1 システム概要

開発の背景

多くの一般船舶が行き交う海上で工事を行う際には、工事用船舶の運航状況や周辺を航行する一般船舶の動静を注視し、安全航行に努めることが重要です。当社では、GNSS、船舶自動識別装置(AIS)、船舶レーダー等を使用し、周辺海域に存在する船舶の位置および動静情報を自動入手し、工事関係者に展開することで、海上工事の安全確保に寄与してきました。しかしながら、船舶情報を入手する上で、船舶レーダーは航行安全上、特に必要な500m以内の近距離における船舶の検知には不向きであることが課題でした。
今回、開発した船舶航行監視システム「COS-NAVI」は、AI画像認識技術を利用し、カメラで撮影した映像内の船舶をAIで検知するとともに、検知した船舶の位置情報を取得します。また、検知した船舶を自動追尾し、継続的に位置情報を取得することで、画面上に船舶の位置を表示するシステムです。本技術の活用により、操船者による船舶の見落としを予防し、海上作業時の運航管理の安全性と生産性の向上を図ることが可能となります。

図2 船舶航行監視システム「COS-NAVI」による船舶情報取得領域

システム概要

本システムは、従来のGNSS、船舶自動識別装置(AIS)、船舶レーダーを用いた監視システムに高精度カメラを追加し、撮影した映像内の船舶をAIで自動検知するとともに、検知した船舶を自動追尾し、位置を取得する機能を付加することで、近距離の監視を強化したものです。AI画像認識技術を利用することにより、船舶レーダーの苦手領域である500m以内の範囲において、カメラで撮影された映像から、船舶を90%以上の高精度で検知することが可能です。なお、AI画像認識技術の教師データには、実際の港湾工事で撮影した映像を用いているため、漁船やプレジャーボートなどの一般船舶のほか、工事用船舶(グラブ浚渫船、地盤改良船、起重機船、潜水士船)の検知も可能となりました。

図3 システム構成イメージ

今後の展開

今後、港湾工事を中心に様々な現場への導入を通じて追加学習を行い、検知精度を向上させるとともに、高性能なカメラを使用して画質を高めることで、検知距離の向上を図っていきます。また、船舶の動揺補正やスタビライザーの活用により、検知精度の向上にも取り組んでいきます。

本件に関するお問い合わせ先

東亜建設工業株式会社
経営企画本部 経営企画部広報室 TEL:03-6757-3821 / FAX:03-6757-3830

以 上

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